Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

移動と戦闘の判断が重要! MMP『Beyond Valor』「ASLシナリオ1 FIGHTING WITHDRAWAL」バトル・レポート(AAR)


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いよいよ、Advanced Squad Leader(ASL)の『Beyond Valor』最初のシナリオ「FIGHTING WITHDRAWAL」をプレイしてみる。

直訳すると、「戦いながらの撤退」と言ったところか。

 

ASL Scenario Archiveを見ると、戦場となったところは現在はロシア領のようだ。

 

A grove of ASLには、シナリオの日本語訳がある。

 

日付は、1941年9月2日。場所は、フィンランド、Terijoki、SESTRORETSK街道。

バルバロッサ作戦で、ドイツ軍北方軍集団レニングラード南方に迫る中、フィンランド軍が冬戦争(1939/11/30-1940/03/13)で失った地域の奪還を目指して、継続戦争(1941/06/25-1944/09/19)を開始した。

ソ連軍はあちこちで敗北し、絶望的な状況の中、第131国境大隊は、戦いながら撤退するのだった。

フィンランド軍は第1イェーガー大隊がソ連軍を追撃していた。

勝利条件は、7ターンまでに、フィンランド軍が地図盤南端から退出し、VPが多いと勝利だ。

地図盤21だけを使用する。

 

シナリオの結末は、フィンランド軍は丘の向こう側の湿地帯に到達した。140名だったソ連軍第131国境大隊でSestraのソ連海軍旅団の戦線にたどり着いたのは、たった24名だけだった。

 

果たして、今回はどうなるだろうか?

目次

  1. ■初期配置
  2. ■第1ターン(1941/09/02)
  3. ■第2ターン
  4. ■第3ターン
  5. ■第4ターン
  6. ■第5ターン
  7. ■第6ターン
  8. ■第7ターン(最終ターン)
  9. ■勝利条件の確認
  10. ■感想

■初期配置

ソ連軍はV列からAA列の間に配置する。左右に分かれてしまうのは仕方ない。W1がポイントになりそうだ。

フィンランド軍はCC列以北に配置する。南端まで約30ヘクス。7ターンだから、勝利条件を考えると1ターンに平均5ヘクスは南進しないといけない。指揮官とスタッキングして6ヘクス。突撃フェイズに1ヘクス移動しても1ターンに移動できるのは合計7ヘクスだ。2ターン足止めを食うとかなり厳しい。

フィンランド軍は十分な準備射撃をしての進撃はできないだろう。DD3やCC5の掩護射撃チームと移動チームに分ける。フィンランド軍は自己回復できるので、指揮官は移動チームだ。


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■第1ターン(1941/09/02)

フィンランド軍の準備射撃で8箇所の隠蔽マーカーのうち4箇所が判明した。

ソ連軍は5個分隊が混乱状態になり、1個分隊が釘付けになった。

 

BB8を移動するフィンランド軍を釘付けになったソ連軍H分隊が射撃する。


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3個分隊が混乱状態になってしまった。

フィンランド軍Liete中尉率いる第2移動チームは東から回り込む。


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ソ連軍の準備射撃でフィンランド軍3個分隊が釘付けになった。どうもフィンランド軍の士気チェックのダイス運が悪い。

 

1箇所ではヒーローが出現した。

 


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■第2ターン

フィンランド軍が移動する。W1の隠蔽マーカーが不気味なのでそれを避けながら移動する。


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Z4に移動したとき、初期隠匿配置していたソ連軍が射撃した!!


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16火力!!1KIA!!

Z2を包囲する。


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W1からAA2を射撃したが効果なし。だんやく切れ

AA6でフィンランド軍指揮官と2個分隊が狂暴化!!


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Y4, Z2, Z6の3箇所で白兵戦だ。


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Y4の白兵戦はフィンランド軍4-1、ソ連軍1-2

ダイスはフィンランド軍4ソ連軍8

ソ連軍壊滅

 

Z2の白兵戦はフィンランド軍12-1、ソ連軍1-6

ダイスはフィンランド軍10ソ連軍9

ソ連軍指揮官戦死

 

Z6の白兵戦はフィンランド軍2-1、ソ連軍1-1

ダイスはフィンランド軍8ソ連軍4

フィンランド軍1個分隊壊滅し混戦状態

 


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ソ連軍は残った部隊が後退する。


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Z6の白兵戦はソ連軍1-1、フィンランド軍1-1、

ダイスはソ連軍4フィンランド軍6

フィンランド軍1個分隊と指揮官1人が壊滅した!!

