Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『スコード・リーダー・クイズ』研究 「シナリオ1 ヘクスI7の戦略」 AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)


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『スコード・リーダー・クイズ』は『ジェネラル』(The General)誌に掲載され、『タクテクス』(TACTICS)誌に不定期で翻訳が掲載された。

 

今回は、『タクテクス』(TACtICS)第28号の記事を読みながら、改めて、盤上に並べてみた。

haruichiban0707.hatenablog.com

 

シナリオ1 ヘクスI7の戦略

■状況

第1ターンのソ連軍プレイヤーターンが終わり、ドイツ軍プレイヤーターンの回復期が終了した時点

 

■質問

I7のユニット(LMG 1挺を除く)を1つの射撃グループとする準備射撃をするのに賛成か?Yesなら目標ヘクスはどこか?

 

■回答

100 Yes 目標ヘクスH3

  80  Yes 目標ヘクスM5

  60   No  

  40   Yes 目標ヘクスJ2

 

■Dave Quigley氏の意見

G6, K4に配置しない。

G6はG4からの射撃で16火力+1で83%の確率で士気チェックの結果を引き起こす。

彼の意見は、F6に指揮官、分隊、LMGを集中する。J4に3個分隊のLMG2挺をスタックさせる。

I7からJ2へ、J4からJ2へ射撃する。

L6, M7, M9からN5へ射撃する。

(私の感想)

配置については同意見だが、J2への射撃は賛同しかねる。脅威の度合いがH3の方がずっと大きいからだ。

 

■C.D.Reeve氏やRobert Moesignger氏の意見

ヘクスH3を射撃する(赤矢印)とともにI7のスタックをH6に突撃させ(青矢印)、最終的にG6のLMGを再利用する。

ソ連軍1指揮官と36火力

ドイツ軍2指揮官と34火力で互角になる。

(私の感想)

I7からF5の建物へ移動させるのは、親衛赤軍とF5で決戦することを意味する。

がっぷり戦うとドイツ軍は2火力とはいえ不利だから、ソ連軍親衛赤軍の戦力が減ったら実施する作戦だと思う。

 

ビル・ナイチンゲール氏のコメント

もしF6にドイツ軍がユニットを隠すなら、J4に3個分隊とLMGを配置する。F6に配置するとK5の建物へのソ連軍の圧力が増すからだ。f:id:Haruichiban0707:20220724185659j:image

ビル・ナイチンゲール氏はG6(赤丸)H5(青丸)に分隊とLMGを配置することで1ターンはソ連軍を遅滞させることができると言う。

(私の感想)

G6, H5にユニットを置く効果は確かにそうだが、犠牲になるのがわかっていて配置するのは少し抵抗がある。

 

■Craig Roth氏の意見

I7からの射撃を6火力でH3(赤矢印)、12火力でM5(青矢印)を射撃する。

(私の感想)

16火力(±0)でH3で士気チェックの確率は55.2%。

KIAの可能性は8.3%

6火力(+2)でH3で士気チェックの確率は10.5%。KIAの可能性は0%

12火力(+1)でM5は34.7%。KIAの可能性は2.8%

これは迷うところだが、ビル・ナイチンゲール氏が言うとおり、火力を分けない方が私もいいと思う。

 

■Tim Brown氏の意見

Noと答えている。

I7の建物は主要な石造建物に照準線がひけるし、M9からHMGを移動させて火力を上げることが容易にできる。

そのため、F5の建物へ増援を送り、F5の建物の奪取を少しでも遅らせるべきだ、というのだ。

ビル・ナイチンゲール氏はその移動をするにはM5の建物からのG7への射撃12火力(-2)に平然と立ち向かう度胸に賛辞を送る、と言っている。

(私の感想)

75.1%の確率で士気チェックを引き起こすし、27.8%の確率でKIAになるので、私にはその度胸はない。

 

■Felix D'Albor氏の意見

I7からはH3,J2,M5の目標が考えられるが、最も脅威なのがH3である。だからH3を射撃する。

次の脅威がM5だが、L6,M7,K4から射撃する。

K4のユニットはM5を射撃したり、J2からの射撃を引きつけたり、N4の戦闘不能分隊の回復を遅らせたりできる。

(私の感想)

H3,J2,M5の目標からH3を選ぶ理由は同意見。

K4 に配置するアイデアの根拠がよくわかった。

 

■Larrx Shelton氏やCarl McGlone氏の意見

H3,J2,M5の目標が考えられるが、M5を射撃する。その建物を奪取するためだ。

(私の感想)

ビル・ナイチンゲール氏が「果たしてドイツ軍には親衛赤軍以外を射撃する余裕があるだろうか。」と書いているが同意見。

 

いろいろな意見と根拠を読むと、それぞれの利点、欠点がわかり、興味深い。

Felix D'Albor氏の作戦を試してみたくなった。