サンセット・ゲームズ社『聯合艦隊』(Fleet Battles)用の自作シナリオを作成したことは、以前、本ブログに書いた。
https://haruichiban0707.hatenablog.com/entry/2023/07/05/190000
1942年2月19日から20日未明にかけてのバリ島沖海戦第1次合戦をテーマにしたものだ。
その後、下記リンク先に『戦史叢書』がデジタル化されていることを知った。
スキャンの質には少し問題があり、小さい文字がつぶれている。
ファイル形式がPDFではなく、JPEGなのが難点だ。
しかし、大東亜戦争について調べる時の重要な資料が、デジタル化されているのは嬉しいことだ。
第26巻『蘭印・ベンガル湾方面海軍進攻作戦』の318ページから342ページにかけてバリ島攻略戦とバリ島沖海戦について書いてある。特に328ページから342ページだ。
この情報を使って、シナリオを修正した。
『戦史叢書』で第1次合戦、第2次合戦・・・というように「合戦」という用語を使っているので、記載を合わせた。
『戦史叢書』にある図をもとに、それぞれの初期配置を変更した。
また、第2次合戦と第3次合戦、第4次合戦の2個のシナリオも追加した。
作成したシナリオをいったん、こちらに保存した。
興味のある方はご自由にダウンロードしてプレイしてみてください。
それにしても、ドールマン少将の「デ・ロイテル」と「ジャワ」は、何を考え、どこをどう通って離脱してしまったのだろう?
第一次ソロモン海戦の時の日本軍みたいに一航過だけにするつもりだったのか?
しかし戦いが始まったのは閃光や音でわかっただろうからその方角に向かうと思うのだが・・・。
オランダ語ができてオランダ側の戦史が読めれば、この謎は解明できるかもしれないが・・・。
『戦史叢書』の記載を見ると夜戦における混乱状態が伝わってくる。
街灯がなく月明かりしかなく、現代のようなGPSがない状況で敵艦がいるかどうかわからない中、艦を動かす困難さは想像を絶するものがある。
わずかな月明かりの下、盗賊が出る危険な場所という予備知識しかない土地勘のない所を、ヘッドライトを点灯せず(対向車も)、時速50kmで自動車を走らせると思えば、少しは想像できるだろうか。
この海戦でも、同じ艦を別な艦と勘違いしたり、先行する艦の航跡を見失い、艦隊がバラバラになったり、艦種誤認したり、敵艦を見失ったりしている。
これらをウォーゲームで忠実に再現しようとしたら、ブラインド・サーチシステムにして、ユニットもシルエットだけにし、視点を上からではなく、艦橋にしないといけないからボードゲームでは無理だろう。
正確なシミュレーションはコンピューターに任せてボード・ウォー・ゲームでは、ボード・ウォー・ゲームらしく、上空からの視点で、歴史に浸り、ゲームを楽しもう。