MMP『ASL Starter Kit #2』(ASLSK2)の最初のScenario S11 A LONG WAY TO GOのシナリオカードの日本語訳をしてみた。
タイトルの日本語は『長い道のり』と言ったところだろうか。シシリー島のビスカリ駅が舞台のシナリオだ。
Google Mapで調べたが見つからなかった。イタリア語表記と英語表記でスペルが異なるのだろうか。それとも地名が変わったのだろうか。
HJ/SPI『シシリー上陸作戦』(Sicily)のマップで調べると、ヘクス4224にBiscariという地名が見える。下の写真の赤い矢印の先にある赤い○だ。
下の写真の赤い○がBiscariだ。
青い○はドイツ軍ユニットの初期配置ヘクスで、緑色の○はアメリカ軍ユニットの初期配置ヘクスだ。
登場するドイツ軍ヘルマンゲーリング降下装甲師団 第1装甲擲弾兵連隊は、下の写真だと思う。
以前掲載した西部戦線シリーズの戦力チット研究によると、戦力は以下のようになる。
3(13%)、4(10%)、5(21%)、6(13%)、7(21%)、8(10%)、9(13%)だ。
haruichiban0707.hatenablog.com
アメリカ軍第45歩兵師団第180連隊は、下のとおりだ。
4(5%)、5(8%)、6(10%)、7(10%)、8(10%)、9(13%)、10(10%)、11(10%)だ。
"crack"という単語に「ひび」や「亀裂」以外に「一流」という意味があることに驚いた。
A Grove of ASLにも和訳がある。
シナリオ・デザイン:チャス・アージェント
1943年7月10日、ビスカリ駅、シシリー島:薄暮の時刻、アメリカ第7軍は成功裏のうちにリカタ(Licata)及びジェラ(Gela)に上陸した。イタリア軍とドイツ軍は、互いの計画を意識せず、橋頭堡への突破を意図した別々の反撃計画を立案していた。ジェラ地区で、上陸地点の東側にヘルマンゲーリング降下装甲師団の2つの戦闘団が攻撃を開始した時、既にイタリア軍は、機動装甲兵力を伴って攻撃を行っていた。戦闘団のうちの一つはビアノルポ(Piano Lupo)でアメリカ軍と交戦状態に入った。もう一つの戦闘団は、ビスカリ駅で経験の浅い第45歩兵師団「サンダーバーズ」と交戦を開始した。ドイツ軍のティーガー戦車は密集したオリーブ果樹園地区では身動きがとれず、ドイツ軍の歩兵は装甲兵力の支援無しでアメリカ軍を制圧しなければならなかった。
地図盤配置:地図盤w, xを使用。(地図盤wのへクス列U~GG、地図盤xのA~E列だけが利用可能)
勝利条件:ドイツ軍は,アメリカ軍に11VP以上を与えていない状態で、9VP以上が地図盤南端より突破した瞬間に勝利する。VPは、ドイツ軍の突破兵力をドイツ軍に、ドイツ軍の除去兵力をアメリカ軍に与える。VPは,突破あるいは除去されたドイツ軍1個分隊につき2VP、半個分隊につき1VP、指揮能力修整-1のSMC1個につき2VP、指揮能力修整0あるいは+1のSMC1個につき1VPで計算する。
バランス:
アメリカ:60mmM2迫撃砲をアメリカ軍の戦闘序列に加える。
ドイツ:MMG1挺をドイツ軍の戦闘序列に加える。
ターン記録表:
アメリカ軍が先に配置
ドイツ軍が先に移動
戦闘序列:
アメリカ軍 第45師団第180連隊第1大隊の一部及び第82空挺師団のバラバラになった歩兵達[ELR:2] 地図盤上の任意の場所に配置する。
7-4-7 2
6-6-6 3
3-4-6 2
9-1
8-0
BAZ 43 2
MTR 60
ドイツ軍 へルマンゲーリング降下装甲師団、第1装甲擲弾兵連隊の1部[ELR:2] 第1ターンに地図盤北端から進入する。
4-6-7 7
4-4-7 4
2-4-7 2
2-3-7 2
9-1
8-1
7-0
MMG
LMG 3
特別ルール:
1.全ての地図盤外の地形は存在するものとして取り扱う.
結末:シシリー島侵攻前に連合軍側の報道陣から「一流」部隊と賞賛されていたヘルマンゲーリング師団は、再編成後の姿は、実際には以前の部隊の抜け殻だった。ビスカリ駅への攻撃は、同師団がいかに指揮能力、装備、訓練に欠けていたかを証明してしまった。シェーファー(Shaefer)中佐に率いられていた戦闘未経験のアメリカ軍は、数で圧倒されながらもドイツ軍の最初の攻撃を食い止め、ドイツ軍の突破を午後まで遅らせた。サンダーバーズの他の大隊が反撃を開始すると、ドイツ軍はパニックに陥り戦場から逃走を始めたため、橋頭堡は救われた。一流のはずのドイツ軍は、イタリア軍よりも橋頭堡を脅かすことができなかった。