ウォーゲーム日本史第13号の付録ゲーム『最後のサムライ 西南戦争』を2回目のソロプレイをしてみた。
このゲームは西南戦争全体をシミュレートしたゲームだ。
マップは九州全域で、ヘクスではなくポイント・トゥー・ポイントで表している。
1ユニットは旅団から大隊だ。
1ターンは記載がないがおそらく1ヶ月程度と思われる。
ゲーム手順は次の通りだ。
1)戦略カード・ドロー・フェイズ
2)行動フェイズ
3)孤立フェイズ
4)勝利決定フェイズ
5)ターン更新フェイズ
勝利条件は相手の士気が0になるとサドンデス勝利だ。サドンデス勝利にならなければ第10ターン終了時の士気による。
士気は勝利決定フェイズに保持している重要スペース数の多少による。
前回はわずか2ターンで政府軍のサドンデス勝利だったが、さてどうなるか?
目次
■初期配置
初めてプレイするのでどこに配置するのがいいのかわからないのでともかく枠内が黄色い重要スペースに配置した。
■第1ターン(1877/02)
前回の反省から、薩摩軍はなるべく早く重要スペースの占領を目指すこととする。
薩摩軍はカード008「党薩隊」を使い、党薩隊1ユニットを佐賀に登場させた。
政府軍はカード001「準備」の1作戦値を使い、小倉の第一旅団を飯塚に移動させる。
薩摩軍はカード003「大山綱良」の1作戦値を使い佐賀の佐賀隊に久留米を攻撃させる。
薩摩軍佐賀隊の戦闘力は2 ダイスは6 与えた損害3
政府軍第14連隊の戦闘力は2 ダイスは1 与えた損害0
薩摩軍の勝利
薩摩軍佐賀隊の耐久値は2なので損害なしだ。
政府軍第14連隊の耐久値は2なので裏になった。裏の耐久値は2なので残った損害1は無視される。
政府軍はカード006「川村純義」の作戦値2を使う。飯塚にいる第一旅団を久留米に向かわせる。また本州にいる第二旅団を小倉に向かわせる。
薩摩軍はカード007「党薩隊」を使い、報国隊を竹田に登場させる。
政府軍はカード008「民間商船」を使い、小倉の第二旅団を宇土に上陸させた。
熊本に向かおうとする薩摩軍を止めるためだ。
薩摩軍はカード006「強襲上陸」を使い、小倉に上陸だ!!
これは両軍にとって大きい!!薩摩軍に小倉を奪われた、という報を聞いた大久保利通は眉間にしわを寄せて小倉奪還を命じた。
政府軍はカード005「谷干城」の戦闘地2を使い、本州から小倉を攻撃する。
政府軍第三旅団の戦闘力は3 ダイスは1 与えた損害0
薩摩軍上陸部隊の戦闘力は2 ダイスは6 与えた損害3
薩摩軍の勝利
薩摩軍上陸部隊の耐久値は2なので損害なしだ。
政府軍第三旅団の耐久値は2なので政府軍旅団(2-2-2)になった。その耐久値は2なので残った損害1は無視される。
両軍パスして第1ターンが終了だ。
薩摩軍は鹿児島、宮崎、人吉、小倉の重要スペースを占領しているので、5点
政府軍は博多、大分、久留米、長崎、熊本、熊本城を占領しているので、6点
6-5=1なので、薩摩軍の士気は6=>5になる。
■第2ターン(1877/03)
薩摩軍はカード005「桐野利秋」を使い、三番大隊を甲佐に移動させて、ダイスを振り1だったので活性化させて熊本の守備隊を攻撃する。
薩摩軍三番大隊の戦闘力は4 ダイスは6 与えた損害5
政府軍守備隊の戦闘力は1 ダイスは3 与えた損害2
