DeAGOSTINIの『栄光の日本海軍』の激闘録「第2次ソロモン海戦①」を読んでいたら、1942年8月22日未明に駆逐艦「江風」がルンガ泊地沖でアメリカ軍駆逐艦と戦闘になり「ブルー」を撃沈した、という主旨の記述があった。
海戦名など出ていない。
防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 大本営海軍部・聯合艦隊<3>昭和十八年二月まで』朝雲新聞社(昭和49年9月30日)で調べてみるとp.168に「二十二日〇二〇〇駆逐艦二隻を発見、一隻を砲雷撃して避退した。」とわずかに書いてある。
他にも史料がないか探してみたが、見つからなかった。
SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)でこの戦いを再現してみる。
だが、戦いが始まったときの状況や天候がわからない。
「江風」は、白露級を使う。アメリカ軍は「ブルー」「ヘンリー」でバグレイ級だが、兵装や排水量を見るとBenham級とそう変わらないので、Benham級を使う。
どんな感じでどんな態勢で戦いに入ったか史料が見当たらないので、日本軍はヘクス1004で方向4 速度4、アメリカ軍はヘクス0614とヘクス0615で方向1 速度3とする。
また地図盤南端はガダルカナル島があるので南端から外には出られないものとする。
日本軍の視認距離は12ヘクス、アメリカ軍の視認距離は8ヘクスとする。
アメリカ軍は日本軍を視認しなければ艦速変更や回頭不能とする。
勝利条件は、日本軍がアメリカ軍のうち1隻を4Wまたは4Pまたは沈没させると勝利。それ以外はアメリカ軍の勝利とする。
【0】初期配置
【1】第1ターン(1942/08/22 0200)
「江風」の砲撃が「ブルー」に命中した!!2Wだ。しかも電路切断になり以後砲撃不能になった!!
「江風」が「ブルー」に対して必殺の九三式酸素魚雷を発射し1本命中し2Pの損害た!!「ブルー」は最大速度が15ノット(3移動力)に落ちた。
「江風」の砲撃がまた「ブルー」に命中し2Wの損害を与えた。追加打撃で「操舵室命中」で火災が発生した。これで4Wに達したので日本軍の勝利だ。
少しあっけなかったので、勝利条件を変更し、日本軍はアメリカ軍の駆逐艦1隻を撃沈することを勝利条件にする。
「ブルー」の魚雷が「江風」に命中し、弾薬庫が浸水し缶室も浸水した。1W2Pの損害だ。
「ヘンリー」の魚雷も「江風」に命中したが不発だった。
【2】第2ターン(1942/08/22 0206)
「江風」はこのターンは航行不能だ。
「ヘンリー」の砲撃で「江風」の損害が2W2Pになった。
「江風」が「ブルー」を砲撃するが損害を与えられない。
「ブルー」はこのターンは回頭不能のため直進しかできない。「ヘンリー」は左に回頭して右の魚雷発射管を「江風」に向ける。
「ヘンリー」の魚雷が1本「江風」に命中した。
追加打撃が発生し弾薬庫浸水と電路切断だ!!
「江風」の損害は3W4Pになり航行不能に陥った。
【3】第3ターン(1942/08/22 0212)
「ブルー」は消火に成功した。
「ブルー」が右舷を「江風」に向け、魚雷を放つ。
8本の魚雷が航行不能の「江風」に吸い込まれていく。
「江風」に1本が命中し2Pの損害を与えた!!
「江風」の損害が3W5Pに達し、沈没した!!
【4】勝利条件の確認
■連合軍の損害
「ブルー」4W2P
■日本軍の損害
「江風」沈没
日本軍が先に「ブルー」を4Pにしたので日本軍の勝利
【11】感想
史実では「ブルー」が沈没寸前になり、最終的にアメリカ軍によって処分された。
今回、日本軍は先に「ブルー」に4Wの損害を与えたので勝利だった。
途中で勝利条件を変更してみたが、もとのままで良さそうだ。
日本軍に必殺の九三式酸素魚雷があるとはいえやはり1隻の駆逐艦で2隻を相手にするのは厳しいものがある。
こういう無名な戦いを見つけて自作シナリオを作ってみるのも興味深くて楽しいものだ。
どなたかこの海戦のいい史料を見つけたら教えてほしい。