ゲームジャーナル第21号には日本史ゲームが3個ついている。
そのうちの一つが『日清戦争』だ。
ゲームジャーナル第21号の『日清戦争』をA氏とVASSALで対戦した。これが第3戦目だ。
VASSALモジュールは下記サイトからダウンロードできる。
A氏によると、日清戦争期の軍歌として、『雪の進軍』というのがあるそうだ。
『雪の清軍(しんぐん)』の掛詞(ダジャレ?)だろうか?などとアホな会話をしながらプレイした。
今回はA氏が清軍、私が日本軍を担当した。
勝利条件は、第8ターンまでに日本軍が20点得点することだ。
得点は大都市、要塞都市の占領が2点。小都市の占領が1点だ。
他に、北洋水師除去が3点、日本軍部隊除去-3点だ。
ゲームスケールは1ターン=1ヶ月、1ヘクス=25km、1ユニット=旅団だ。
さてどうなるか?
【0】初期配置
初期配置は決まっている。
【1】第1ターン(1894年8月)
第1ターンの一番初めに黄海海戦が発生した!!
このゲームではコマンドポイント(CP)のダイスを日清両軍が振るのだが、その時に同じ目が出た場合、後悔海戦が発生したものとして、北洋水師を+3の面から+1の面に裏返す。
日本軍の作戦は、まずは、平壌の攻略だ。
平壌を攻略し北洋水師が裏面(+1)になると、日本軍は上陸作戦を実施できるからだ。
上陸作戦が実行できる条件が整ったら、山東半島に上陸する、遼東半島の任意の場所に上陸する、など選択肢が広がる。
「日本軍動員」ボックスから「至仁川」に移動させないと、地図上で活動できないので、移動させ、平壌を包囲するように移動する。
清軍は、平壌を包囲されるのを防ぐために1個旅団を平壌から南の海側に派遣する。
日本軍による第一回平壌攻撃は失敗に終わった。
清軍はその間に三個旅団で山東半島の守りを固める。煙台、威海衛、栄城の三都市に一個旅団ずつ配置し完璧な守備だ。
さらに清軍は旅順、大連など遼東半島先端部の守備も固める。
【2】第2ターン(1894年9月)
日本軍は清軍を包囲して第二回平壌攻撃を実施する。
清軍のダイスが走り、日本軍は4打撃を受け後退した。
そして清軍は攻撃力4の旅団を平壌に入城させる。
清軍は攻撃力4の旅団を移動させ攻撃力3に落ちた日本軍旅団の動きを封じ込めて、平壌には攻撃力2の旅団を入城させる。
清軍は耐久力(中央の数値)1の表の4-1-3より、裏の2-2-2の方が防御には向いているのだ。
日本軍の第三回平壌攻撃はまたも清軍に撃退された。
日本軍の第4回平壌攻撃によって、清軍が壊滅した。
日本軍はようやく平壌攻略に成功した。
日本軍は平壌と安州を攻略した。しかし、安州攻略後、清軍の損害0で、清軍の反撃により大損害を被った。
【3】第3ターン(1894年10月)
日本軍は安東に上陸した。
旅順、大連攻略のために、遼東半島先端部を狙おうとも考えたが、着実に安東に上陸した。
日本軍は清軍2-2-2旅団を清川江のほとりで攻撃する。攻撃力10で攻撃するが、ダイスは無情にも3,3,4,1,4,1,1,2,1,6の1ヒットだ。ダイスで5,6が出ると1ヒットなのに、10個も振って5,6は1だった。
そのため清軍2-2-2旅団は無傷だった。
日本軍は義州の清軍2-2-2旅団を攻撃する。
今回は攻撃力10で3ヒットだったので清軍が壊滅した。
日本軍が清軍部隊に足止めされている間に、清軍は遼東半島にオレンジ線のような完璧な防衛線を敷くことができた。
【4】第4ターン(1894年11月)
清軍は遼東半島に完璧な防御線を敷いた。
日本軍は攻撃を仕掛けるが丘陵地や山地の飢え、ダイスもなかなかいい目が出ず、清軍を後退させることができない。
日本軍は下図赤丸の地点で清軍を包囲攻撃するが、清軍を壊滅させることができない。
ここで清軍を壊滅させれば、遼陽その他の都市まで坂を下っていけば容易に占領してVPを獲得できるはずだったのだが、思惑が外れた。
【5】第5ターン(1894年12月)
日本軍が赤丸にいた清軍2-2-2旅団を全滅させた。
これで遼陽他矢印の方向に自由に進撃できる・・・はずだった。
清軍が下図オレンジ丸の日本軍を攻撃しステップロスの損害を与えた。
清軍は追撃する。
清軍は日本軍3-2-2を追撃する。
攻撃力4でダイスは6,6,3,6!!3Hits !!
日本軍3-2-2旅団が壊滅した!!
さらに清軍が日本軍1個旅団を包囲した!!
日本軍はCP不足、弾薬不足に苦しむ。
下図のオレンジ丸の清軍2-2-2旅団を攻撃し後退させる。
日本軍が包囲を解くために赤丸の清軍を攻撃する。
ダイスはなんと1,1,1,4,4!!0Hitだ!!
日本軍は下図赤丸の清軍を攻撃するが、0Hitが続き包囲を解くことができない。
【6】第6ターン(1895年1月)
日本軍は引き続き包囲を解くためにCPと弾薬を使う。
ようやく包囲を解くことに成功した。
【7】第7ターン(1895年2月)
しかし日本軍が手間取っているうちに清軍がオレンジ色の防衛線を敷くことに成功した。
日本軍は遅まきながら山東半島に2個旅団で上陸した。
また、下図の赤丸を攻撃し、遼東半島の清軍一掃を図る。
だがダイスはまたも・・・
清軍は損耗した旅団を後退させ新手の旅団を前に出して防衛線を維持する。
清軍はオレンジ丸の日本軍旅団を攻撃し、壊滅させた!!
日本軍は9個旅団中2個旅団を失ったのだ!!
【8】第8ターン(1895年3月)(最終ターン)
日本軍の勝利の可能性はもうない。
【9】勝利条件の確認
20VPに達しないのでA氏率いる清軍の勝利~~~~!!
【10】感想
清軍のA氏の作戦は完璧だった。
A氏の駒さばきの巧みさが光った一戦だった。
まさに『雪の進軍』ならぬ『雪の清軍』だった。
今回の教訓
1. 清軍が山東半島に3個旅団を配置して早期に守りを固め、後顧の憂いをなくした。
2. 清軍が旅順、大連の守りを固め、後顧の憂いをなくした。
3. 清軍が山東半島と旅順、大連の守りを固めた上で遼東半島防衛に集中した。
4. 損耗している日本軍部隊は弱くて除去される可能性があるので、日本軍は損耗回復を優先すべきだった。
5. 旅順、大連方面に早めに上陸するなどA氏の意表を突く攻撃をすべきだった。
このゲームは少ないユニット数で、小さいマップのため、VASSALでプレイするにはいいゲームだ。
わずか4ページのルールとA2サイズのマップでとても面白い展開が楽しめる傑作ゲームだと思う。