薩摩軍の勝利
薩摩軍三番大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
守備隊の耐久値は1なので壊滅した。
薩摩軍三番大隊が熊本に戦闘後前進した。
「薩摩軍が熊本占領!!」の報は東京にも伝わった。
政府軍はカード003「征討令」を使い、第四旅団を本州に移す。
薩摩軍はカード002「準備」の作戦値1を使い、薩軍大隊を左敷から五木に動かし、宇土に政府軍第二旅団と第13連隊を補給切れに追い込もうとする。
政府軍はカード002「準備」の作戦値1を使い宇土から熊本を攻撃する。
政府軍第二旅団と第13連隊の戦闘力は5 ダイスは2 与えた損害2
薩摩軍三番大隊の戦闘力は4 ダイスは3 与えた損害2
損害が同点なので防御側の薩摩軍の勝利
政府軍第13連隊の耐久値は2なので裏にした。
薩摩軍三番大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
薩摩軍はカード001「準備」の作戦値1を使い、小林にいる五番大隊を五木に移動する。
政府軍はカード007「補充」の作戦値2を使い、宇土から熊本と本州から小倉を攻撃する。
政府軍第二旅団と第13連隊の戦闘力は4 ダイスは5 与えた損害4
薩摩軍三番大隊の戦闘力は4 ダイスは1 与えた損害1
政府軍の勝利
政府軍第13連隊の耐久値は2なので損害なしだ。
薩摩軍三番大隊の耐久値は3なので薩摩大隊ユニットに変更する。残った耐久値が2なので裏にする。
政府軍第四旅団と政府軍旅団の戦闘力は5=>左1シフト=>3 ダイスは5 与えた損害3
薩摩軍上陸部隊の戦闘力は2 ダイスは6 与えた損害3
与えた損害が同点のため防御側の薩摩軍の勝利
政府軍旅団の耐久値は2なので裏返す。
薩摩軍上陸部隊の耐久値は2なので壊滅した。
政府軍第四旅団が小倉を奪還した!!
大久保利通の眉間のしわが少し緩んだ。
薩摩軍はカード004「篠原国幹」の作戦値1を使い、五木の五番大隊を、増援のため熊本へ移動させる。
政府軍はカード004「大久保利通」の作戦値3を使い、本州の政府軍旅団を小倉に移動させ、宇土から五木を攻撃し、久留米から佐賀を攻撃する。
政府軍第一旅団と政府軍第14連隊の戦闘力は4 ダイスは6 与えた損害5
薩摩軍佐賀隊の戦闘力は2 ダイスは1 与えた損害0
政府軍の勝利
政府軍旅団の耐久値は2なので損害なし。
薩摩軍佐賀隊の耐久値は2なので裏にするが、裏の耐久力も2なので壊滅した。
政府軍第14連隊が佐賀に戦闘後前進して佐賀を占領した。
政府軍第二旅団と政府軍第13連隊の戦闘力は4 ダイスは5 与えた損害4
薩摩軍薩軍大隊の戦闘力は2 ダイスは1 与えた損害0
政府軍の勝利
政府軍第13連隊の耐久値は2なので損害なし。
薩摩軍薩軍大隊の耐久値は2なので裏にするが、裏の耐久力も2なので壊滅した。
政府軍第13連隊が五木に戦闘後前進して連絡線を確保した。
両軍ともカードがなくなったため、第2ターンが終了した。
薩摩軍は鹿児島、宮崎、人吉、熊本の重要スペースを占領しているので、5点
政府軍は小倉、博多、大分、久留米、長崎、熊本城を占領しているので、6点
6-5=1なので、薩摩軍の士気は5=>4になる!!
