『コマンドマガジン』第108号の付録ゲーム『ノモンハン1939』は、『ドイツ戦車軍団』のシステムをベースにし、オーバーラン攻撃ルールとモラル値を追加したプレイアブルなノモンハン事件を扱ったゲームだ。
今回は、ソ連軍の反撃のタイミングについて、作戦研究を兼ねてプレイしてみた。
初期配置
第1ターン(1939/07/03)
赤い矢印の日本軍小林支隊は、コマツ台地(黄色い部分)を目指して南下する。
地図西端からソ連軍が進撃して包囲されないように赤く囲んだ部隊で地図西端を塞ぐ。
こうすると1/3の部隊が前線にいなくなるので、攻撃力が減ってしまうが、今回はこうしてみた。
青い矢印の安岡支隊は、川又(緑の丸い所)目指して進撃する。
日本軍752高地(2404)占領
日本軍757高地(2605)占領 ソ連軍モラル-1
ソ連軍は小林支隊の南下を防ぐ。川又にも増援を送る。
日本軍モラル25
ソ連軍モラル25
第2ターン(1939/07/04-05)
1109で日本軍の夜襲による白兵突撃でソ連軍第6T第6自動車化歩兵大隊壊滅。ソ連軍モラル-1
1210で日本軍の夜襲による白兵突撃でソ連軍第6T第1,4戦車部隊混乱。ソ連軍モラル-1
2506でDR
2406でDD2205でDD
日本軍731高地(2004)占領
ソ連軍モラル-1
日本軍モラル25
ソ連軍モラル22
第3ターン(1939/07/06-14)
日本軍はコマツ台地と川又目指して前進と攻撃を繰り返す。
2307でDD
2106でDD ソ連軍モラル-1
1211でDD
1110でAS 日本軍モラル-1
バル高地(2609)でDR
日本軍同高地占領 ソ連軍モラル-1
2408でDD
ソ連軍モラル-2
2006でソ連軍第149師団第36連隊第1自動車化歩兵大隊壊滅
ソ連軍はハルハ河東岸は遅滞戦術しながら徐々に後退し増援が集まるのを待つ。
ハルハ河西岸は、小林支隊を包囲し攻撃する。
1211でソ連軍が小林支隊を包囲攻撃する。
28対12=2対1 日本軍は当然死守。
サイの出目は4 DR→EX
ソ連軍第11T第4自動車化歩兵大隊壊滅
日本軍モラル-1
日本軍モラル23
ソ連軍モラル19
第4ターン(1939/07/15-30)
日本軍の小林支隊はコマツ台地攻撃をあきらめ、川又で安岡支隊との合流を目指すために東進する。
1310でDD
1212でDR
ソ連軍モラル-1
2310でDD
2209でDD
ソ連軍モラル-1
2308でDD
2309でC
2008でDD
ソ連軍は、ハルハ河東岸では戦線を作って、少しでも日本軍の進撃を遅らせようとする。
そうしながら、南東からノモンハンへ向けて進撃し安岡支隊の左翼を脅かす。(上の写真矢印参照)
ハルハ河西岸では、小林支隊を包囲攻撃する。
1211で29対15=1対1
日本軍死守 モラル-1
サイの出目6 DD→DL
日本軍モラル-1
日本軍モラル21
ソ連軍モラル18
第5ターン(1939/08/01-19)
日本軍は川又に向けて前進と攻撃!!
