Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

アルンヘムはやっぱり遠かった・・・S&T『奇襲空挺部隊 レッドデビルス』(Paratroop Red Devils)バトル・レポート

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Strategy & Tactics誌 第77号(1979年11月-12月号)の付録で後にSPIから箱入りで発売された『奇襲空挺部隊』は3個のスケールもルールも異なるゲームが同梱されている。

『レッド・デビルス』(Red Devils)はその中の1個でマーケット・ガーデン作戦のうちアルンヘム近くの戦いをシミュレートしている。

 

初期配置

ドイツ軍はわずか4ユニットだけ。英軍14ユニットが降下する。
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降下前の状況

英軍ユニットを置いた位置が降下予定ヘクスだ。

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降下直後の状況

降下中の事故やドイツ軍の機会射撃などで英軍に損害が出た。写真で地図外に置いた3ユニットが全滅した。また6ユニットが混乱状態に。連合軍にとって早くも前途に暗雲が垂れ込める。
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英軍は移動力を全力使ってアルンヘムに突進する。
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第1ターン終了

ドイツ軍がアルンヘムに突入した英軍を包囲した。単独でアルンヘムまで突進したのは無謀だったか。史実だと降下した9月17日にアルンヘムまで一部の部隊は進んでいるのでこんなものだろうか。この距離感は無理がある気がする。

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第2ターン終了時

早くも英軍は5ユニット失い盤上には9ユニット33戦闘力。ドイツ軍は18ユニット53戦闘力。アルンヘムに向けて英軍が向かうがそれ以上にドイツ軍がアルンヘムに入ってくる。
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第3ターン

英軍の増援が降下したが2ユニット全滅。3ユニット混乱状態に。愚痴りたくはないがサイコロ運が悪い。

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第3ターン 英軍プレイヤーターン終了時

英軍はアルンヘムに3ユニットいるが、後が続かない。ドイツ軍はアルンヘムでは英軍を圧倒できそうだ。西(写真の左側)の方でドイツ軍3ユニットが英軍6ユニットを拘束しており、アルンヘムの増援に行かせないのが大きい。アルンヘムと西側に完全に分断してしまった。
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第3ターン ドイツ軍移動終了英軍回復
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第4ターン 英軍移動終了ドイツ軍回復フェイズ後


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第4ターン ドイツ軍移動終了英軍回復フェイズ後

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アルンヘムに続々とドイツ軍が集まり、ゆるく包囲しつつある。一方、英軍は西方に6ユニット、中央に5ユニットと分散してしまった。

英軍15ユニット54戦闘力。ドイツ軍29ユニット97戦闘力と、英軍のほぼ2倍。

 

第5ターン ドイツ軍移動終了英軍回復フェイズ後

英軍はアルンヘムで3ユニットが包囲されてしまった。西部に6ユニットが拘束されていて遊軍になっているのが痛い。しかしこのあたりのドイツ軍を駆逐しておかないと後でポーランド軍が降下できない。

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英軍はアルンヘムで2ユニット失う。
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第6ターン 英軍移動ドイツ軍回復フェイズ後

アルンヘムの包囲を解こうと2ユニットが東へ向かう。中央では3ユニットがドイツ軍3ユニットにブロックされている。西方では英軍6ユニットがドイツ軍3ユニットに拘束されている。仮に英軍がドイツ軍3ユニットを全滅させて東に向かってもドイツ軍3ユニットがいてブロックできる。
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第6ターン ドイツ軍移動英軍回復フェイズ後

 

アルンヘムの英軍4ユニットは包囲されてしまった。中央も英軍をブロックしつつ包囲する態勢になった。

西方ではドイツ軍3ユニットが相変わらず英軍6ユニットを拘束している。 

英軍は最悪の状況だ。
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第7ターン

英軍12ユニット41戦闘力。ドイツ軍29ユニット100戦闘力。

第7ターン ドイツ軍攻撃フェイズ後

アルンヘムの包囲網が徐々に小さくなってきた。中央も2ユニットは包囲されてしまった。

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第8ターン ドイツ軍攻撃フェイズ後

英軍9ユニット34戦闘力。ドイツ軍27ユニット90戦闘力。ほぼ3倍に。アルンヘムは残り2ユニットが断末魔の状況。中央も残り1ユニットが最期の時を迎えようとしている。西方はようやく拘束解いて東に向かう態勢になった。しかし、既にドイツ軍がブロックする態勢を整えている。次ターンのポーランド軍の増援に期待だ。

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第9ターン 

ポーランド軍が降下したが全て混乱状態に。こうなるとVPヘクス占領がかなり難しくなってきた。

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第10ターン

英軍11ユニット40戦闘力。ドイツ軍28ユニット102戦闘力。

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アルンヘムの英軍が全滅。

ゲーム終了。

 

VP計算

英軍が制圧したのは0806のみ。1VP

残り9ユニットなので0VP。

ドイツ軍8ユニット全滅で8VP

合計9VPのためドイツ軍中間的勝利。

英軍の残りは9ユニット32攻撃力。ドイツ軍は27ユニット101攻撃力。

 

損害は英軍17ユニット59攻撃力。ドイツ軍8ユニット19攻撃力。
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分析と感想

降下時点の損害が多かったこと。

地図の西側に拘束され、ただでさえ少ない英軍がアルンヘムと西側とその間の3カ所に分散してしまったのが敗因。

もっと分断されないように他の部隊とおもにしゃにむにアルンヘムを目指すべきだったか。

ドイツ軍の増援が2ターンに来るのが大きい。英軍は態勢が整う前にドイツ軍に増援が来てしまう。

史実通りならどんな動きになるのだろうか。興味ある。

このゲームは英軍移動後ドイツ軍回復フェイズがあり、英軍戦闘フェイズとなる。英軍移動時の機会射撃で混乱化すると次の英軍攻撃フェイズで攻撃に参加できないだけでなく次のドイツ軍移動フェイズに機会射撃できなくなる。このプレイの順番が戦いに与える影響は非常に大きい。

損害を見るとドイツ軍圧勝と思ったが、ドイツ軍中間的勝利とは意外だった。

英軍は兵力の2/3を失ったのだから大損害だ。

史実がどんな感じだったのか、史実と比べてよかったのか悪かったのか改めて検証してみたい。