 

フィンランド軍は16個分隊中2.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち1.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は11個だ。

ソ連軍は、14個分隊中6個分隊の損失で残りが8個分隊だ。そのうち3.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか4.5個だけだ。


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フィンランド軍で一番南下した部隊がV列なので南端脱出まであと22ヘクス。残り5ターンなので毎ターン5ヘクスは進まないといけない。間に合うか?

 

■第3ターン

Z6のソ連軍1.5個分隊フィンランド軍の準備射撃で混乱状態になった!!

この影響は大きい。

 

S8への臨機射撃で2個分隊混乱状態になった!!

X2ではヒーローが負傷した。
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フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち1個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は11.5個だ。

ソ連軍は、14個分隊中6個分隊の損失で残りが8個分隊だ。そのうち5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか3個だけだ。

 

フィンランド軍で一番南下した部隊がO列なので南端脱出まであと15ヘクス。残り4ターンなので毎ターン4ヘクスは進まないといけない。間に合うか?

 

■第4ターン

W1のソ連軍1個分隊壊滅

フィンランド軍が一斉に移動する。


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フィンランド軍のU4への射撃は38火力にもかかわらず効果なし
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フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。

ソ連軍は、14個分隊中8個分隊の損失で残りが6個分隊だ。そのうち2.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか3.5個だけだ。

 

フィンランド軍で一番南下した部隊がI列なので南端脱出まであと9ヘクス。残り3ターンなので毎ターン4ヘクスは進まないといけない。間に合うか?

 

■第5ターン

U4のソ連軍が混乱状態になった。

フィンランド軍は続々と移動する。
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Q2の白兵戦はフィンランド軍6-1、ソ連軍1-6

ダイスはフィンランド軍4ソ連軍6

ソ連軍指揮官戦死

ソ連軍指揮官が全滅した。


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I2でソ連軍1個分隊混乱状態


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フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。

ソ連軍は、14個分隊中9.5個分隊の損失で残りが4.5個分隊だ。そのうち3.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか1個だけだ。

 

フィンランド軍で一番南下した部隊がB列なので南端脱出まであと2ヘクス。残り2ターンだし、ソ連軍の残りの分隊が1個だから2個分隊を南端から退出させるとフィンランド軍の勝利だ。

B5の1個分隊は第6ターンに退出できるし、G6の1個分隊も第7ターンには退出確実だ。

 

■第6ターン

フィンランド軍は1個分隊、退出した。


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フィンランド軍の勝利は確実だ。

 

■第7ターン(最終ターン)


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C2の白兵戦はフィンランド軍3-1、ソ連軍1-3→1-4

ダイスはフィンランド軍8ソ連軍8

ソ連軍1個分隊壊滅

ソ連軍指揮官が全滅した。


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■勝利条件の確認

 

フィンランド軍が2個分隊を退出させたのに対してソ連軍は0個分隊の退出だったのでフィンランド軍の勝利!!

 

■感想

フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。

退出したのは2個分隊と2人の指揮官だった。

 

ソ連軍は、14個分隊中11.5個分隊の損失で残りが2.5個分隊だ。そのうち2.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は0個だった。

指揮官3人も全滅した。

 

フィンランド軍がほぼ一方的に攻め込めるシナリオだが、ソ連軍もうまく守れば先に地図盤から退出できたかもしれない。

今回、ソ連軍は、ほぼすべての分隊を北(前方)に配置したが、半分にして残り半分を後方にすればよかったかもしれない。また移動して退出する部隊も作り、その部隊は急いで南端に向かうのだ。

 

遅滞戦術のいい練習材料だと思う。

 

ソ連軍は、シナリオのタイトル通り、戦闘しながら後退しなければならない。フィンランド軍は戦闘しながら前進しなければならない。両軍とも、移動すべきか戦闘すべきか判断が重要になる。

 

たった1枚の地図盤に両軍合わせて30個分隊が登場するが、ダイナミックな動きがあり、移動と戦闘の判断が重要な、なかなかいいシナリオだ。