『タクテクス』(TACTICS)誌第4号の付録ゲーム『ブノット・ヤコブ橋』をソロプレイしてみた。
このゲームは1973年の第4次中東戦争のゴラン高原の戦いを再現したゲームだ。シリア軍の第5、第7、第9の3個師団対イスラエル軍第36機甲師団の第7機甲旅団、第188機甲旅団の戦いだ。シリア軍の戦車数1220輌対イスラエル軍177輌の戦いだ。
ゲームスケールは、1ターン1日。1ヘクスの距離は不明だがおそらく3から4km。3ユニットで1個師団を構成するから1ユニットが1個連隊程度といったところか。
ゲーム手順は次のとおり。
1.SAM制圧フェイズ
2.シリア軍移動フェイズ
3.シリア軍戦闘フェイズ
4.イスラエル軍移動フェイズ
5.イスラエル軍戦闘フェイズ
6.ターン表示マーカー移動フェイズ
移動は敵に隣接すると停止。最初から敵に隣接していると移動不可。
戦闘は敵に隣接しているユニット数と同じ数だけサイコロをふり、攻撃表を見て、一番高いサイコロの出目(高い出目が攻撃側に有利)で結果判定する。攻撃側がイスラエル軍かシリア軍かで攻撃表で見る列が異なる。イスラエル軍がかなり有利だ。
地形やSAMによるサイコロ修整がある。
勝利条件は、シリア軍が南西のブノット・ヤコブ橋を渡ると即勝利。
壊滅させたユニット数により勝利得点が入り多い方が勝利だ。
またイスラエル軍が勝利得点をシリア軍に渡すことでシリア軍のSAMによるサイの目修整をなくすことができる。
■初期配置
配置は決まっている。
■第1ターン(1973/10/06)
本当はシリア軍の戦闘フェイズからだが、シリア軍の移動フェイズがあると思って移動させてしまった。
北部でシリア第7師団がイスラエル軍戦車2ヘクス退却させた。
中央でシリア第9師団がイスラエル軍戦車を壊滅
南部でシリア第5師団がイスラエル軍戦車を2ヘクス退却させた。
退却時にZOCを通っていいか通ってはいけないのかルールに記載がないので通ってよいこととした。
北部でイスラエル軍がシリア軍を1ヘクス退却させた。
南部ではイスラエル軍の攻撃は効果なし
■第2ターン(1973/10/07)
北部でシリア第7師団がイスラエル軍戦車2ヘクス退却させた。史実では第7師団は苦戦したようだ。
中央でシリア第9師団がイスラエル軍戦車を1ヘクス退却させた。
南部でシリア第5師団がイスラエル軍戦車を2ヘクス退却させた。
イスラエル軍の反撃はいずれも効果なし
■第3ターン(1973/10/08)
北部でシリア第7師団がイスラエル軍戦車1ヘクス退却させた。
中央でシリア第9師団の攻撃は効果なし
南部でシリア第5師団がイスラエル軍戦車を1ヘクス退却させた。
南部でシリア軍戦車壊滅
中央でシリア軍戦車損耗し退却
北部でシリア軍戦車2ヘクス退却
■第4ターン(1973/10/09)
北部の戦闘では効果なし
中央ではイスラエル軍1ヘクス退却
南部でシリア軍1ヘクス退却
北部でシリア軍戦車2ヘクス退却
中央ではシリア軍戦車2ヘクス退却し損耗
南部ではシリア軍歩兵壊滅
■第5ターン(1973/10/10)
シリア軍の増援が登場
北部でシリア第7師団がイスラエル軍戦車1ヘクス退却させた。
中央でシリア第9師団の攻撃は効果なし
東部でシリア軍戦車1ヘクス退却
南部でシリア軍戦車壊滅
中央でシリア軍2ヘクス退却し損耗
北部でイスラエル軍の攻撃は効果なし
■第6ターン(1973/10/11)(最終ターン)
北部でイスラエル軍1ヘクス退却
中央でシリア軍歩兵1ヘクス退却
南部で効果なし
東部でイスラエル軍戦車1ヘクス退却
シリア軍1個戦車壊滅。1個戦車損耗し2ヘクス退却
イスラエル軍4点
シリア軍6点
2点差でシリア軍の勝利
■感想
イスラエル軍がSAMを防ぐために勝利得点をシリア軍に渡したことが敗因の一つだ。
もっと積極的に仕掛けてシリア軍を倒すようにしないといけないようだ。
サイコロをたくさんふって結果を出すゲームなので、戦闘感を楽しめる。
きちんと戦闘結果表の確率計算をしないとわからないが、イスラエル軍とシリア軍の力の差はかなりある。イスラエル軍はそれを活かして地図盤北東隅の「*」のあるヘクスを目指したい。しかしゲーム前半は兵力数が少ないので難しい点に頭を悩ますところだ。
シリア軍は、前半にユニット数の有利性を活かしてイスラエル軍を圧倒し、ブノット・ヤコブ橋を目指したい。しかし進めば進むほどSAMの優位性が減っていき、イスラエル軍部隊が増えていくことが悩むところだ。
小さい地図盤と少ないユニット数だが、楽しめるゲームだ。