2023年は第4次中東戦争50周年ということで、『タクテクス』(TACTICS)誌第4号の付録ゲーム『ブノット・ヤコブ橋』をソロプレイしてみた。
前回のプレイはこちらだ。
haruichiban0707.hatenablog.com
このゲームは1973年の第4次中東戦争のゴラン高原の戦いを再現したゲームだ。シリア軍の第5、第7、第9の3個師団対イスラエル軍第36機甲師団の第7機甲旅団、第188機甲旅団の戦いだ。シリア軍の戦車数1220輌対イスラエル軍177輌の戦いだ。
ゲームスケールは、1ターン1日。1ヘクスの距離は不明だがおそらく3から4km。3ユニットで1個師団を構成するから1ユニットが1個連隊程度といったところか。
ゲーム手順は次のとおり。
1.SAM制圧フェイズ
2.シリア軍移動フェイズ
3.シリア軍戦闘フェイズ
4.イスラエル軍移動フェイズ
5.イスラエル軍戦闘フェイズ
6.ターン表示マーカー移動フェイズ
移動は敵に隣接すると停止。最初から敵に隣接していると移動不可。
戦闘は敵に隣接しているユニット数と同じ数だけサイコロをふり、攻撃表を見て、一番高いサイコロの出目(高い出目が攻撃側に有利)で結果判定する。攻撃側がイスラエル軍かシリア軍かで攻撃表で見る列が異なる。イスラエル軍がかなり有利だ。
地形やSAMによるサイコロ修整がある。
勝利条件は、シリア軍が南西のブノット・ヤコブ橋を渡ると即勝利。
壊滅させたユニット数により勝利得点が入り多い方が勝利だ。
またイスラエル軍が勝利得点をシリア軍に渡すことでシリア軍のSAMによるサイの目修整をなくすことができる。
■初期配置
配置は決まっている。
■第1ターン(1973/10/06)
シリア軍の奇襲攻撃でイスラエル軍は2ヘクス後退した。
イスラエル軍の増援が地図盤南端から登場した。
北部ではイスラエル軍がシリア軍戦車隊を撃退した。
中部は膠着状態だ。
南部ではシリア軍戦車隊が損耗した。
■第2ターン(1973/10/07)
シリア軍が果敢に前進する。
北部でイスラエル軍戦車隊が損耗した。シリア軍1VP
中部でイスラエル軍が後退した。
南部でイスラエル軍戦車隊が後退した。
イスラエル軍損耗ユニットの回復ルールについて記載がない。包囲されていても回復できるのか、どのタイミングで回復できるのかわからないが、移動フェイズ前に包囲されていても回復できることとした。
北部のイスラエル軍戦車隊が回復し、南部からまた増援が登場した。
北部でシリア軍が後退した。
中部でシリア軍が後退不能で損耗した。
南部でシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍1VP
■第3ターン(1973/10/08)
シリア軍の増援が登場した。
北部でイスラエル軍戦車隊が損耗した。
シリア軍が1VP獲得し2VPになった。
中部でイスラエル軍が後退する。
南部では効果なしだ。
イスラエル軍増援が南端より登場した。
北部でシリア軍戦車隊が後退し損耗した。
中部でシリア軍戦車隊が損耗した。歩兵が後退した。
南部でシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し2VPになった。
■第4ターン(1973/10/09)
シリア軍がブノット・ヤコブ橋目指して前進する。
北部でイスラエル軍戦車隊が損耗した。
中部でイスラエル軍戦車隊が後退した。
Bゾーンの戦いは一進一退だ。
イスラエル軍が南部から北に向かって突進する。
Bゾーンでシリア軍戦車隊が損耗して後退した。
Bゾーン北でシリア軍第9師団の戦車隊が壊滅した。イスラエル軍が1VP獲得し3VPになった。
シリア軍第5師団の歩兵部隊が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し4VPになった。
Cゾーンで損耗しているシリア軍戦車隊が後退した。
■第5ターン(1973/10/10)
イスラエル軍が1VP使ってSAMを制圧した。
シリア軍はひたすら前進する。
Cゾーンでは効果なしだ。
Bゾーンでイスラエル軍が損耗した。シリア軍は1VP獲得し3VPになった。
イスラエル軍が北へと突進する。
Bゾーン北でシリア軍歩兵が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し4VPだ。
Bゾーン南でシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し5VPだ。
Cゾーン北で損耗していたシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し6VPだ。
Cゾーン中部でシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍が1VP獲得し7VPになった。
■第6ターン(1973/10/11)(最終ターン)
いよいよ最終ターンだ。
イスラエル軍の勝利は確定的だ。
シリア軍の攻撃は効果なしだ。
イスラエル軍は*を占領して3VP追加し10VPになった。
Bゾーン、Cゾーンでシリア軍戦車隊が壊滅した。
イスラエル軍は2VP獲得し12VPになった。
イスラエル軍はシリア軍を5ユニットまでしかBゾーンに侵入させなかったので10VP獲得し22VPだ。
イスラエル軍22VP
シリア軍3VP
イスラエル軍の勝利
■感想
前回と違って、イスラエル軍は積極的に攻撃を仕掛けた。
またSAM制圧は第5ターンまで実施しないでVPを温存しておいた。
イスラエル軍の戦闘結果表は、正面攻撃でも5/6の確率でシリア軍に損害を与え
自軍は損害を受けない。SAMの修整がありダイス目-1になったときだけ自軍が後退する。この戦闘結果表だと攻撃しないと損だ。
その上、攻撃のために隣接すると次のターンにシリア軍は移動不可能になる。
イスラエル軍は攻撃しないメリットがない。
ともかく前進して攻撃すべきだ。
史実は学研『中東戦争全史』を参照した。
史実だとシリア軍の攻撃が成功し10/7(第2ターン)にはナファクまで進出した。
今回も第2ターンにはナファクを占領したので、史実通りだった。
史実では第5ターン(10/10)には、シリア軍戦車隊は1輛も残っていなかった。
イスラエル軍は10/11(第6ターン)11時、一斉に停戦ラインを越えて逆襲を開始した。
今回はほぼ史実通通りだったと言えるだろう。
今年(2023年)は、第4次中東戦争50周年だ。ちょうど50年前、この戦いが行われていたのだ。イスラエルとガザ地区がきな臭いことになっているが、戦争はゲームの中だけにしてほしいものだ。
小さい地図盤と少ないユニット数だが、歴史再現性があって、楽しめるゲームだ。
またプレイしてみたい。