Advanced Squad Leader(ASL)の『Beyond Valor』のシナリオ2「MILA 18」をプレイしてみる。
A grove of ASLには、シナリオの日本語訳がある。
日付は、1943年1月18日。場所は、ポーランドのワルシャワだ。
ワルシャワにおけるレジスタンス(ZOB)対ドイツSS部隊の戦いだ。
勝利条件は、ドイツ軍は、ゲーム終了時(9ターン)に、CVP(A26.22)をZOBプレイヤーの最低 2 倍(最低 10ポイント)獲得することで勝利する。
または、ZOB より多くのCVPを失うことなくL列とY列間にある33個の建物のうち27個を(勝利条件の勘定のためには、各連続住宅(Row house)ヘクスは別の建物とみなす)、 ドイツ軍が掃討(A12.153)した場合、勝利する。ドイツ軍は勝利条件の建物占領のために、掃討手順を実行しなけれ ばならない。
地図盤20だけを使用する。
シナリオの結末は、最初に戦ったEmilia Landau(女性)は、死んだドイツ軍将校からピストルを取ろうと屈んだときに撃たれて死亡した。ZOB部隊はほぼ全滅し、ZOB指揮官自身も負傷し、生存者数人とともに地下道を通って秘密の壕に逃げ込んだ。この後、ZOBは多勢に無勢、市街戦からゲリラ戦術に切り替えた。
果たして、今回はどうなるだろうか?
目次
- ■初期配置
- ■第1ターン(1943/01/18)
- ■第2ターン
- ■第3ターン
- ■第4ターン
- ■第5ターン
- ■第6ターン
- ■第7ターン
- ■第8ターン
- ■第9ターン(最終ターン)
- ■勝利条件の確認
- ■感想
■初期配置
シナリオカードを見たときにびっくりした。イスラエルのマークがあったからだ。
シナリオを読むとワルシャワのゲットーでの戦いを再現しているので、ユダヤ人パルチザンをイスラエルのマークで表したのだった。
初期隠匿配置を使ったので盤面には何もない。
水色のマーカーは表面がその建物をZOBが、裏面がその建物をドイツ軍SSがせんりょしたことを、示している。
実際にはこのように配置した。
■第1ターン(1943/01/18)
ドイツ軍SS部隊が入ってきた。
「F9には誰もいません」
「H6にもいません!」
「F5にも誰もいない」
「G3にも誰もいない」
指揮官のUrban中尉(9-1)はいぶかしげにつぶやいた。「今日はいつもと違うぞ。何かが変だ。」
「ドイツ野郎どもが来たぞ。」
「もっと引きつけるまで待つんだ。」とAnielewiczが部下たちを制止する。
ドイツ軍は建物に射撃をして中にパルチザン達が潜んでいないか調べて回る。
■第2ターン
ドイツ軍は大胆に移動する。
街は不気味なほどに静まりかえっている。
すると、突然、M6からK6のUrban中尉の部隊に対して、銃声が響いた。
1個分隊が釘付け。
1個分隊がクラス上昇して戦意高揚した。
「おのれ。あのパルチザンどもを始末してやる。」戦意高揚したC分隊の面々が叫ぶ。
「M10, N9にも敵はいなさそうだ。」
■第3ターン
M10,N9,M1を掃討してドイツ軍が確保した。
N5を掃討したところパルチザンらしき姿を発見した。
N2に向かったLinden軍曹の部隊にN3,O3から臨機射撃だ。
不意を打たれたLinden軍曹と1個分隊が混乱状態になった。
O9に進んだSchmidt軍と1個分隊にP9から射撃だ。
N6に進んだMetzler軍曹をN5のパルチザンが射撃する。Metzler軍曹が混乱状態になったが2個分隊は健在だ。
N4で連続臨機射撃を浴びたドイツ軍1個分隊が混乱状態になった。
ドイツ軍のN5, P9への射撃は効果なし。
N4で混乱状態になったドイツ軍1個分隊壊滅。
P9の白兵戦
ドイツ軍6-3→2-1
パルチザン3-6→1-2
ダイスはドイツ軍7パルチザン7
N5の白兵戦
ドイツ軍18-3→6-1
パルチザン3-6→1-2
ダイスはドイツ軍6パルチザン3
ドイツ軍1個分隊壊滅
相撃ちになった!!