薩摩軍は熊本を占領して健闘している。宇土の政府軍第二旅団を全滅させることができなかったのは残念だった。小倉を奪還されたのも残念だが、次は熊本城を攻略して前進したいところだ。
政府軍としては、小倉と熊本を奪われ、宇土で第二旅団が包囲された時は冷や汗が出たが、小倉を奪還し、宇土の包囲を解いてホッとした。
次は戦力を集めて反撃に出たい。
■第3ターン(1877/04)
薩摩軍はカード008「党薩隊」の作戦値1を使い人吉から五木を攻撃する。
薩摩軍四番大隊の戦闘力は4 ダイスは4 与えた損害3
政府軍第13連隊の戦闘力は1 ダイスは4 与えた損害1
薩摩軍の勝利
薩摩軍四番大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
政府軍第13連隊の耐久値は2なので壊滅した。
薩摩軍四番大隊が五木に戦闘後前進して五木を占領した。宇土の政府軍第二旅団が包囲された。
政府軍はカード008「民間商船」を使い、宇土から佐伯に、包囲されていた第二旅団を移動させた。
宇土で包囲された第二旅団を民間商船によって脱出させたこの作戦は、後に「日本のダンケルク作戦」とか「西南戦争のキスカ島脱出作戦」と呼ばれる奇跡の大脱出作戦だった。しかも武器を捨てずに脱出した奇跡の脱出作戦だった。
薩摩軍はカード003「大山綱良」の作戦値1を使い、熊本の薩軍大隊を南関に移動させた。
政府軍はカード001「準備」の作戦値1を使い、佐伯の第二旅団が竹田を攻撃する。
政府軍第二旅団の戦闘力は3 ダイスは1 与えた損害0
薩摩軍報国隊の戦闘力は2 ダイスは5 与えた損害2
薩摩軍の勝利
薩摩軍報国隊の耐久値は2なので損害なしだ。
政府軍第二旅団の耐久値は2なので政府軍旅団(2-2-2)にユニットを変更した。
薩摩軍はカード007「党薩隊」を使用し延岡に延岡隊を登場させた。
政府軍はカード006「川村純義」の作戦値2を使用し、小倉の第四旅団を飯塚に移動させた。
薩摩軍はカード006「強襲上陸」の作戦値2を使用し、左敷の一番大隊を宇土を通して熊本に進め、五木の四番大隊を山鹿に進めた。
政府軍はカード005「谷干城」の作戦値2を使用し、飯塚の第四旅団を久留米へ移動させ、佐伯の政府軍旅団に竹田を攻撃させる。
政府軍旅団の戦闘力は2 ダイスは3 与えた損害1
薩摩軍報国隊の戦闘力は2 ダイスは5 与えた損害2
薩摩軍の勝利
政府軍旅団の耐久値は2なので裏にする。
薩摩軍報国隊の耐久値は2なので損害なしだ。
薩摩軍は鹿児島、宮崎、人吉、熊本の重要スペースを占領しているので、5点
政府軍は小倉、博多、大分、久留米、長崎、熊本城を占領しているので、6点
6-5=1なので、薩摩軍の士気は4=>3になる!!
■第4ターン(1877/05)
薩摩軍はカード008「党薩隊」の作戦値1を使い、熊本城を攻撃する。
薩摩軍一番大隊と五番大隊の戦闘力は8=>2シフト左=>3 ダイスは6 与えた損害4
政府軍城守備隊の戦闘力は2=>2シフト右=>4 ダイスは2 与えた損害2
薩摩軍の勝利
薩摩軍一番大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
政府軍城守備隊の耐久値は3なので裏にする。
政府軍はカード001「準備」の作戦値1を使って久留米から南関を攻撃する。
政府軍第一、第四旅団の戦闘力は6 ダイスは6 与えた損害6
薩軍大隊の戦闘力は1 ダイスは2 与えた損害0
政府軍の勝利
政府軍第一旅団の耐久値は2なので損害なし。
薩軍大隊の耐久値は2なので壊滅だ。
政府軍第四旅団が南関に前進する。
薩摩軍はカード005「桐野利秋」を使い、山鹿の四番大隊を植木に移動させてサイコロを振り5なのでそのまま攻撃する。
薩軍四番大隊の戦闘力は4=>左へ1シフト=>3 ダイスは5 与えた損害3
