Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ゲームジャーナル89号(2023/12/01)を読んでみた


f:id:Haruichiban0707:20231205160157j:image

ゲームジャーナル』第89号を読んでみた。

付録ゲームは『フランス革命1789』だ。

第一印象は、色使いが華やかでとても素晴らしいデザインのゲームだ。

マップも独特の表面加工で、今すぐプレイしたくなる。

 

もくじはこちら


f:id:Haruichiban0707:20231205160211j:image

 

p.4 最新SLG情報

K2P『オペレーション・タイフーン』
本家の国際通信社さんがまだIEDにしていないのに、ゲームジャーナルさんは国際通信社の略号をIEDに修正している。

 

p.8 超ワイドリプレイ フランス革命1789 リプレイ フランス革命を過激にプレーするぜ! 文:岩永秀明

これを読むとプレイしたくなる。

 

p.16 歴史概説 フランス革命の勃発から終焉まで 本文:パクリンしらが イラスト:松田大秀

フランス革命の概略がとてもわかりやすく説明されている。

ちょうどリドリー・スコット監督の映画『ナポレオン』も公開されているが、それを見る前に読んでおくべきだ。

 

p.18 人物列伝 フランス革命の18人 コラム:中村達彦

 肖像画と略歴があり、わかりやすい。
 紹介されている18人は以下のとおり。
 ルイ16世
 マリーアントワネット
 ラ・ファイエット
 オノーレ・ミラボー
 マクシミリアン・ロベスピエール
 ルイ・アントワーヌ・ド・サン=ジュスト
 ジョルジュ・ダントン
 ラザール・カルノー
 ジャック・カトリノ
 ジャン=ポール・マラー
 マリー=ジャンヌ・フィリポン・ロラン
 カミーユ・デムーラン
 ナポレオン・ボナパルト
 ポール・バラス
 ジョセフ・フーシェ
 タレイラン=ペリゴール
 アベ・シェイエス
 フランソワ・ノエル・バブーフ

 

p.28 松田大秀 リプレイコミック

毎回思うが、これを読むとプレイしたくなる。

 

p.34 ゲームの殿堂 西洋史プレ20世紀SLGを語る

西洋史プレ20世紀ゲームはあまり興味がなかったのだが、興味が湧いてきて困る。

 

p.39 MMP『ASL Journal #14』今日も6ゾロ
 特集はANZAC部隊だ。
 ほとんど知ることのないANZAC部隊の戦いだが、こうしてゲーム化されていると、未知の歴史に対する理解が進む。

 

p.46 絶版ゲーム再生project 第53回 旌旗蔽空(HJ) 文:迷美酒
 『タクテクス』(TACTICS)第39号(1987/02)の付録ゲームでオリジナル・ゲーム・コンテスト入賞作品だ。
 これは人気があったゲームだから当然再版されているのだろうと思っていたが、意外だった。
 

p.48 ウォーゲーム英雄列伝 徳川家創業の功臣達⑦ 榊原康政伝 本文:近藤友樹
 2023年の大河ドラマで大活躍の榊原康政だ。
 ドラマでは描ききれなかった点を解説していていい記事だ。
 TH『信玄上洛』が『タクテクス』(TACTICS)(TAC)誌で再版され、その後、コマンドマガジン(CMJ)第36号やゲームジャーナル(GJ)第52号で再版された時の相違点が解説されている。
 TH版とGJ版はほぼ同一の内容だそうだ。
 ちなみにTAC版は『タクテクス』(TACTICS)第65号(1989/04)のp.44に『果たして信玄は上洛できたのか?信玄最後の戦い』として戦国群雄伝シリーズ連結シナリオとして掲載されている。
 CMJ版はリメイク版で評判が悪かったそうだ。
 
 近藤氏が書くとおり、再版は、ルール明確化やマップやユニットのデザイン変更までにするべきだと私も思う。
 リメイク版は、タイトルを変更するか、旧版と新版をプレイヤーが選択できるように、両方揃えるべきだと思う。


p.56 知られざる迷将たち 第13回 本多忠朝伝 刑事ボロンコ
 今号で採り上げられているのは、大阪天王寺にある一心寺にの境内で眠る本多忠朝だ。彼は酒封じの神様だそうだ。
 2023年の大河ドラマで大活躍の四天王本多忠勝の次男だ。 
 彼は大坂夏の陣では前に出すぎて集中攻撃を受け討ち死にし、徳川家康を危機に陥れている。
 

p.58 日本戦史雑話 第88話 統率の心理 大山格
 統率の心理について、北条早雲や内山雄二郎『統率の心理:指揮と統御』偕行社(昭和6年)を採り上げているコラムだ。
 「人格を磨く」とか「人徳を示す」のような精神主義ではなく論理的かつ合理的に論じている。
 

p.60 最新研究が明かす帝国陸海軍の虚像と真相 第30回 日本版「電撃戦」マレー進攻作戦 第二回 天佑による上陸作戦の成功 長南政義
 この季節には上陸不適と言うのが当時の常識だった。その中、波高1.5mから2mの中、上陸作戦を実施したマレー進攻作戦。
 対する英軍のマタドール作戦は作戦許可を得るのに日本軍のタイ侵攻が明らかになったときという条件があるのに、日本軍の作戦開始24時間前には開始しなければいけないという矛盾がある作戦だった。
 仮に24時間前に全軍に「戦闘準備して待機せよ」という命令が下っていたらマレー半島を攻略できたのだろうか?
 その場合どうなるかウォーゲームで試してみたい。


p.62 データで見る日米海戦史第62回 航空母艦の発展と戦術の変化その① 森哲史
 第62回まで、このテーマの記事がなかったことに驚いた。
 1925年から1940年までの米軍艦載機の諸元一覧がいい。
 次回は1945年までの米軍艦載機の諸元一覧になるのか、1925年から1940年までの日本海軍の艦載機諸元一覧になるのか、わからないが楽しみだ。


p.67 ASLの戦場 カウンター編 第47回エチオピア軍登場 文:今日も6ゾロ
 ASLに登場したエチオピア軍ユニットには正直驚いた。
 「イタリアによるエチオピア侵攻も確かに第二次世界大戦の局面の一つだが、わざわざ別ユニットにするほどの意義があるのだろうか?」と思ったからだ。
 だが、戦いがあったなら、その戦場には親兄弟がいた生身の人間である兵士がいたのだ。
 そんな彼らをユニットにして表現してあげるのは当たり前だ。
 需要がなさそうな戦場だが、ユニットを用意してシナリオ作成するのはASLシリーズのデザイナー陣の凄いところだし、それをとりあげた今日も6ゾロ氏の慧眼も凄いと思った。

 

p.82 次号予告
 2024/3/1に『孤高のアルンヘム1944』となるようだ。Point To Pointのマップとカードの一部が載っている。
 『孤高の信長1570』のルールを使った完全ソロプレーゲームだそうだ。
 面白そうだ。楽しみだ。