Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

米軍重巡が全滅したが・・・ 第一次ソロモン海戦(SS『聯合艦隊』(Fleet Battles) バトル・レポート(AAR)


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 サンセットゲームズの『聯合艦隊』(Fleet Battles)の、第一次ソロモン海戦シナリオであるシナリオ9『暗夜の燭光』をプレイしてみた。

1942年8月8日、ガダルカナル島に来襲したアメリカ軍輸送船団と重巡部隊への日本軍による殴り込み攻撃だ。

史実では日本軍が完勝したが輸送船団を攻撃しなかったことが後に批判されたが果たしてどうなるだろうか?

 

ゲームの長さは10ターン。

日本軍が第7ターンまでに独行艦でない5隻以上の鑑定を地図盤G,Hから地図盤から離脱させ、かつ、アメリカ軍の2艦隊の保護水準値(PL)を0以下にすると、日本軍の戦略的勝利だ。

日本軍がアメリカ軍の2艦隊のPLを0以下にし、地図盤Cから離脱させると日本軍の戦術的勝利だ。

アメリカ軍は日本軍のPLを0以下にすると勝利だ。

 

【0】初期配置

サンセットゲームズ版『聯合艦隊』のシナリオカードでは、日本軍重巡加古の配置について、D-1605と記載があるが、これはD-1603の誤記と思う。HJ『IJN』やHJ『フリートバトルズ』では1603とあるからだ。

 

また「鳥海」は93式酸素魚雷を使えたのかどうか不明だ。データブックの「摩耶」には93式装備の時期の記述があるが、「鳥海」に記述がないのだ。

調べてみると、「高雄」と「愛宕」は酸素魚雷である九三式魚雷に換装されたが、「摩耶」と「鳥海」は改装に入る前に戦争が始まったので改装されずに通常魚雷のままだった。 その後「摩耶」は被弾修理の際に雷装も酸素魚雷に変更したが、鳥海はその機会のないまま戦没したようだ。


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【1】第1ターン(1942/08/08 2331)

アメリカ軍駆逐艦ジャービス」で「艦影発見!11時の方角。距離約7000m」との見張り員からの報告があがった。

「そんな馬鹿な。間違いじゃないか?よく確認しろ。」と「ジャービス」艦橋ではそんなやりとりがあがり砲撃しなかった。

 

先頭を航行する日本軍重巡「鳥海」では島影にいる「ジャービス」をまだ発見していなかった。

「サボ島の島影に敵駆逐艦1隻発見!!」と「鳥海」の見張り員が報告を上げた。

「砲雷撃戦用意!」と「鳥海」艦長から命令が全艦に下った。

 

アメリカ軍駆逐艦ジャービス」では、「左舷の魚雷用意!!」という命令が下った。

 

日本軍重巡「鳥海」では「左舷の魚雷、発射!」と命令が出た。

「鳥海」が発射した魚雷が「ジャービス」を襲う。

魚雷に全く気づかなかった「ジャービス」に魚雷が一本命中した!

激しい振動で「ジャービス」が地震のように揺れたが、魚雷は不発だった。

 

重巡「鳥海」と「青葉」がアメリカ軍駆逐艦ジャービス」を砲撃した。

「鳥海」の砲撃はダイス12で1/2Hit、「青葉」の砲撃はダイス3+2=5で2Hitだ。

ジャービス」艦上では主砲が破壊された。

ジャービス」も「鳥海」に応射するが、効果ないようだ。

「敵一番艦に向けて左舷の魚雷全部発射!」と「ジャービス」の艦長が命令した。

魚雷4本が海中に投じられた。しかしうまく直進しなかったり途中で爆発したりして「鳥海」に達した魚雷はなかった。


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【2】第2ターン(1942/08/08 2337)

ジャービス」は「鳥海」を砲撃するが効果なしだ。

「鳥海」「青葉」「加古」「衣笠」「古鷹」が「ジャービス」を砲撃する。

20cm砲の集中砲撃を受けて「ジャービス」は沈没した。

 

「鳥海」の見張り員が「12時の方向にキャンベラ型重巡1隻発見。こっちに向かっています」と報告した。

「キャンベラ」の見張り員も「鳥海」を発見していた。

しかし「キャンベラ」艦橋では、「なんだか前方で花火が上がっているな。」とのんびりしたものだった。

「鳥海」の見張り員は、「キャンベラ型重巡の後ろに「シカゴ」型重巡1隻。その左約3000mに駆逐艦1隻。合計3隻です。速度約10ノットでこちらに向かっています。」と、かなり正確な報告を上げていた。

 

「鳥海」と「青葉」の前方主砲が「キャンベラ」を約7000mで砲撃した。

「キャンベラ」の前方主砲付近に命中した。

 

「キャンベラ」艦上でも「花火ではなかったか。砲撃開始!」と命令が下った。

「シカゴ」「バグレイ」「パターソン」も日本軍先頭の「鳥海」を砲撃する。

 