2108でDR
1909でDR ソ連軍モラル-1
1510でDR ソ連軍モラル-2
1311でDR
2309でソ連軍第9A第3自動車化歩兵大隊壊滅
バル西高地(2009)でソ連軍第36師団第149連隊第2自動車化歩兵大隊壊滅
ソ連軍モラル-1
ソ連軍は小林支隊を包囲しつつ、ハルハ河東岸では戦線を作って粘る。
1411で36対13=2対1 日本軍死守 モラル-1
サイの出目6 DD→DL
1611で23対10=2対1 日本軍死守 モラル-1
サイの出目6 DD→DL
日本軍モラル19
ソ連軍モラル14
第6ターン(1939/08/20-22)
日本軍は川又目指して前進する。
1511でC
1610でC
2311でDD ソ連軍モラル-1
日本軍ノロ高地(2413)占領。
2209でDD ソ連軍モラル-1
1910でDD ソ連軍モラル-1
3508でソ連軍第57師団第57戦車部隊壊滅。
日本軍でハルハ河西岸で地図西端を守っていた3個大隊も参戦する。少し遅すぎたかもしれない。
2109でDD ソ連軍第36師団第149連隊第3自動車化歩兵大隊壊滅
ソ連軍モラル-1
1411で36対11=3対1。日本軍死守 モラル-1
サイの出目3 DD→DL モラル-2
1611で26対8=3対1。日本軍死守 モラル-1
サイの出目6 DD→DL
日本軍モラル15
ソ連軍モラル10
第7ターン(1939/08/23-25)
2110でDD ソ連軍モラル-1
1610でDR
2010でソ連軍第9A第2装甲車部隊、第212連隊第2空挺大隊壊滅。ソ連軍モラル-1
川又周辺で混戦が続く。
1309で25対12=2対1。日本軍死守 モラル-1
サイの出目1 AS ソ連軍モラル-1
1510で27対9=3対1。日本軍死守モラル-1 サイの出目1 C
1611で29対6=4対1。日本軍死守モラル-1 サイの出目4 DD→DL 日本軍第23師団第71連隊第1大隊壊滅。モラル-2
日本軍モラル10
ソ連軍モラル7
第8ターン(1939/08/26-31)
バル高地(2609)でソ連軍第57師団第57装甲車部隊壊滅。ソ連軍モラル-2
1711でソ連軍第9A第1装甲車部隊壊滅 モラル-1
小林支隊と安岡支隊がようやく合流できた。とはいえ、ソ連軍支配領域(ZOC)の中ではあるが・・・。
1710でDR ソ連軍モラル-1
3114でAS ソ連軍第-1
2810で日本軍死守 モラル-1 DD→DL 日本軍守備隊1個壊滅。モラル-1
1611で日本軍死守モラル-1 DD→DL
日本軍第23師団第71連隊第2大隊壊滅
モラル-1
1510で日本軍死守モラル-1 DR→EX
日本軍第7師団第26連隊第1自動車化歩兵大隊壊滅 モラル-1
ソ連軍第6T第1戦車部隊壊滅。モラル-1
1309で日本軍死守モラル-1 DD→DL モラル-2
独ソ不可侵条約を結びポーランドに侵攻したい独裁者スターリンからジューコフに「停戦せよ」との命令が到着した。
「これから包囲した日本軍を殲滅するところだったのに。同志スターリンは何を言っているのか!」とジューコフは内心思ったが、スターリンの命令は絶対だ。
日本軍に停戦の意思があることを知らせた。
日本軍小松原第23師団長は、「まだまだ戦いはこれからだ。」と思っていたが、小林支隊との連絡がなかなかとれず、安岡支隊の戦車隊も部品不足や燃料不足で稼働台数が減ってきていたし、弾薬が不足してきており、戦いを継続するのは苦しい状況だった。
歩兵部隊は壊滅こそしていないが士気が落ちてきているのは否定しようがなかった。
そのため停戦に合意した。
高地は日本軍6個
ソ連軍4個
日本軍モラル1
ソ連軍モラル1
同点のためソ連軍勝利!!
両軍の壊滅部隊
ソ連軍残存部隊
日本軍残存部隊
感想
ソ連軍が大兵力で日本軍を各個包囲する。日本軍を壊滅させることはできないが徐々に兵力と精神力を削っていく。
日本軍は白兵突撃で包囲を解こうとする。
しかしまたソ連軍に包囲される。日本軍はそれを白兵突撃で解こうとする(以下繰り返し)
こんな状況は、ノモンハンの戦いを書いた戦記に近い戦いになった、と思う。
そういう点では、史実をうまく再現している好ゲームだと思う。
ソ連軍の反撃としては、もう少し少ない戦力でも戦いを挑んでみていいかもしれない。
なかなかその加減が難しい。