Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

復活『タクテクス』(TACTICS)第1号

2022年3月19日に、ホビー・ジャパンから復活『タクテクス』(TACTICS)第1号として発売されたのがこれだ。

明智光秀関連のゲーム3個が同梱されている点はお買い得だ。

これが届いた時、嬉しくてまだ読む前に書いたのがこちらだ。

haruichiban0707.hatenablog.com

 

かつて『タクテクス』(TACTICS)誌を愛読していた私としてはとても嬉しい復活だった。

 

今回は、本誌を読み、3ゲームをプレイした後で感想を書いた。

 

48ページだが、そのうち16ページは同梱された3ゲームのルールとシナリオで、あと1ページが奥付なので、実質31ページだ。

 

記事は次のとおりだ。どれも読み応えがあって面白かった。

 

小和田泰経氏による「本能寺から山崎合戦にいたる歴史を解説 明智光秀最後の10日間」

宮永忠将氏による「山崎合戦に関連した武将を解説 山崎参戦武将名鑑」

大山格氏による「山崎の戦いをめぐり起こりえた、起こりえなかったことを考察 山崎合戦が起きなかったら」

福田誠氏による「中央政局に翻弄された丹波戦国史 荻野直正と丹波攻略戦」

小和田泰経氏による「苦心惨憺して攻略を図る 明智光秀丹波攻略戦」

宮永忠将氏による「タクテクス復活記念特別鼎談 福田誠インタビュー」

宮永忠将氏による「歴史ゲームの醍醐味 シミュレーションゲーム興亡史」

 

よかったことは『タクテクス』誌復活だ。

Twitterでいろいろな人の感想を見ていると、復活を喜んではいるが、「値段が高い」「復活したからご祝儀で買ったが・・・」というのが多かったように思う。私も含めて昔の『タクテクス』を知るファンにとっては、やはり嬉しかった。

 

残念だったのは、ホビー・ジャパンがこれから『タクテクス』をどうしていくか、決意表明がなかったことだ。

読者層をどこに置いているのか、私のように昔熱中し長期間のブランクがあり最近復活した層か、これからウォーゲームに触れる層なのか。

既存の『コマンドマガジン』や『ゲーム・ジャーナル』や『BANZAIマガジン』『武士らいふ』とどう差別化するのか。

そういった疑問に答えていないのが残念だった。

福田誠氏へのインタビューの中で、福田氏がこの号がどうやって復活したか、どうしてこの3ゲームがデザインされたか、経緯が語られている。それは、ゲーム・デザイナーの福田氏が答えるのではなく、編集人に宣言してもらいたかったのは、私だけだろうか。

 

経緯を考えると、やはり大河ドラマ麒麟がくる』と同時期に制作・発売されるべきだった、と思う。

大河ドラマで『鎌倉殿の13人』を放映している今年(2022年)なら、源平合戦から承久の乱のゲームがよかったと思う。

 

記事は、ヒストリカル・ノートに相当する史実についてのものが多い。歴史雑誌に付録でゲームがついた、という感じだ。もともとの経緯がそうだからそのとおりだ。

 

山崎合戦では、秀吉の中国大返しは有名だが、明智方の武将や合戦の模様は、一般にあまり広まっていないので、小和田泰経氏、宮永忠将氏、大山格氏の記事は面白かった。

 

明智光秀による丹波攻略戦は、私も含めてほとんどの人が知らないと思う。福田誠氏や

小和田泰経氏の記事は、興味深く読んだ。

 

ブランクのあった私にとっては、ブランク期間のウォーゲーム界の状況について、もっとページを割いてほしかった。ブランク期間のある者にとっては、以下のような疑問に答えてほしかったのだ。

 アバロンヒル社やGDW社やビクトリー・ゲーム社がどうなったか?

 どんなメーカーががんばっているのか?

 最近のゲーム・デザイナーは誰なのか?タイ・ボンバ?マーク・シモニッチ?マイケル・リネラ?

 日本のデザイナーさん達は?

 ASLやOCSやBTSやTCSなどのシリーズものの特徴やどんなゲームが発売されているのか?

 人気のあるゲーム・システムは?ヘクスを使ったものか、エリアを使ったものか、カードか?

 陸戦もの、海戦もの、空戦ものではどんなゲームが出版されたのか?

 戦略級、作戦級、戦術級ではそれぞれ、どんなゲームが発売されたのか?

 現代戦もの、WWⅡもの、ナポレオニック、日本史ものでは、どんなゲームが人気あるのか?

 

 おそらく、今号は、マーケットの状況を確認するためにアドバルーンを上げてみたのだと思う。次の号が出るかどうかはわからないが、次の号こそ勝負号だと思う。

 次号が出るなら、編集方針をはっきり宣言して、勝負してほしい。

 次号が出ることをとても楽しみにしている。