いよいよ、Advanced Squad Leader(ASL)の『Beyond Valor』最初のシナリオ「FIGHTING WITHDRAWAL」をプレイしてみる。
直訳すると、「戦いながらの撤退」と言ったところか。
ASL Scenario Archiveを見ると、戦場となったところは現在はロシア領のようだ。
A grove of ASLには、シナリオの日本語訳がある。
日付は、1941年9月2日。場所は、フィンランド、Terijoki、SESTRORETSK街道。
バルバロッサ作戦で、ドイツ軍北方軍集団がレニングラード南方に迫る中、フィンランド軍が冬戦争(1939/11/30-1940/03/13)で失った地域の奪還を目指して、継続戦争(1941/06/25-1944/09/19)を開始した。
ソ連軍はあちこちで敗北し、絶望的な状況の中、第131国境大隊は、戦いながら撤退するのだった。
勝利条件は、7ターンまでに、フィンランド軍が地図盤南端から退出し、VPが多いと勝利だ。
地図盤21だけを使用する。
シナリオの結末は、フィンランド軍は丘の向こう側の湿地帯に到達した。140名だったソ連軍第131国境大隊でSestraのソ連海軍旅団の戦線にたどり着いたのは、たった24名だけだった。
果たして、今回はどうなるだろうか?
目次
■初期配置
ソ連軍はV列からAA列の間に配置する。左右に分かれてしまうのは仕方ない。W1がポイントになりそうだ。
フィンランド軍はCC列以北に配置する。南端まで約30ヘクス。7ターンだから、勝利条件を考えると1ターンに平均5ヘクスは南進しないといけない。指揮官とスタッキングして6ヘクス。突撃フェイズに1ヘクス移動しても1ターンに移動できるのは合計7ヘクスだ。2ターン足止めを食うとかなり厳しい。
フィンランド軍は十分な準備射撃をしての進撃はできないだろう。DD3やCC5の掩護射撃チームと移動チームに分ける。フィンランド軍は自己回復できるので、指揮官は移動チームだ。
■第1ターン(1941/09/02)
フィンランド軍の準備射撃で8箇所の隠蔽マーカーのうち4箇所が判明した。
ソ連軍は5個分隊が混乱状態になり、1個分隊が釘付けになった。
BB8を移動するフィンランド軍を釘付けになったソ連軍H分隊が射撃する。
3個分隊が混乱状態になってしまった。
フィンランド軍Liete中尉率いる第2移動チームは東から回り込む。
ソ連軍の準備射撃でフィンランド軍3個分隊が釘付けになった。どうもフィンランド軍の士気チェックのダイス運が悪い。
1箇所ではヒーローが出現した。
■第2ターン
フィンランド軍が移動する。W1の隠蔽マーカーが不気味なのでそれを避けながら移動する。
Z4に移動したとき、初期隠匿配置していたソ連軍が射撃した!!
16火力!!1KIA!!
Z2を包囲する。
W1からAA2を射撃したが効果なし。だんやく切れ
Y4, Z2, Z6の3箇所で白兵戦だ。
ソ連軍壊滅
ソ連軍指揮官戦死
ソ連軍は残った部隊が後退する。
フィンランド軍は16個分隊中2.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち1.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は11個だ。
ソ連軍は、14個分隊中6個分隊の損失で残りが8個分隊だ。そのうち3.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか4.5個だけだ。
フィンランド軍で一番南下した部隊がV列なので南端脱出まであと22ヘクス。残り5ターンなので毎ターン5ヘクスは進まないといけない。間に合うか?
■第3ターン
Z6のソ連軍1.5個分隊がフィンランド軍の準備射撃で混乱状態になった!!
この影響は大きい。
S8への臨機射撃で2個分隊混乱状態になった!!
X2ではヒーローが負傷した。
フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち1個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は11.5個だ。
ソ連軍は、14個分隊中6個分隊の損失で残りが8個分隊だ。そのうち5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか3個だけだ。
フィンランド軍で一番南下した部隊がO列なので南端脱出まであと15ヘクス。残り4ターンなので毎ターン4ヘクスは進まないといけない。間に合うか?
■第4ターン
フィンランド軍が一斉に移動する。
フィンランド軍のU4への射撃は38火力にもかかわらず効果なし
フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。
ソ連軍は、14個分隊中8個分隊の損失で残りが6個分隊だ。そのうち2.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか3.5個だけだ。
フィンランド軍で一番南下した部隊がI列なので南端脱出まであと9ヘクス。残り3ターンなので毎ターン4ヘクスは進まないといけない。間に合うか?
■第5ターン
U4のソ連軍が混乱状態になった。
フィンランド軍は続々と移動する。
ソ連軍指揮官戦死
ソ連軍指揮官が全滅した。
フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。
ソ連軍は、14個分隊中9.5個分隊の損失で残りが4.5個分隊だ。そのうち3.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊はわずか1個だけだ。
フィンランド軍で一番南下した部隊がB列なので南端脱出まであと2ヘクス。残り2ターンだし、ソ連軍の残りの分隊が1個だから2個分隊を南端から退出させるとフィンランド軍の勝利だ。
B5の1個分隊は第6ターンに退出できるし、G6の1個分隊も第7ターンには退出確実だ。
■第6ターン
フィンランド軍の勝利は確実だ。
■第7ターン(最終ターン)
ソ連軍指揮官が全滅した。
■勝利条件の確認
フィンランド軍が2個分隊を退出させたのに対してソ連軍は0個分隊の退出だったのでフィンランド軍の勝利!!
■感想
フィンランド軍は16個分隊中3.5個分隊損失し、残り12.5個分隊だ。そのうち0個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は12.5個だ。
退出したのは2個分隊と2人の指揮官だった。
ソ連軍は、14個分隊中11.5個分隊の損失で残りが2.5個分隊だ。そのうち2.5個分隊が混乱状態なので戦闘可能分隊は0個だった。
指揮官3人も全滅した。
フィンランド軍がほぼ一方的に攻め込めるシナリオだが、ソ連軍もうまく守れば先に地図盤から退出できたかもしれない。
今回、ソ連軍は、ほぼすべての分隊を北(前方)に配置したが、半分にして残り半分を後方にすればよかったかもしれない。また移動して退出する部隊も作り、その部隊は急いで南端に向かうのだ。
遅滞戦術のいい練習材料だと思う。
ソ連軍は、シナリオのタイトル通り、戦闘しながら後退しなければならない。フィンランド軍は戦闘しながら前進しなければならない。両軍とも、移動すべきか戦闘すべきか判断が重要になる。
たった1枚の地図盤に両軍合わせて30個分隊が登場するが、ダイナミックな動きがあり、移動と戦闘の判断が重要な、なかなかいいシナリオだ。