Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

コマンドマガジン第81号(2008/06/20)


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『コマンドマガジン』第81号(2008/06/20)を入手して読んでみた。

付録ゲームは『パットン第3軍』(Patton's 3rd Army)だ。

Strategy & Tactics誌第78号、SPI社とHJ社からボックスゲームで発売されたので、これで4回目の発売になる。

ゲームの紹介はこちらだ。

haruichiban0707.hatenablog.com

 

今回は、マップやユニットのデザインが一新された。

下の写真の上部がHJ社版。下部がコマンドマガジン版。

ヘクスのサイズが大きくなった。

一辺11.5mmが13mm弱。

ヘクスの対辺距離が19mmから21mm。

僅か2mm弱だが随分大きくなった。

マップの色合いもかなり変わった。

HJ版だと春のような鮮やかな緑の森が、コマンドマガジン版は、霧の中や雪混じりのような森になっている。バルジの戦い直前だから、コマンドマガジン版の色合いが正解だろう。
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ユニットは上がHJ版で下がコマンドマガジン版。

ヘクスは大きくなったがユニットサイズは変わらず、12mmだ。

軍団名に色がつき、同一師団効果がないユニットは白い横帯がついた。

戦車大隊は表面は、従来通りだが、裏面にその部隊が使っていた戦車のイラストが描かれており、雰囲気が出ている。

砲兵旅団の裏面はFIREDと赤文字が書かれておりわかりやすい。
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ちなみにアメリカ軍第12軍団の戦車大隊の面々がこちら。

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第20軍団の強面たちはこちら。


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ドイツ軍装甲大隊の面々はこちら。

IV号戦車はちゃんと防弾板を側面につけているイラストでとても凝っていていい。
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戦力チットは、用語が変わり、士気水準値が練度に、兵員充足度が員数になった。

言葉が変わっただけでルールは同じだ。チットのデザインはフォントが大きくなり見やすくなった。

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ゲームターンマーカーはアメリカ軍プレイヤーターンとドイツ軍プレイヤーターンがわかるようになり、かなりカッコいい!f:id:Haruichiban0707:20220430135713j:image
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泥濘マーカーは4ターン続くので4枚になったのがいい。

補給切れ/孤立マーカーもデザインがいい。

HJ版になかったのが突破退却マーカー。f:id:Haruichiban0707:20220430140000j:image

 

コマンドマガジン版では補給残量に名称が変わった支援ポイントマーカーもカッコいいデザインになった。

以前はなかったが欲しかったマーカーが、重爆攻撃、師団休憩、航空支援ポイントマーカー。

特に航空支援ポイントマーカーは、機種のデザインも異なりカッコいい。f:id:Haruichiban0707:20220430141210j:image

マップ上にターン記録表やアメリカ軍補給残量トラックや戦闘結果表や地形ごとの移動力が載ったのはいい。

残念なのはターン記録表が小さく、航空支援ポイントの記載がないことと、天候判定表に凡例がないことくらいた。

 

 

p.10 メッツの鉄人 付録ゲーム『パットン第3軍』リプレイ 豆田一智 

豆田一智氏がアメリカ軍、ドイツ軍を富田秀明氏が担当。

とても参考になるリプレイだ。前半、だいぶ米軍有利だったが、後半、ドイツ軍が持ち直し、米軍辛勝。このゲームでのドイツ軍による防衛線の作り方はよくわかっていなかったのだが、このリプレイを見てよくわかった。

どのゲームでもそうだが、他の人の戦い方はとても参考になる。

p.18 知られざる戦場:メッツ1944 81号付録ゲーム『パットン第3軍』歴史記事 山内克介

『パットン第3軍』が再現した戦いはマーケット・ガーデン作戦やバルジの戦いの狭間にあって全く目立たない戦いで、名前もついていない。そのためあまり背景がわからない戦いだ。かつて『タクテクス』(TACTICS)誌第36号第37号に載ったくらいだ。その時は、戦況図が小さくてわかりにくかった。本記事では、ゲームのマップを使っての戦況図、ゲームのターンに沿った記事になっており、とてもいい。

p.22 ユニットよもやま話 パットン第3軍参戦部隊列伝 生駒望人

ウォーゲームのユニットは、海戦ゲームだと1艦ごとに来歴や歴史がわかりやすいが、陸戦もののユニットにもそれぞれの歴史と背景があり、戦った人達の人生があったはずだ。この連載は、そんなユニットたちの様々な話を集めていてとても興味深い。

単なる厚紙で、数値と兵科記号だけのユニットが、生き生きとした人間味を増してくる。

p.38 近未来軍事シミュレーション Coming War in ASIA 『中共の暴走・中国・台湾紛争』 髙貫布士

14年前の記事ではあるが、2022年現在読んでもけっして古くないどころか、ますます現実味を帯びている。現実にならなければいいのだが・・・。

p.42 日本の戦歴~大陸編~ 第19回張鼓峰事件 堀場亙

たった2ページで張鼓峰事件の地図と戦闘序列と経緯がわかりやすく解説されている。

ゲーム化にあたってのポイントも書いてあるがゲーム化されたのだろうか?

p.44 地中海戦史 第26回メルキュール作戦の発動 八木田和男

この連載はとても面白いしよく続いている。この号では、ドイツによるクレタ島侵攻作戦がテーマだ。経緯がよくわかる。戦況図がもっとあるとよかった。

 

P.4 NEW COMERS

Heart of Battle(HOB)の『Operation Merkur』はクレタ島降下作戦のASLモジュールだ。ASLはいずれやってみたいと思っているが、こういうシナリオ集もあるとわかるとますますやってみたくなった。

 

Multi-man Publishinの『Devil's Cauldron』は、マーケット・ガーデン作戦のアルンヘムとナイメヘンを中隊規模で再現したビッグゲーム。Grand Tactical Seriesの第1作目だ。

プレイしてみたい気持ち半分、手を出すと大変で手を出すべきではない気持ち半分だ。

 

p.51 Information 東部戦線キャンペーンゲーム『大祖国戦争』(Russia Beseiged)

アバロンヒル社の名作『ロシアン・キャンペーン』(The Russian Campaign)以来の独ソ戦キャンペーンゲームだ。ターンシークエンスが載っているが、長くて大変そうだが、いずれはプレイしてみたい一作だ。

 

p.72 新・茶せんマゲ戦記 最終回:『織田軍記』と・・・・ 

読んだことなかったが最終回。笑ってしまったのが、「世界最小ゲーム!!!『戦略級:桶狭間の戦い』だ。マップとユニットと戦闘結果表が載っている。アバロンヒル社の『第三帝国』(Third reich)のスケールで桶狭間の戦いを再現したものだ。そのため、尾張三河で2ヘクスしかない。ユニットもそれぞれ1個で、戦力が織田軍3、今川軍25。

そりゃそうだが、やはり笑ってしまった。