Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

コマンドマガジン 161号(2021/10/20)

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コマンドマガジン 161号(2021/10/20)

 コマンドマガジン 161号を読んでみた。

 この号の付録は1945年のコレヒドール島への米軍降下と上陸後の日本軍との戦いをテーマにした『コレヒドール 1945』戦争末期の日本軍の戦いはつらいのでプレイするかどうかはわからない。

 

 太平洋戦争緒戦に日本軍がコレヒドール島を攻撃したのは知っていたが、戦争末期に攻守入れ替わっての戦いは知らなかった。

 堀場亙氏の『散る櫻、残る櫻も散る櫻』コレヒドール島戦記はこの戦いの概要がよくわかった。また堀場亙氏と山内氏による付録の『コレヒドール 1945』リプレイはまだこのゲームをやっていない私にもゲームの雰囲気がよくわかった。

 日本軍約4500名が守る同島の上陸予定地点であるトップサイドに、米軍は3125tにおよぶ爆弾を投下した。1945年2月16日0830時に、第503空挺連隊が降下した。2月16日だけで2050名が降下した。1028時に歩兵第34連隊が上陸を開始。その後激戦が続いたが日本軍は徐々に不利になり地下坑道を爆発させ山を吹き飛ばそうとしたが逆に爆風が日本軍を襲い約400名が死傷した。800名の切り込みも失敗に終わった。2月24日には組織的抵抗は終わった。日本軍4500名はほぼ全滅した。3月2日にマッカーサーがコレヒドール島に上陸した。同島最後の日本兵18名が米軍に収容されたのは1946年1月だった。

 

 付録『コレヒドール 1945』のデザイナーはマイケル・リネラ氏だ。アバロン・ヒル社の『アルンヘム強襲』(Storm over Arnhem)のデザイナーであり、同ゲームはエリア・インパルス・システムの元祖なのだ。この号では、このエリア・インパルス・システムのゲームについて、いくつか紹介している。マイケル・リネラ氏の『Starlingrad vardun on the Volga』や同氏の『Monty's Gamble Market Garden』や呼拉中村氏の『南方作戦1941』などだ。私はエリア・インパルス・システムのゲームはやったことがないが、やってみたくなった。

 

 大木毅氏の『笹川良一の「抵抗」?』も面白かった。山本五十六の手紙の文章を改竄し公表した軍部。改竄を元に戻して掛け軸を全国に寄贈していた笹川良一。史料に書いてあることを重視するのは歴史を見るときに大事だが、その史料の背景や位置づけをしっかり把握したうえで理解しないといけないと思った。

 

 『PACIFIC SUBS』完全日本語版制作ノートも面白かった。そして衝動買いしてしまった。

 

 諸岡幸治氏の『FIRE IN THE SKY THE GREAT PACIFIC WAR 1941-1945』の紹介記事も面白かった。旧ゲームジャーナル55号付録でMMPから2005年に英語版が出て2021年にPHALANXから発売されたゲームだそうだ。デザイナーはTetsuya Nakamura・・・日本人だ。中村 徹也氏。ゲームジャーナルの発行元である、シミュレーションジャーナルの代表、兼編集長。ふゅ~ら~中村、ふ~ら~中村とも名乗っているようだ。

日本のゲームが海外に輸出されているのは嬉しい限りだ。

 

 連載の一つ、高梨俊一氏の『シミュレーションゲームと偶然性』もよかった。

トム・ショウがデザインした『Kriegspiel』のシステムが面白いと思った。CRTを使わず攻撃側と防御側がそれぞれオプションを選択しその組み合わせによってじゃんけんのように勝敗が決まるシステムというのだそうだ。人気が出ず廃れてしまったようだが、トランプやカードゲームのようでうまく使えば現代でもいけるのではないだろうか。

「一般的には、論理性だけで勝敗が決定されるゲームが、最も純粋で知的なゲームとされ」る。囲碁、チェス、将棋には偶然性はないので最上位。偶然性が入るブリッジや麻雀が次位。「運のみで決まり賭博性の高いルーレットや丁半博打を最下位に置く考え方」は、世の中の人がそう見ているという点では納得する。私個人は、世の中の多く、特に戦争には偶然性なしではありえないと思っている。だから戦争をシミュレートしているシミュレーション・ゲームには、偶然性は必要だと思っている。

 

 八木田和男氏の連載『地中海戦史』の『SASの飛行場襲撃』はアクション小説を読んでいるかのような面白さがあった。

 

 新作ゲーム紹介の『NEW COMERS』を見ているとまだまだシミュレーション・ボード・ウォー・ゲームはいろいろ新作が発売されていて、一時期のブームは去ったが根強くホビーとして残っているな、と嬉しく思った。MMPのASLシリーズでは『Starter Kit Bonus Pack #2』が出たようだし、GMT GAMESからはWing LeaderシリーズというWWⅡの空戦ゲームが出ているそうだ。写真すらないがどんなゲームなのか興味がある。GMT GAMESからはDarkシリーズの新作で『Dark Summer』が出るようで、本誌でも4ページにわたって松上敬氏による紹介記事が出ている。

 

 『コマンドマガジン』はいい紙使ってるしカラーだし記事はよく調べてるし、最近の動向よくわかるし、付録ゲーム付いているし、お買い得感満載です。

 

 

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