Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

史実通り日本軍完勝! SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)シナリオ10「ウォータータクシー 1942年9月4日 2258~2336」


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SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)シナリオ10「ウォータータクシー」をプレイしてみた。この戦いは名前がないようだ。

 

この戦いは、アメリカ軍は旧式駆逐艦を改造した高速輸送艦2隻、日本軍は駆逐艦3隻による夜戦である。

 

【0】初期配置


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【1】第1ターン(1942/09/04 2258)

「敵駆逐艦3隻右舷接近中!」輸送駆逐艦「リトル」艦長に報告が上がった。

「来たかぁ~。砲撃用意!!目標、敵一番艦!Fire~!」

輸送駆逐艦「リトル」の10.2cm砲4門が火を噴いた。

同時に「グレゴリー」の10.2cm砲4門も火を噴いた。

 

日本軍駆逐艦「夕立」はアメリカ軍の発砲炎を確認した。

「目標、先頭艦だ。距離は4,000m。撃て~!」

「夕立」の12.7cm砲5門が火を噴いた。

二番艦「初雪」もアメリカ軍先頭艦に向けて砲門を開いた。

「リトル」の砲塔に命中した!

「叢雲」の砲撃はアメリカ軍二番艦に向けられた。

「グレゴリー」の周囲に水柱が上がったが命中弾はなかったようだ。

「夕立」では「艦速30ノットに上げろ!」と館長の命令でエンジンの音がぐ~~んと上がった。

 

「リトル」と「グレゴリー」は煙幕を展張した。

「夕立」と「初雪」は前方の主砲でアメリカ軍一番艦を砲撃するが効果なしだ。

「叢雲」は二番艦を砲撃するが効果なしだ。

煙幕の効果だ。

「グレゴリー」の砲撃は日本軍の先頭艦「夕立」の周りに水柱を上げたが、効果なしだ。

 

「夕立」艦上では「敵の一番艦からの砲撃がないな。どうやらさっきの砲撃の効果で主砲を破壊したな。」と艦長がつぶやく。

 

「リトル」では艦長が「敵一番艦目標に魚雷発射!」と叫んだ。

魚雷が次々と海中に放たれていく。しかししばらくいくと命中もしないのに水柱をあげ日本艦まで届かなかった。

「何だあの魚雷は!?調整深度のミスか?」と艦長が叫ぶ。

「グレゴリー」の艦長も「敵二番艦に魚雷発射!!」と叫んだ。

しかし、その魚雷も海中に入り少し走ると何に当たったのか爆発し無意味な水柱を上げた。


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日本軍の保護水準値(PL)8

アメリカ軍のPL2

【2】第2ターン(1942/09/04 2304)

日本軍は右60度回頭しアメリカ軍と並走する。

「グレゴリー」の砲撃が「夕立」の近くに無駄に水柱を上げただけだった。

「敵の砲撃は下手くそだな。」と駆逐艦「夕立」艦長が話す。

「夕立」と「初雪」の砲撃がアメリカ軍先頭艦「リトル」に集中し命中弾を与えた!!

「叢雲」の砲撃は二番艦「グレゴリー」を狙う。煙幕の中でどんな損害を与えたかわからない。

その頃「グレゴリー」艦上では、数発の命中弾があり、4基の主砲要員もろとも吹き飛ばした。

「艦長。主砲が使えません。」と艦長に報告が上がった。

「グレゴリー」艦長は「リトル」艦長に「ワレ、主砲全滅。魚雷モ撃チ尽クシタ」と連絡した。「リトル」も同じだった。

「リトル」艦長は退却命令を出した。

 

ゲーム的にはここでアメリカ軍PLが0になったので日本軍の勝利確定だが、プレイを続ける。

 

日本軍はアメリカ軍の艦首方向に転針し魚雷を発射した!

「夕立」の発射した必殺の九三式酸素魚雷が「リトル」に吸い込まれていく。1本が右舷に命中した!

大音響と大爆発が起こり、「リトル」は真っ二つに割れて海面に沈んだ!

「初雪」の発射した魚雷は二番艦「グレゴリー」に突進していく。

2本の魚雷が命中した!!1200tの排水量しかない95.8mの「グレゴリー」の艦全体が地震のように震え、爆発音がとどろき渡った。

「缶室に浸水しました。航行不能です。」と「グレゴリー」艦橋に報告が入ってきた。

その直後、「グレゴリー」の船体が中央部から真っ二つに割れた!

アメリカ軍の二隻の駆逐艦は波間に沈んでいった。

大量の重油を浮かべていた。両艦合わせて300名の乗組員のうち無事に逃げられたのは何名だったのだろうか・・・

 



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「夕立」から聯合艦隊司令部に、「夕立、初雪、叢雲ガ敵駆逐艦二隻撃沈。ワレ被害ナシ。」と打電された。

 

日本軍PL8

米軍PL-20

 

【3】勝利条件の確認

■米軍の損害

高速輸送艦2隻沈没(リトル、グレゴリー)

■日本軍の損害

なし

 

■米軍の保護水準値-20

■日本軍の保護水準値8

 

日本軍の勝利

 

【7】感想

この海戦があったことはこのシナリオで知った。

この海戦については、探し方が甘いのか、防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書 大本営海軍部・聯合艦隊<3>昭和十八年二月まで』朝雲新聞社(昭和49年9月30日)でも見つけられなかった。

 

史実ではアメリカ軍は両艦ともに沈没したので、今回の結果は史実通り日本軍の完勝と言っていいだろう。

 

このシナリオのように名前がつけられてない戦いも沢山あるのだろう。

ほとんど知られていない艦艇とそこで戦った無名の戦士達が沢山いて、歴史を作っていったのだと改めて思った。