政府軍第四旅団の戦闘力は3 ダイスは4 与えた損害2
薩摩軍の勝利
薩軍大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
政府軍第四旅団の耐久値は2なので政府軍旅団ユニットに変更する。
政府軍はカード004「大久保利通」を使用しカード011「抜刀隊」とカード014「黒田清隆」を購入した。
薩摩軍はカード007「党薩隊」を使用し中津に中津隊を登場させた。
政府軍はカード011「抜刀隊」を使用し植木を攻撃する。
政府軍旅団の戦闘力は3=>左へ1シフト=>2 ダイスは6+1=7 与えた損害3
薩軍四番大隊の戦闘力は4 ダイスは2 与えた損害2
政府軍の勝利
政府軍旅団の耐久値は2なので裏にする。
薩摩軍はカード006「強襲上陸」の作戦値2を使用し、熊本城の攻撃と植木から南関を攻撃する。
薩軍一番大隊、五番大隊の戦闘力は8=>左へ2シフト=>3 ダイスは2 与えた損害1
政府軍城守備隊の戦闘力は1=>右へ2シフト=>3 ダイスは3 与えた損害2
政府軍の勝利
薩軍大隊の耐久値は3なので損害なしだ。
政府軍城守備隊の耐久値は3なので損害なしだ。
薩軍大隊の戦闘力は2=>左へ1シフト=>1 ダイスは2 与えた損害0
政府軍旅団の戦闘力は1 ダイスは6 与えた損害2
政府軍の勝利
薩軍大隊の耐久値は2なので裏になる。
政府軍旅団の耐久値は2なので損害なしだ。
政府軍はカード014「黒田清隆」を使い、博多から宮崎を攻略する。
薩摩軍はカードがない。
政府軍はカード008「民間商船」の作戦値2を使用し、第一旅団を南関に、第14連隊を佐賀から久留米に移動させた。
薩摩軍はカードがない。
政府軍はカード005「谷干城」の作戦値2を使用し、南関から植木を攻撃する。
政府軍旅団の戦闘力は4=>左へ1シフト=>3 ダイスは5 与えた損害3
薩軍大隊の戦闘力は1 ダイスは4 与えた損害1
政府軍の勝利
政府軍旅団の耐久値は2なので損害なし
薩軍大隊の耐久値は2なので壊滅した。
第一旅団が田原坂を超えて植木に戦闘後前進した。
薩摩軍は鹿児島、人吉、熊本の重要スペースを占領しているので、4点
政府軍は小倉、博多、大分、久留米、長崎、熊本城、宮崎を占領しているので、7点
7-4=3なので、薩摩軍の士気は3=>0になった!!
■勝利条件の確認
薩摩軍の士気が0になったので、政府軍のサドンデス勝利だ!!
■感想
薩摩軍が熊本や小倉を急襲していい感じに攻め上っていると思ったが、宮崎を奪われてサドンデス負けとなった。
戦訓は、「このゲームでは重要スペースを空けてはいけない。たとえ1戦闘力のユニットでも配置しておくこと」だ。
政府軍がゲーム開始時点で既に重要スペースを7個保持しており、薩摩軍が4個(鹿児島は2個相当)しかないので、薩摩軍としては早いうちに政府軍の重要スペースを奪取して差を縮めないと、士気が落ちてしまいサドンデス負けを喫してしまうのだ。
だから薩摩軍は近くにある重要スペースを攻略しなければいけない。最も近いのは熊本だから、少しでも早く熊本を落とすべきだ。あとは今回、小倉を攻略したように、政府軍のスキをついて重要スペースを攻略するしかない。
熊本城を巡る攻防は史実を彷彿とさせるものがあって面白かった。
このゲームの勝利条件だと西郷隆盛が鹿児島で城山にこもって最期を迎える場面は再現できないだろう。その前にゲームが終了するからだ。
しかし、西南戦争の雰囲気をうまく再現した好ゲームだと思う。
作戦上の目的地があちこちあるし、後方にも気をつけないといけない。
手持ちカードの内容によって自由に動けないもどかしさがある。
このゲームで薩摩軍が勝利を得るのはなかなか難しそうに感じた。
本誌のリプレイ記事でも薩摩軍は2度負けている。
だからこそ薩摩軍で勝てれば喜びが大きいだろう。