「キャンベラ」の砲弾が「鳥海」の主砲と船体に大きな破孔を開けた。

 

連合軍の南方部隊(TFS)では、「キャンベラ」から「25ノットに艦速上げ!」と命令が出た。


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日本軍のPLは60-3x2=54

アメリカ軍TFSのPLは28-3=25だ。TFNは39のままだ。

【3】第3ターン(1942/08/08 2343)

「キャンベラ」「シカゴ」が日本軍の先頭を走る「鳥海」を、「バグレイ」は回頭直後の「衣笠」を、「パターソン」は日本軍の2番艦「青葉」を砲撃した。


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「キャンベラ」と「シカゴ」の砲撃による水柱をくぐり抜けた「鳥海」は無傷のようだ。

 

日本軍は「鳥海」「青葉」が「シカゴ」を、「加古」「衣笠」が「キャンベラ」を、砲撃する。

「シカゴ」艦上に20cm砲弾が雨あられと降ってきてあちこちで火が上がる。

「キャンベラ」の主砲塔が半分破壊された。

 

「鳥海」「青葉」「加古」が「シカゴに、「衣笠」「古鷹」「天龍」が「キャンベラ」に雷撃だ。


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「鳥海」の魚雷4本がまっすぐ「シカゴ」に突き進む。

そのうち1本が「シカゴ」の右舷を捉えた!!

大爆発が起こり、「シカゴ」が轟沈した。

 

「青葉」の魚雷4本が「キャンベラ」に突き進む。

「魚雷だ!かわせ!」と「キャンベラ」艦長が指示をだす。

3本はなんとかかわしたが、1本が「キャンベラ」の右舷を捉えて大爆発した。

「キャンベラ」もたった1本の魚雷で轟沈した。


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連合軍TFSはPLが0に達したので残った「バグレイ」と「パターソン」は退却に移った。

「鳥海」「青葉」「加古」「衣笠」が「パターソン」を砲撃する。

「パターソン」の砲塔、魚雷発射管全てが破壊された!!

 


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日本軍のPLは54のままだ。

アメリカ軍TFSのPLは0だ。TFNは39のままだ。

【4】第4ターン(1942/08/08 2349)

「鳥海」の優秀な見張り員は、「前方11時から12時の方向に駆逐艦1隻、重巡「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」発見。速度12ノットで北西に向かっています。」と艦名も含めて正確に報告した。

 

アメリカ軍重巡「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」も同時に日本軍重巡「鳥海」を発見していた。駆逐艦「ヘルム」ではその向こうに続く「青葉」「加古」も発見していた。

 

「ヴィンセンス」が照明弾を発射した!!

「鳥海」とその後ろの「青葉」が浮かび上がる。

「ヴィンセンス」と「クインシー」と「アストリア」が「鳥海」を砲撃するが効果なしのようだ。

 

「鳥海」が「ヴィンセンス」を砲撃するが夾差しなかった。

 

「鳥海」が「ヴィンセンス」を、「青葉」「加古」が「クインシー」を砲撃する。

「ヴィンセンス」を「鳥海」の20cm砲弾が夾差したが、被害がなかった。

「クインシー」の砲塔に20cm砲弾が命中した!

 

アメリカ軍は「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」の砲撃が「鳥海」に集中し、「鳥海」の主砲塔2基が破壊された。「第2番砲塔と第4番砲塔が使用不能です」との報告が艦橋に届いた。

 

アメリカ軍駆逐艦「ヘルム」は「左舷魚雷全管発射~」

8本の魚雷が発射されたが、海中に入った途端、衝撃であらぬ方向に走り始めたり、爆発したりして、「鳥海」に向かって走った魚雷がなかった。

 


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日本軍のPLは54-3=51だ。

アメリカ軍TFSのPLは0だ。TFNは39-3=36だ。

 

【5】第5ターン(1942/08/08 2355)

アメリカ軍は「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」の砲撃が「鳥海」に集中し、「鳥海」の主砲塔1基が破壊された。「第3番砲塔とも使用不能です」との報告が艦橋に届いた。

 

アメリカ軍駆逐艦「ヘルム」「ウィルソン」が日本軍重巡「青葉」に砲撃だが効果なしだ。

 

「鳥海」「青葉」の砲撃が「ヴィンセンス」に、「加古」「衣笠」「古鷹」の砲撃が「アストリア」に集中した。

「ヴィンセンス」に火災が発生した。「操舵室に命中しました~」との報告が「ヴィンセンス」の艦橋に届いた。

「アストリア」にも命中弾だ。「アストリア」にも火災が発生した。


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アメリカ軍は日本軍の雷撃を恐れたが、不思議なことに魚雷は来なかった。

実は日本軍は右舷の魚雷を発射し尽くしていて再装填中だった。

 

軽巡「夕張」と駆逐艦「夕凪」が「アストリア」に向けて雷撃した。

「アストリア」に魚雷が1本命中した。しかし、不発だった。

 

