2022年7月4日のに投稿した、『SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)のルールの疑問点』について、Twitterでつぶやいたら、思いのほか、コメントをいただいた。私のようなヘッポコ出戻りウォーゲーマーのつぶやきに思いのほか沢山の方からご意見いただき嬉しかった。
こちらが、その投稿だ。
haruichiban0707.hatenablog.com
その疑問点をもう一度とりあげ、今回いただいたコメントをもとに今の私の考えは次のとおりだ。
疑問その1 単縦陣での回頭
艦速5で下のように駆逐艦陽炎級、戦艦扶桑と山城の艦隊があったとする。
先頭の駆逐艦が1ヘクス進み回頭し2ヘクス進んだとする。
駆逐艦は回頭必要移動力表によると、5移動力で1ヘクスサイドの回頭に0移動力だからだ。
扶桑は戦艦なので、回頭必要移動力表によると、5移動力で1ヘクスサイドの回頭に1移動力使う。
すると次の写真のようになり、駆逐艦との間に1ヘクス間が開いてしまう。
問題は山城だ。
3移動力使うと、扶桑に衝突する可能性がある。
ルール5.52に、「各移動フェイズの移動ステップ終了時に、1ヘクス内に存在できる艦艇数は1隻だけである。各移動フェイズの衝突判定セグメントに、2隻以上の艦艇が1ヘクス内に存在している場合は衝突が起こる可能性がある。(14.6項参照)」とあるからだ。
単縦陣で艦隊運動していても衝突が発生するのだろうか?
サイコロの目が11か12なら衝突が発生する。
8.3%の確率とはいえ、この場合、衝突が発生すると大きい。
衝突を発生させないために3,4,5番艦は速度をあらかじめ落として4にしておくべきなのか?
そうすると速度が単縦陣内で変わってしまう。そうするとルール7.22の「単縦陣を組む全ての艦艇は連続したヘクスにおいて一列となり、旗艦と同じ艦速であれば、(以下略)」という条件に合致しなくなり、単縦陣でなくなってしまう。
私の考えは次の通りだ。
駆逐艦との間に距離ができるのは、5.49「回頭する場合、回頭に最低限必要な移動力(つまり回頭必要移動力表で導き出した数値)より多くの移動力を消費することも可能である。」とある。
つまり、この場合、駆逐艦は戦艦に合わせて1移動力使って回頭すればいいのだ。
この場合駆逐艦は砲雷撃ができなくなるが距離は開かない。
問題は山城が扶桑に追突する可能性があることだ。
これは当時の軍艦のハードウェア、艦隊運用技術ではそうなのだと思う。
戦記を見ていると、当時の軍艦はよく衝突している。
あるいは衝突しそうになっている。
慣性が働き、大きな船ほど、方向転換するまでに時間がかかる。
急に方向転換することはできないのだ。
乗組員の目とカンに頼るしかない当時の軍艦だと目の前の船の方向が変わったり、距離や速度を正確に計測できないから、衝突する可能性もあるだろう。
いただいたコメントの中に、次のようなものもあった。
torakun2754.hatenablog.com「この動き方は凄い!」と思った。よく見つけたものだと感心した。
私のアホな脳みそだと実際にユニットをこのように動かそうとすると、「あれ?こっちだっけ?あっちだったっけ?」と混乱しそうな気がする。
もう少し簡単だが、本ゲームのルールでも、衝突を回避する策はある。
まずはあまり長い単縦陣を作らない。
そして、先の例のように直進後移動するのではなく、必ず移動の一番最初に回頭するのだ。
「なぜ移動の最初に回頭したら衝突しなくて、直進後回頭すると衝突するのか?」という疑問がわきそうだが、移動の最初の場合、手旗信号か何かで、あらかじめどちらに曲がるか連絡済みなのだ、ということでいいと思う。何かルールを追加すると本ゲームのプレイアビリティの良さがなくなってしまう。
「移動が不自由で窮屈だ。もっと自由に海上を動き回りたい。」と思うだろうが、おそらく、こういった不自由さの中で当時は戦っていたと私は思う。
これらのことから、本ゲームでの艦隊運用については、以下の原則が導ける。
1.回頭能力が異なる艦種は原則艦隊を分ける
2.それでも艦隊組むなら、なるべく回頭しない
3.大型鑑同士の艦隊は追突しないよう回頭→直進の順で移動する (直進→回頭だと衝突の可能性あり)
同型艦同士で艦隊を組むのが基本なのは、そういうことだったのか、と納得できた。
疑問その2 回頭は左右両方に同時に実施できるか?
本ゲームのルール5.45には、「回頭タイプが3種類がある。艦首方向を1ヘクスサイド(60度)変える者、2ヘクスサイド(120度)変えるもの、そして3ヘクスサイド(180度)変えるものである。」とある。
ただそこには、左右の方向については記載がない。
それではこんなことはできるのだろうか?
1移動力使って1ヘクス直進する。
1移動力使って、右、左と2ヘクスサイド回頭する。
こうすると、移動力は扶桑と同じだし、扶桑との間に距離ができず、砲雷撃も可能だろう。
だが、当時の軍艦がこんな動きをしただろうか?したとは思えない。
単縦陣を組んでいたら、きっと前の艦の航跡をたどるように進んだろうから、速度を落とすために向きを変え、またすぐに戻したら、危険だろう。
ヘクスサイド(60度)か2ヘクスサイド(120度)か3ヘクスサイド(180度)は向きが違うときの角度の合計ではなく同一方向の角度だと思う。
私個人は疑問その2は、左右のヘクスサイドの合計ではなく、片側だけの回頭だと思う。
つまり、5.45の末尾に次の文を追加してルールの明確化をはかるのがいいと思う。
「なお、2ヘクスサイド(120°)や3ヘクスサイド(180°)の回頭は、同一ヘクスでは、同一方向に対してのみ行える。同一ヘクス内で右左と別方向に回頭できない。」
2移動フェイズにまたがって、1移動フェイズ目に右回頭で終わり、次の移動フェイズの最初で左回頭するのは防げないが、それを防ぐためにはその旨を記入シートに記載しないといけなくなる。
それは本ゲームのプレイアビリティを損なうと思う。
それにしても、Twitterで情報を流すと、いろいろなコメントいただけて、考えが深まるので、いいものだ、と改めて思った。
フォロワーが多くなると、いろいろ大変なコメントに対処しないといけなくなるようだが、私くらいフォロワーが少ないと逆に有益なコメントの方が多くて助かる。
コメントいただいた方にあらためて感謝する。