『コマンドマガジン』第163号の付録ゲーム『奉天』(MUKDEN)をソロ・プレイしてみた。
手順は次の通り
Ⅰ.ロシア軍騎兵軍団補充フェイズ
Ⅱ.日本軍アクション順番宣言フェイズ
Ⅲ.ロシア軍麻痺決定フェイズ
Ⅳ.第一交互移動または戦闘フェイズ
Ⅴ.回復フェイズ
Ⅵ.ロシア軍麻痺決定フェイズ
Ⅶ.第二交互移動または戦闘フェイズ
Ⅷ.回復フェイズ
Ⅸ.ターン変更フェイズ
Ⅱ.日本軍アクション順番宣言フェイズで日本軍はⅣ.移動=>Ⅶ.戦闘とするか、Ⅳ.戦闘=>Ⅶ.移動とするか宣言する。
変わっているのは、交互移動、交互戦闘する点である。日本軍が1ユニット移動させた後、ロシア軍が1ユニット移動させる。戦闘も同様だ。パスはできない。
戦闘結果表は戦闘力差で、日本軍の方が1コラム有利になっている。地形や包囲した場合、コラムシフトする。戦闘力の分だけユニットがあり、ステップロスするとユニットを交換する。
戦闘後前進の後、連続攻撃や、相手のZOCに対して索敵攻撃ができる。そのため、戦闘フェイズでもうまく相手ユニットの隙間を通って進撃することができる。
勝利条件は、奉天や奉天から北に延びる鉄道を日本軍が占領するとサドンデス勝利となる。
初期配置
日本軍側から見た場合
日本軍から見ると左側(西側)が平地になっているので、渡河した後、うまくロシア軍ユニットをかわせば突破しやすい。一方右側(東側)は山地なので移動に時間がかかる。山地は守りやすいため、ロシア軍ユニットが少ないが、なかなか進めなくなる可能性がある。
ロシア軍側から見た場合
第1ターン移動終了時(1905/02/27-28)
日本軍は左翼から平地を突破しようと試みる。ロシア軍はそれを防ぐために防衛線を張った。
第1ターン戦闘終了時(1905/02/27-28)
第1ターンの日本軍のダイス運がよかった。
ロシア軍は全30ユニット中8ユニット壊滅。1騎兵師団壊滅。(奉天で次ターンに復活する)26ステップの損害。
日本軍壊滅ユニットなし。6ステップの損害。
日本軍左翼はほぼ無人の荒野が広がっている。
第2ターン戦闘終了時(1905/03/01-02)
日本軍は戦闘=>移動を選んだ。戦闘を先に選ぶと、日本軍砲兵射撃を使える。
ロシア軍壊滅ユニット9(プラス1騎兵師団)43ステップの損害。残り20ユニット。
日本軍壊滅ユニットなし。13ステップの損害。残り29ユニット。
日本軍は砲兵射撃も活用し、ロシア軍に大損害を与えた。
第2ターン移動(1905/03/01-02)
戦闘後の移動で、日本軍は強行軍を使い、奉天から北に延びる鉄道を狙う。
第15旅団の強行軍で奉天近くの鉄道を支配し日本軍サドンデス勝利!
感想
初めてタイ・ボンバ氏デザインのゲームをプレイしてみた。
このゲームはユニットの配置を1ヘクス間違うとたちまち突破されたり、追加攻撃や索敵攻撃で、戦線が崩壊する可能性があるので、非常に頭を使うので面白い。
ルールも8ページと少なくて簡単だし、盤上のユニット数も両軍合わせて59個と少なくてプレイしやすい。
ただ、ロシア軍でプレイするのは難しいと思う。
ロシア軍にだけ麻痺があり、移動や戦闘の前に使えなくなるユニットが最小0から最大3ユニット発生する。戦闘比が日本軍より1コラム不利だ。また、砲兵射撃もない。勝利条件で守らないといけない奉天と鉄道ヘクスが15ヘクスもある。30ユニットしかないので、この15ヘクスの左右に1ユニットずつ置いてやっと守れるだけしかない。
コマンドマガジン第163号の『奉天』リプレイではうまく守っているが、麻痺ルールをなくしているとはいえ、このリプレイの守り方は凄いと思う。
このゲームは包囲しようとしても戦場が広く兵力少ないため、包囲できない状況をうまく再現していると思う。
『コマンドマガジン』第163号のリプレイ記事で、岩永秀明氏が書いているように、このゲームは「一手一手の動向が勝敗に大きく関わってくる。」のでとてもエキサイティングな展開を楽しめる好ゲームだ。