Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

久しぶりにオリジナルSquad Leaderシリーズ AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)トーナメントシナリオ「陸の巨獣」(Land Leviathans)バトルレポート(AAR) 



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最近、Advanced Squad Leader(ASL)ばかりプレイしていたので、久しぶりにオリジナルの『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズをプレイしたくなった。

 

選択したシナリオは、AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)で、

『タクテクス』(TACTICS)第13号(1984/01)に掲載されていたオリジンズ・トーナメント・シナリオをプレイしてみた。1982年(毎年夏に行われるアメリカ最大のコンベンション)のトーナメントの3回戦に使われたシナリオだ。

 

1941/07/03 リープキ

独ソ戦が始まってから約10日が経過した。

順調に進撃するドイツ軍の前にKVIIやT34が現れた!

 

勝利条件は7ターンまでに、ソ連軍が主砲が機能しているAFVを4輛、盤の西端から脱出させると勝利だ。

 

目次

  1. ■初期配置
  2. ■第1ターン(1941/07/03)
  3. ■第2ターン
  4. ■第3ターン
  5. ■勝利条件の確認
  6. ■感想

■初期配置

天候 晴天 強風 高湿度 

風向 南西から北東へ

ドイツ軍は地図盤3のI列より西に配置する。ソ連軍は3GG6から入ってくる。

 

タクテクス』(TACTICS)第14号(1984/3/1)の「オリジンズ・トーナメント・シナリオ分析 <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳」という記事によると、次のように配置するといいそうだ。

 

3I2に10-2指揮官、3個分隊、HMG

3I1に、9-1指揮官、3個分隊、対戦車銃2挺

3I8, 3G3,3F2,3H2にIII号戦車



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■第1ターン(1941/07/03)

ソ連軍はT26S2輌以外が移動できる。

 

ソ連軍はKVIIを中央に、南部にはT34とBT5を、北部にはT26SとBA32を展開させた。

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南部のT34とBT5によって南部のドイツ軍III号戦車を撃破した後北に回り込む戦術だ。

 

南部のドイツ軍III号戦車がT34に射撃したが弾丸は跳弾した。

 

ソ連軍の射撃はすべて外れた。

 

ドイツ軍III号戦車F号車の射撃は外れたが、E号車の射撃でソ連軍BA32撃破!!

 

ソ連軍T34の射撃でドイツ軍10-2戦車指揮官が乗ったIII号戦車が撃破された!!

 


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■第2ターン

無線機を装備していないソ連軍は、T34 1輌とT26S4輌しか動けない。

と思ったが129.52によると指揮車両の照準線内にありCE 状態(ハッチを開いた状態)の時は無線機非装備の制限を受けないとある。

 

指揮車両T34の照準線内にいてCE状態だったからBT5も移動可能だ。

 

ここで特別ルールについて疑問。T3.4に「一人用砲塔ルールがすべて適用される」とある。しかしT34やKVIIやT26SやBT5やBA32はいずれも一人用砲塔ではない。

これは性能表では一人用砲塔ではないが一人用砲塔ルールを使え、という意味だろうか?単に一人用砲塔の車両に一人用砲塔ルールを使え、というのか?

今回は性能表に従った。

 

後で、129.45にT34A,BA32は一人用砲塔とあった!!『戦闘指揮官』シリーズはあちこちにルールが散在しているのが難点だ。

 

ソ連軍BT5 C号車がドイツ軍III号戦車E号車を側面から射撃し撃破した!

 

ソ連軍T26S B号車の主砲が故障した。

 


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ドイツ軍の37mm砲ではソ連軍T26Sでも正面を撃ち抜くには360m(9ヘクス)で17%の確率しかない。

 

ソ連軍T34の主砲が故障した!!

ソ連軍BT5 C号車の主砲も故障した!!

 


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ソ連軍は1輌失い、残り9輌だが主砲が機能しているのは6輌。このうち4輌が脱出成功すれば勝利だ。
ドイツ軍は7輌の車両のうち2輌を失い残り5輌だ。

 


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ソ連軍BT5 C号車がドイツ軍III号戦車C号車により撃破され炎上した。

 


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■第3ターン

ソ連軍は2輌失い、残り8輌だが主砲が機能しているのは6輌。このうち4輌が脱出成功すれば勝利だ。
ドイツ軍は7輌の車両のうち2輌を失い残り5輌だ。

ソ連軍T26S B号車、T34の主砲が回復した。

 

炎上したBT5も鎮火した。

 

ソ連軍無線機非装備車両も含めて全車両が移動可能だ。

 

ドイツ軍IV号戦車B号車がBT5 A号車を撃破した。

 

ドイツ軍III号戦車F号車がKVIIを射撃し致命的命中だったが効果なし。

 

T26S D号車が過度の速度により走行不能に陥った。

 

ドイツ軍III号戦車C号車が80m(2ヘクス)の近距離射撃でソ連軍T34Aを撃破した。Kutsekov大尉(9-1)も車両と運命を共にした。

 

ドイツ軍IV号戦車A号車がソ連軍T26S E号車を撃破した。

 


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ソ連軍は5輌失い、残り5輌だ。主砲が機能しているのは5輌だが走行不能が1輌。残り全車両の4輌が脱出成功すれば勝利だ。
ドイツ軍は7輌の車両のうち2輌を失い残り5輌だ。

 

T26S D号車の走行不能の修理に失敗した。

 

ドイツ軍はソ連軍をあと1輌破壊すれば勝利だ。

 

ソ連軍KVIIがドイツ軍III号戦車F号車を撃破した。

しかし機関銃が故障した。

 

ドイツ軍戦車がKVIIの後ろに回り込む。


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ソ連軍T26S A号車がドイツ軍IV号戦車D号車を撃破した。

 


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ドイツ軍IV号戦車B号車がKVIIの背後40mから射撃し、KVIIを撃破した。

 

これで残ったソ連軍車両が3輌となり、ソ連軍の勝利の可能性はなくなった。

 

■勝利条件の確認

 

ソ連軍の残存車両が3輌となり、全車両を地図盤西端から脱出させても勝利条件を達成できないので、最終ターンを待たずにドイツ軍の勝利だ。

 

■感想

 

『タクテクス』(TACTICS)第14号(1984/3/1)の「オリジンズ・トーナメント・シナリオ分析 <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳」という記事の配置にしたのが効果を奏した。

 

ソ連軍による脱出方向の転換にも柔軟に配置換えできた。

 

ソ連軍は上記の記事に従わなかった。

 

ソ連軍は北ではなく、T34AとKVIIとともに南部から脱出を試みた方がよかったかもしれない。

 

久しぶりのオリジナルSquad Leaderシリーズだった。ASLもいいが、オリジナルもいいとあらためて思った。

 

ユニット数が少ない小さなシナリオだが、バランスがとれていて、いいシナリオだと思う。

 

次は、ソ連軍も上記の記事に従ってプレイしてみたい。

 

両軍とも車両の役割や配分や移動について頭を悩ませる佳作といっていいシナリオだと思う。