ドイツ軍は3個の建物を掃討完了した。
パルチザンのAnielewiczは本部に向かって逃走した。
ドイツ軍はL6の建物をほぼ制圧した。
■第4ターン
M1で混乱状態を脱したLinden中尉と1個分隊は「M3からQ2にかけての連続住宅は手強いぞ。今回はしてやられたが十倍にして仕返ししてやる。」と闘志を燃やす。
Metzler軍曹も混乱状態を脱した。「パルチザンの虫けらどもめ。目にものを見せてやる」と復讐心に燃えるのだった。
北ではドイツ軍が前進する。
ドイツ軍は7個の建物を掃討完了した。
■第5ターン
O4でMetzler軍曹と1個分隊が混乱状態になった。
R9からS9に入ろうとした6-5-8SS A分隊がパルチザンL分隊の一斉射撃を受けて壊滅した。
P2の白兵戦
ドイツ軍6-3→2-1
パルチザン3-6→1-2
ダイスはドイツ軍8パルチザン7
混戦状態になった。
Anielewiczは北に向かう。司令官Zaitsevには「本部から敵の攻撃をそらすために私が北に行って戦います。」と言って飛び出していった。
P2の白兵戦
パルチザン3-6→1-2
ドイツ軍6-3→2-1
ダイスはパルチザン10ドイツ軍7
パルチザンは4個分隊を失ったがドイツ軍も3個分隊失った。ポイントではパルチザン45点、ドイツ軍24点だ。残ったパルチザン分隊を全滅させても66点だからドイツ軍がパルチザンの二倍のポイントを得る可能性がない。
あとは建物を27個確保することだが、掃討しなければいけないので時間との戦いだ。
ドイツ軍はまだ8個の建物しか掃討完了していない。
■第6ターン
ドイツ軍が北から建物の掃討を狙って移動する。
パルチザン本部では司令官Zaitsevに「撃ちますか?」とパルチザンがきく。
Zaitsevは黙ったままだ。「Anielewiczが敵を引きつけているはずだから本部は大丈夫だ。」心の中で彼は呟いた。
U8の白兵戦
ドイツ軍6-1
パルチザン1-6
ダイスはドイツ軍6パルチザン10
W9の白兵戦
ドイツ軍6-3→2-1
パルチザン3-6→1-2
ダイスはドイツ軍6パルチザン7
建物は18個確保した。
1個1個掃討していくだけだ。
パルチザンがY8を移動したところをドイツ軍が射撃した。どうやら手配書にあるAnielewiczのようだ。
彼は北のパルチザンが全滅したことを本部に伝えようとして危険をかえりみず走ったのだ。
Y6でSS D分隊の一斉射撃で彼は倒れた。
そして二度と立ち上がることはなかった。
パルチザン本部の奥深くでZaitsev司令官は遠くで聞こえていた射撃音が聞こえなくなったのに気づいた。
彼は迷っていた。生き残るために行方をくらませるか、このまま戦うか。
ゲームとしては最後の一兵まで戦うのだろうが、Zaitsev司令官は生き延びることを選んだ。
書類や暗号機を持って逃走した。
■第7ターン
ドイツ軍は建物を一つ一つ占領していく。
U3に入ろうとしたが入れない。どうやらここが本部らしい。
■第8ターン
ドイツ軍はパルチザン本部のある建物以外を掃討した。
しかし司令官のZaitsevは取り逃がした。Zaitsevは自身が生き残ったこと、Anielewiczが勇敢に戦って死んだこと、そしてポーランドのために戦うように国民を鼓舞した。
■第9ターン(最終ターン)
なし
■勝利条件の確認
ドイツ軍がパルチザン本部のある建物以を確保したので勝利!!
■感想
地図盤1枚だけ使いユニット数も少ないシナリオだが、面白いシチュエーションを切り取ったユニークなシナリオだ。
勝利条件の2個目の建物の掃討ルールが実はよくわからなかった。
複数ヘクス/複数レベルの建物とあるが、1ヘクスの建物は掃討するのか?二階と一階は同時に掃討できるのか?1ユニットは同時に何ヘクス掃討できるのか?
今回はそのヘクスを占領したら掃討が完了したものとした。
掃討のルール解釈次第で展開は変わるだろう。
ASLの可能性の大きさ、物語性を感じさせてくれるユニークなシナリオだった。