「青葉」「衣笠」「加古」「古鷹」が「アストリア」を砲撃する。

「アストリア」の主砲塔2基が破壊されて沈黙した。

 

「鳥海」は「ヴィンセンス」を砲撃するが効果なしだ。

 

「天龍」「夕張」「夕凪」が「ヘルム」を砲撃するが効果なしだ。

 

「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」が「鳥海」を砲撃した。

「艦長!全主砲塔が破壊されて砲撃不能です!!」と「鳥海」の艦橋に報告が届いた。

 

「ウィルソン」が「青葉」を砲撃するが効果なしだ。

「ヘルム」が「衣笠」を砲撃するが効果なしだ。


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日本軍のPLは51-3x2=45だ。

アメリカ軍TFSのPLは0だ。TFNは36-3x3=27だ。

 

【6】第6ターン(1942/08/09 2401)

日本軍はアメリカ軍の後方から右舷に回り込もうとしている。

「ヴィンセンス」「クインシー」「アストリア」が「鳥海」を砲撃したが効果なしだ。

「ウィルソン」「ヘルム」が「加古」を砲撃するが効果なしだ。

 

「青葉」「加古」「衣笠」が「アストリア」を、「古鷹」「天龍」「夕張」が「ヴィンセンス」を、「夕凪」が「ヘルム」を砲撃した。

「アストリア」の主砲塔が全滅し、沈黙した!!

「ヴィンセンス」の主砲塔が半減した。

「ヘルム」には効果なしだった。

 

「鳥海」が「ウィルソン」に雷撃だ。

「ウィルソン」に魚雷1本命中!!大きな破孔が開き速度が半減した。

 

「青葉」が「ヴィンセンス」に雷撃だ。

魚雷が1本命中した!

「缶室浸水!!航行不能です」

その直後にまた1本魚雷が命中した。

船体が切断して「ヴィンセンス」はあっという間に波間に消えた。

 

「加古」が「クインシー」に雷撃だ。

「クインシー」が轟沈した!!

 

「衣笠」「古鷹」が「アストリア」に雷撃だ。

魚雷1本が命中し「アストリア」のスクリューが停止した。

魚雷2本目が命中し「アストリア」が轟沈した!!

 

アメリカ軍の重巡が全滅した。


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日本軍のPLは45のままだ。

アメリカ軍TFSのPLは0だ。TFNは27-3x9=0だ。

 

ゲームとしてはこれで勝負あったので、終了とした。

 

【7】勝敗の判定

日本軍が戦略的勝利するには次の第7ターンで地図盤G,Hから東端に離脱させないといけないが、全速力でもそれは無理だ。

戦術的勝利のためには第10ターンまでに地図盤Cの盤端から離脱する必要がある。

そのためには30ヘクスの移動が必要だ。速度6に上げても5ターンかかるので、第11ターンになる。

そのため、日本軍は戦術的勝利、戦略的勝利ともに不可能だ。

 

アメリカ軍は日本軍のPLを0以下にできないだろうからアメリカ軍の勝利もない。

 

そのため引き分けだ。

 

【8】感想

ゲーム上の勝利条件として引き分けになったのは意外だった。

日本軍は、もっと高速を出して突入し移動しないといけないようだ。

 

史実ではアメリカ軍重巡4隻が沈んだが、今回はアメリカ軍重巡5隻を全滅させたので史実以上の勝利といっていいだろう。

 

日本軍の損害は「鳥海」に集中し、W4P1だった。

航行に支障はないが攻撃不能になっていた。

 

残った魚雷は「青葉」「加古」「衣笠」「古鷹」が8本ずつ合計32本。

「鳥海」が4本で、総計36本だ。

砲弾もかなり消耗しているだろうからこのまま輸送船団を攻撃に進んでもどれだけの損害を与えられたか不明だ。

 

また帰途でガダルカナル島からの空襲でどれだけの損害を受けるかわからない。

 

このゲームはシンプルで水上戦の雰囲気がよく出ていて面白い。またプレイしてみたい。

 

第一次ソロモン海戦          
               
日本軍 参加 損失 残存 連合軍 参加 損失 残存
CA 鳥海 -

大破

(W4P1)

CA キャンベラ -
  青葉 -   ビンセンズ -
  加古 -   シカゴ -
  衣笠 -   クインシー -
  古鷹 -   アストリア -
小計 5 0 5 小計 5 5 0
CL 天龍 -   - - -
  夕張 -   - - -
小計 2 0 2 小計 0 0 0
DD 夕凪 - DD バグレイ -
  - - -   パターソン -

大破

(W4)

  - - -   ヘルム -
  - - -   ウィルソン -

中破

(P3)

  - - -   ラルフ・タルボット -
  - - -   ジャービス -
小計 1 0 1   6 1 5
合計 8 0 8   11 6 5

 

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