TACTICS 第21号(1985/5/1)を読んでみた。
特集は『特集!戦術級ゲーム』
付録ゲームはなし。
もくじは次のとおり。
特集が戦術級ゲームなので、大好きな『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズや『ヨーロッパ上空の戦い』(Air Force)シリーズや海戦ゲームのリプレイが見られるかと期待していた。が、『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズの記事はなく、『ヨーロッパ上空の戦い』(Air Force)シリーズは、オプション・ルールの紹介と、バトル・ライン版とアバロン・ヒル版の相違点解説記事で、私の求めているものとは違ったのが残念だった。
p.4 装甲ゲームは永遠に
戦術級陸戦ゲームのことをアメリカでは、Armar Game(アーマー・ゲーム、装甲ゲーム)と呼ぶそうだ。その元祖は何と言っても『パンツァー・ブリッツ』(Panzer Blitz)だが、装甲ゲームの歴史とそれぞれのゲームの特徴の解説記事だ。ゲーム・システムの歴史を知る上では良記事だ。
p.9 Air Force オプション・ルール集
高射砲ルールや射撃ルール改訂、プレイエイドとしての方向偏差修正用視覚資料の記事だ。方向偏差修正用視覚資料は透明プラ板などで自作したら使えそうだ。
p.12 "ブルーマックス"デザイナー アバロンヒル版”エア・フォース"を評す
バトルライン版Air Forceとアバロン・ヒル版Air Forceの変更点について、『ブルー・マックス』(Aces High)のデザイナーであるジム・ハインドによる記事。「日本で入手できるAir Forceはアバロン・ヒル版なので、いまさらバトルライン版との違いを聞いてもどうでもいいやぁ。」と当時は思ったものだ。今読むと、「はぁ~。あのルールはこういう背景があって、こうなったのかぁ。」と興味深い点がある。
P.14 コロンバンガラ沖夜戦 <HJ>"アイアンボトムサウンド”追加シナリオ
当時、「このゲームは持っていなかったが、『大日本帝国海軍』(IJN:Imperial Japanese Navy 1941-45)は持っていたので、それでやってみよう」と思ったが、結局やらなかった。
p.31 「珊瑚海海戦」実験レポート
1942年5月の珊瑚海海戦で日本軍は、空母翔鵬を失い、翔鶴中破の損害を受け、米軍空母レキシントンを沈め、ヨークタウンを中破させた。ポートモレスビー上陸は断念したため、戦術的には勝利、戦略的には敗北というのが一般的評価だ。「5航戦でなく、1航戦や2航戦なら、勝利できた」という声があがったとよく聞く。それが本当なのかどうかを実験した記事だ。こういう実験するのがシミュレーション・ゲームの楽しみの一つだ。このレポート中では大差なかったというのが結論だ。実際、大差なかったと私も思う。
こういう記事では日米の違いがよく出るなぁ、と思った。アメリカ人が書く記事だと、確率や期待値のtableが載るものだ。日本人が書く記事だとこの記事同様、プレイしてみた記事が載る。こんなところにも国民性がでるものだ。
p.34 マレー沖1941 ー英東洋艦隊の悲劇ー
ホビージャパンの『日本の進撃』2組の地図と『ノルウェー1940』(Norway 1940)の海空戦ルールを使った贅沢なミニ・ゲームだ。そもそも『日本の進撃』を2組揃えられる人いないと思うが、テーマは面白い。イギリス東洋艦隊のプリンス・オブ・ウェールズとレパルスが、マレー沖海戦で撃沈されなかった場合の仮想戦ゲームだ。これはプレイしてみたいテーマなので、どなたか再作成して再版してくれないかなぁ。
p.100 Gamerのための書評ガイド
久々の書評欄には、ヘルムート・リッペルト『203の勝利』フジ出版と、デヴィッド・アーヴィング『狐の足跡』早川書房が載っている。
p.104 重大発表!第二次欧州大戦 日本語版受注限定生産
SPIの『第二次欧州大戦』(War In Europe)が受注生産で20,000円だ。マップ9枚、ユニット3,600個、チャート10枚、日本語ルールブック150ページの超ビッグ・ゲームだ。ゲーム1つ1つに通し番号がつくとのこと。
SPIゲームのファンではあるが、ビッグ・ゲームは興味がなかった(場所もお金もなかった)私だが、今思うと買っておけばよかった・・・いやいやタンスの肥やしになるだけだったな。
【更新履歴】
2021/12/27 「珊瑚海海戦」実験レポートの誤字修正と一部追記