Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ソ連軍の理想的な展開 TAC043『コルスン包囲戦』(KORSUN)バトル・レポート(AAR)


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タクテクス』(TACTICS)誌第43号(1987/06)の付録ゲーム『コルスン包囲戦』(KORSUN)をプレイしてみた。このゲームは、もともとは、SPI社『南方軍集団』(Four Battles of Army Group South)の4作中の1作だ。基本ルールとそれぞれのゲーム独自ルールがある。

 

ゲーム・スケールは、1ターン2日。1ヘクス7.5km。

 

SPI社の『パンツァーグルッペ・グデーリアン』(Panzergruppe Guderian)のルールを基本としている。

 

手順は、移動=>戦闘=>機械化移動だ。

ソ連軍の約半分は戦闘に参加するまで戦力がわからない未確認部隊がある。

スタックは3個まで。

ZOCに入ったら停止。

装甲部隊は、移動や機械化移動中にオーバーラン攻撃ができる。

 

勝利条件は、相手ユニットをステップロスさせることとによる得られる勝利得点が多いこと。

 

 

【0】初期配置

若干、ルールブックの指示とユニットが、異なる。ルールブックでは親衛機甲旅団3個とあるが1個しか残っていない。逆に機甲軍団が1個と書いてあるが3個ある。ルールブックの誤植とみなし、第5ターンのソ連軍の増援とした。

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【1】第1ターン(1944/01/26)

ソ連軍が地図盤東側と北西から攻勢をかける。
ドイツ軍第3装甲師団は10対1の戦闘比で攻撃される。

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ドイツ軍第3装甲師団が全滅した。

北西では、ドイツ軍の戦線に穴が開いた!

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北西のソ連軍が機械化移動をして前進する。


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ドイツ軍は戦線を何とか維持しようとする。


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第1ターン終了時の戦況
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第1ターンの潰滅部隊

第3装甲師団が潰滅した。
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ソ連軍のVP 18

ドイツ軍のVP 0

 

【2】第2ターン(1944/01/28)

ソ連軍は北西と東から攻撃を継続する。
ソ連軍は9か所で攻撃する。

 

北西から突出したソ連軍がドイツ軍に包囲され補給切れになる。

攻めを焦ると逆に包囲されてしまう。ソ連軍軍団ユニットは攻撃力、防御力とも大きいから、包囲されても2ターンくらいは残るだろう。その間に救出に行けばいい。


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第2ターンの潰滅部隊
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ソ連軍VP

 前ターンまで18VP

 今ターン 12VP

 合計30VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで0VP

 合計0VP

 

【3】第3ターン(1944/01/30)

ソ連軍は引き続き東方と北西で攻勢をかける。

このターンから攻撃力が2倍になるユニットがなくなる。
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西部で補給切れだったソ連軍軍団に補給線がつながった。
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第3ターンの潰滅部隊

第17装甲師団が全滅した。第16装甲師団も1個自動車化歩兵連隊が壊滅した。

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ソ連軍VP

 前ターンまで30VP

 今ターン24VP

 合計54VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで0VP

 合計0VP

 

【4】第4ターン(1943/02/19)

ソ連軍が猛攻をかける。
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ソ連軍がドイツ軍を包囲し包囲環が完成しそうだ。
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第4ターンの潰滅部隊

第16装甲師団が全滅した。

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ソ連軍VP

 前ターンまで54VP

 今ターン 30VP

 合計84VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで0VP

 合計0VP

 

【5】第5ターン(1944/02/03)

ソ連軍が包囲環完成を目指し進撃する。
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ついに包囲環が完成した。「補給切れ」マーカーを載せた9ヘクスが包囲された。

また、その南方も包囲されそうな危機にある。
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第5ターンの潰滅部隊

第282歩兵師団が壊滅した。

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ソ連軍VP

 前ターンまで84VP

 今ターン 27VP

 合計111VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで0VP

 合計0VP

 

【6】第6ターン(1944/02/05)

ソ連軍はドイツ軍を南北で二重に包囲し、6か所で攻撃する。f:id:Haruichiban0707:20230802141725j:image

ドイツ軍全部隊が各個に包囲された。このままだと全滅だ。
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第6ターンの潰滅部隊

第198歩兵師団、第106歩兵師団、ディビジイオンスグルッペが全滅した。
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ソ連軍VP

 前ターンまで111VP

 今ターン 27VP

 合計138VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで0VP

 合計3VP

 

【7】第7ターン(1944/02/07)

ソ連軍は3か所でしか攻撃できない。
ドイツ軍の西方の補給源0117を占領した。ドイツ軍としては痛恨のミスだ。
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第7ターンの潰滅部隊

第14装甲師団、ヴァローニエン自動車化旅団が潰滅した。
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ほぼ全部隊が包囲されたドイツ軍がここから逆転するのは難しいと思うので、ここで終了とする。

 

ここまでのVPは次の通りだ。

 

ソ連軍VP

 前ターンまで138VP

 今ターン 24VP

 合計152VP

ドイツ軍VP

 前ターンまで3VP

 合計3VP

 

【8】勝利条件の確認

 

ソ連軍VP

 前ターンまで152VP

 合計152VP

 この他孤立した部隊のVPも数えるべきだが、このままでも十分勝利できるので計算しない。

 

ドイツ軍VP

 前ターンまで3VP

 軍団の戦力段階7段階 14VP

 合計17VP

 

これでもソ連軍の勝利は固いが、ドイツ軍がソ連軍をステップロスに追い込んだVPも数えてみた。
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152-17=135

VP差が85VP以上のためソ連軍の戦略的勝利

【9】感想

TAC051『ドイツ南方軍集団(星作戦)』(Operation Star)とはまた趣きが違う面白いゲームだった。

 

包囲しようとするソ連軍と脱出しようとするドイツ軍のマッチ・レースのような面白さがある。

 

ルールは共通だが、ユニットとマップと固有ルールの違いで、こんなにも変わるのか、と驚いた。

 

ターンごとにできること、できないことのルールが多いので、ターン記録表に、整理しておくと便利だ。

 

ソ連軍は、ドイツ軍を2個の円環に包囲し、理想的な展開になった。

 

ドイツ軍は、師団同一を考え、全てスタックさせたため、戦線に穴が開きやすかったのが大きな失敗だった。スタックさせずに、戦線を張った方が、ソ連軍の突破を許さなかったかもしれない。特に歩兵の場合は、装甲師団の防御力が2倍になるのに対して、1コラムシフトの効果なので、スタックさせずに戦線を張って、ソ連軍に包囲される可能性を下げるべきだった。

 

[23.0]ソ連軍司令部の特別制限ルールがあるので、ソ連軍は全戦線で攻撃できない。そのため、ゲームはサクサクと小気味よいペースで進む。どのユニットを使って攻撃するか、よく考えることになる。

 

ドイツ軍が勝つためにどうするといいか、再度、本ゲームをプレイしてみたい。