HJ『Basic3』(バルジ大作戦)(BULGE The Battle for the Ardennes 16 Dec. '44-2 Jan. '45)をプレイしてみた。
このゲームは、SPIの同名ゲームと同一ゲームだ。
ゲームスケールは1ターン1日、1ヘクス8km、1ユニット=連隊から師団、デザイナーはJames Dunnigan氏だ。
プレイ手順は少し変わっていて次の通り。
1.天候フェイズ
2.ドイツ軍移動前戦闘フェイズ
3.ドイツ軍移動フェイズ
4.ドイツ軍移動後戦闘フェイズ
5.連合軍空輸補給フェイズ
6.連合軍移動前戦闘フェイズ
7.連合軍移動フェイズ
8.連合軍移動後戦闘フェイズ
9.勝利決定フェイズ
10.ターン表示フェイズ
二回戦闘できるのだ。移動前戦闘フェイズはメイ・アタックだが、移動後戦闘フェイズはマスト・アタックだ。
スタックはできない。
勝利条件は、各ゲームターンの9.勝利決定フェイズに勝利ポイント差(ドイツ軍の勝利ポイントー連合軍勝利ポイント)を計算し、ターン記録欄の数字と比較して勝利を決定する。
例えば、第3ターンだと、ターン記録表に40/8とある。仮に勝利ポイント差が50点の場合、左側の40以上なのでドイツ軍の勝利だ。仮に勝利ポイント差が3ならターン記録表の右側の8以下なので連合軍の勝利だ。
勝利ポイントは、1戦闘力につき1ポイント。または、ドイツ軍ユニットが地図盤外に出したとき、外に出たヘクスに記載されている数値x戦闘力となる。
地図盤北西のNamurやHuyの近くだとx4だ。
今回は歴史上の天候でプレイしてみる。
果たしてどうなるか?
目次
■初期配置
■第1ターン(1944/12/16)
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍が0503でアメリカ軍第14偵察連隊を攻撃する。戦闘力はドイツ軍2+3+2。連合軍は1+林2=3 戦闘力差は、7-3=4。奇襲効果で右へ2列で6。第1線等結果表を使い、ダイス目は1。結果Ex相互損害。米軍第14偵察連隊が壊滅した。ドイツ軍は壊滅した第14偵察連隊の戦闘力1以下のユニットが戦闘に参加していなかったので失うユニットはない。
ドイツ軍第3降下猟兵師団が戦闘後前進した。
1005の米軍第112歩兵連隊が後退した。
1307では戦闘継続
Vianden(1506)を攻撃したドイツ軍第5、第352歩兵師団が撃退された。
ドイツ軍ハイテ(Heydte)空挺部隊の降下は失敗した。
Monshau(0105)を攻撃したドイツ軍第272国民擲弾兵師団が第2戦闘結果表を使ったが壊滅。
0303を攻撃したドイツ軍第326国民擲弾兵師団は0202へ後退した。
0403の戦闘はCt=戦闘継続
0804を攻撃したドイツ軍は後退した。
後退の時にとかもできるのか?[8.7]によると「移動フェイズにおいてそのユニットが入ることのできるヘクス」とあるから渡河できそうだ。
0906を攻撃したドイツ軍もアメリカ軍第112歩兵師団に撃退された。
1307でアメリカ軍第110歩兵連隊がClervaux(1308)へ後退した。
Vianden(1506)はCt=戦闘継続
1804を攻撃したドイツ軍第276国民擲弾兵師団壊滅
1802を攻撃したドイツ軍第212国民擲弾兵師団が1602へ後退。
●連合軍プレイヤーターン
0303を攻撃したアメリカ軍第2歩兵師団が撃退されて0305へ後退した。
0503の戦闘は戦闘継続
Clervaux郊外の1307の戦闘は、アメリカ軍第110歩兵師団が撃退されて1208へ後退し、Clervaux(1308)をドイツ軍第26国民擲弾兵師団が戦闘後前進で占領した。
Vianden(1506)のアメリカ軍第109歩兵連隊が壊滅し、Vianden(1506)をドイツ軍第5国民擲弾兵師団が占領した。
●両軍の勝利得点
ドイツ軍2
連合軍3
3-2=1
ハイテ部隊を勝利得点に加えると連合軍の勝利になるが、ここでは加えないこととする。
■第2ターン(1944/12/17)
天候は霧だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
0403でアメリカ軍第99歩兵師団壊滅。ドイツ軍第12国民擲弾兵師団も壊滅。
0305でドイツ軍第277国民擲弾兵師団が0303へ後退した。
St.Vith(0707)をドイツ軍だ12SS装甲師団が攻撃したが戦闘継続
0807でアメリカ軍第112歩兵師団が0708へ後退した。
1109でドイツ軍装甲教導師団が撃退され1007へ後退した。
1208でアメリカ軍第110歩兵師団が1209へ後退した。
1704は戦闘継続
●連合軍プレイヤーターン
1703でドイツ軍第212国民擲弾兵師団が後退不能のため壊滅した。
1705は戦闘継続
1208はアメリカ軍第110歩兵師団と第9RR戦車連隊が後退。
0807ではドイツ軍第560国民擲弾兵師団が後退不能のため壊滅。
0706ではアメリカ軍第106歩兵師団と第9BR戦車連隊がドイツ軍第12SS装甲師団によって撃退された。St.Vith(0707)が、がら空きになったのでドイツ軍第12SS装甲師団が戦闘後前進して占領した。
●両軍の勝利得点
ドイツ軍 3点
連合軍 6点
勝利得点差=6-3=3点
第1ターン時点で1点+3点=4点
■勝利条件の確認
第2ターンは21/4だから、4点なので、連合軍の勝利!!
■感想
サドンデスの勝利条件なので、今回のようにあっさりゲームが終わってしまうことがある油断できないゲームだ。
プレイ後、ルール・ブックを確認した。
第1ターンのドイツ軍の奇襲は、[12.0]によると、移動前戦闘フェイズの場合、「本来の戦闘力差から右へ2列」とある。今回は、単純に数字を足しただけだった。戦闘力差+4の場合+2して、+6とした。第1戦闘結果表の場合、本当だったら、+4の2列右だから、+5+6列ではなく、+7+8列とするべきだった。
また、[4.9]地形効果表の町の防御時に加えられる戦闘力の注として「後退するか否かを選択できる」とある。*5として、「町にいるユニットは、攻撃時のArの戦闘結果を、防御時にDrの戦闘結果を無視することができる」とある。今回、町のヘクスから攻撃してArが出たり、町のヘクスで防御してDrが出た時、後退してしまったが、後退しなくてよかったのだ。
地形が2個あるヘクスの場合、地形効果がどうなるか疑問に思ったが、[16.0]に複数の地形が存在する場合、「次の優先順でどれか1つの地形と見なす;森林、林、荒地、平地。」とのことだ。
林と町のヘクスだと林+町の移動力や防御時の戦闘力を累積するということだ。
第1ターンのドイツ軍奇襲効果が小さかったからサドンデスで連合軍が勝利してしまったのだ。
ユニークなルールでバルジの戦いをうまく再現した傑作ゲームだと思う。
次回はこんなに早く終わらないよう再挑戦したい。