Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ASL Starter Kit #2 Scenario S13 PRIORITY TARGETを 日本語に訳してみた

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MMP『ASL Starter Kit #2』(ASLSK#2)のScenario S13 PRIORITY TARGETのシナリオカードの日本語訳をしてみた。

 

タイトルの日本語は『優先目標』と言ったところだろうか。ギリシャの戦いだ。

 

A Grove of ASLにも和訳がある。

 

war.game.coocan.jp 

http://war.game.coocan.jp/ASL/index.php?Scenarios%2FS%2F13%20Priority%20Target

 

シナリオ・デザイン:ブライアン・ユース

 

1941426日、ギリシャコリントス「W部隊」を構成するイギリス、オーストラリア、ニュージーランドギリシャの各部隊は、ドイツ軍に対して天然の峠や防衛強化地点を使って遅滞戦術を繰り返しながら、バルカン半島を後退してきた。クレタ島にいるイギリス艦隊は、大陸から連合軍を救出するミニ=ダンケルク作戦を準備していた。連合軍は、コリント運河(Corinth Canal)を渡河すれば比較的部隊が安全になると判断していた。コリント運河は、コリント地峡を横断し、ペロポネソス半島ギリシャ本土とを隔てていた。部隊が運河を渡り終えた後、この運河を渡る唯一の橋を爆破する計画だった。ヒトラーは、彼の指の間からすり抜けようとする大規模なイギリス軍部隊を包囲するチャンスであると見ていた。4月20日ヒトラーは、橋梁を奪取し,運河の北側で退却中の聯合軍部隊を包囲するとともに、更に彼の装甲部隊を運河の南側へ突破させて、ANZAC軍団に改名した部隊を海岸線で包囲する計画を、決定した。6機のグライダーに分乗した54名の部隊が、橋の近くに着陸し占領する、同時に第2降下猟兵連隊のパラシュート兵2個大隊が橋梁の近くに降下し、増援して橋を完全な支配化におくだ。計画は完全な形でスタートを切ったが、説明不可能な理由で、ドイツ軍グライダー降下兵達は、橋の下から取り外した爆薬を橋の上に積み上げておいたのだった。間も無く、イギリス、オーストラリア、ギリシャ軍の混合部隊による反撃が始まった。そして,突然、積み上げておいた爆薬が爆発して橋を破壊してしまった。橋の残骸からの黒煙が立ち上る中、Ju-52輸送機が飛来し、2個降下猟兵大隊を戦闘地域に降下させ始めた。

 

地図盤配置:地図盤xを使用。

 

勝利条件:ドイツ軍は、3門のイギリス軍対空砲全てを、破壊、捕獲、まてゃ捕獲していない状態でそのヘクスを単独でドイツ軍が占領しているかのいずれかの状態にすれば、即座に勝利する。

 

バランス:

連合軍:4-3-7分隊1個をギリシャ軍戦闘序列に追加。

ドイツ:9-1指揮官を9-2指揮官に変更。

 

ターン記録表:

連合軍が先に配置

ドイツ軍が先に移動

 

戦闘序列:

W部隊」混成中隊の一部[ELR:3] 指示に従い配置する。

 

W部隊のイギリス軍 全ての建物から3ヘクス以上離れた任意のヘクスに配置する。さらに他の対空砲から5ヘクス以内かつ隣接させてはならない。

2-2-8x3

AA 40L x3

 

ANZAC軍団のオーストラリア軍の一部 任意のヘクスに配置する。

4-5-7x2

2-4-7x3

8-0

7-0

LMGx2

 

W部隊」のギリシャ軍 イギリス軍とオーストラリア軍ユニットがいない任意のヘクスに配置する。

4-3-7x2

2-2-7x2

8-0

 

2降下猟兵連隊、第II大隊、第5中隊の一部[ELR:5] 第1ターン及び/以後に任意の地図端へクスから進入する。(複数の地図端からでも構わない。)

5-4-8x9

2-3-8x5

9-1

8-1

8-0x2

LMGx3

DCx3

 

特別ルール:

1.連合軍の指揮官は、国籍が異なる部隊(イギリス軍とオーストラリア軍は同一国籍とみなす)の回復と指揮を試みる際、+1DRMペナルティを受ける。

2.対空砲は初期隠匿配置HIP(6.4)を用いないでセットアップする。

3.イギリス軍操作班とオーストラリア軍一線級部隊は萎縮しない(3.2.2)。

4.麦畑の季節である。

 

結末:橋の爆破をよそに、降下猟兵達は正確な降下を行った。後続波の降下部隊を援護するために、地上に降下した先発チームの攻撃目標は、橋周辺の幾つかの対空砲陣地に設定されていた。第II大隊、第5中隊は、橋の南に降下すると、直ちに11門の対空砲を破壊し、橋の南端を守備していた混成中隊の残余を速やかに掃討した。橋の破壊は、ANZAC軍団の一部が運河の北側で包囲され罠にはまることを意味していた。しかしドイツ軍は、ポンツーン橋が仮設され運河が通行可能になるまで、残余部隊を追撃できなかった。またしてもヒトラーのプライドは傷つけられたのだった。