Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

連合軍にとってほぼ理想的な展開に! 『ドイツ戦車軍団 ダンケルク』バトル・レポート(AAR)第2弾

エポック社から1982年に発売され、ジャパン・ウォーゲーム・クラシックスとして国際通信社から再版された『ドイツ戦車軍団』は4個のゲームが同梱されている入門用ゲームだ。『エル・アラメイン』、『ダンケルク』、『ハリコフ攻防戦』、そして『コンパス作戦』だ。

今回は、『ダンケルク』のソロ・プレイのバトル・レポート(AAR)を書いてみた。

 

このゲームは1940年5月14日から25日までの、ドイツ軍によるベルギー、フランスへの電撃戦をシミュレートした入門用ゲームだ。ドイツ軍の勝利条件は、壊滅させた連合軍ユニットの戦闘力が35点を超えることだ。戦闘で壊滅させるほか、地図盤南と西への連絡路を断つことでも、壊滅させることができる。壊滅したドイツ軍ユニットの戦力は2倍してマイナスされる。連合軍は4ヶ所の港との連絡路があれば、1港あたり5戦力分イギリスへ脱出させることができ壊滅ユニットの対象から外れる。

ドイツ軍は連合軍をいかにうまく包囲するか、連合軍はいかに包囲されないかがカギとなる。

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初期配置

【1】1940/5/14-15(第1ターン)

初期配置では戦線に穴がないので突破できないため、ドイツ軍は突破口を見つけるために進撃して攻撃する。特に南部は戦力も小さいしユニット数も少ないので確実に勝利して突破口を開けておきたいところだ。

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ドイツ軍の進撃

ドイツ軍の攻撃で南部に大きな穴が開いた。しかし、このゲームでは、機械化部隊の第二移動がないので開いた穴から突破することができない。連合軍は開いた穴を塞ぎにかかる。

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南部に大きな穴が開いた

連合軍はナミュール、シャルルロア南を流れるサンブル川沿いに防衛線を敷こうとする。移動力が小さいので防衛線がなかなか張れない。

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連合軍はサンブル川沿いに防衛線を敷こうとする


【2】1940/5/16-17(第2ターン)
ドイツ軍はしゃにむに西へと進撃する。

南部では高地や森林や川があり、なかなか進撃できないが、フランス軍を蹴散らし、南部を進撃するドイツ軍を阻む連合軍ユニットが皆無になった。

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ドイツ軍はしゃにむに攻め込む

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南部のドイツ軍を阻む連合軍ユニットはいなくなった

連合軍は増援や移動力の大きいユニットで何とか防衛線を張る。

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連合軍の薄い防衛線

【3】1940/5/18-19(第3ターン)

ドイツ軍は連合軍の薄い防衛線にとにかく前進して攻撃を仕掛ける。連合軍は地形に助けられてかろうじて突破を許さない状況だ。

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ドイツ軍はとにかく前進し攻撃

連合軍の防衛線にぽっかり穴が開いた。

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ぽっかり穴が開いた

連合軍は開いた穴をとにかく塞ぐ。ユニットとユニットの間は、2ヘクス(24km)だが、このゲームはZOCに入ったら停止しなければならないから、なんとかドイツ軍の進撃を止められる。

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連合軍は開いた穴を塞ぐ

【4】1940/5/20-21(第4ターン)

ドイツ軍は前進して激しく攻撃を続ける。

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ドイツ軍の激しい前進と攻撃

連合軍の防衛線にまた穴が開いた。さすがに今回は穴を塞げないか・・・。

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連合軍の防衛線にまた穴が開いた

連合軍は2-6の第4機甲師団で穴を塞ぐ。第4歩兵軍団を動かし、2ヘクス(24km)間隔で防衛線を張る。連合軍は北部では攻勢をかけ、ドイツ軍第二歩兵軍団(3-4)を壊滅させた。

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連合軍の2ヘクス間隔の薄い防衛線

【5】1940/5/22-23(第5ターン)

薄い防衛線だが、ドイツ軍に突破を許さない連合軍。ドイツ軍の方に焦りが生じてきた。あと4日間(2ターン)で突破し包囲しないと勝利がない。ドイツ軍は全戦線に渡って攻勢をかける。連合軍は壊滅しないでかろうじて混乱状態で残った。混乱状態のため、移動も戦闘もできない。増援軍も足が届かない。今回ばかりは戦線に穴が開き、最終ターンにドイツ戦車軍団が連合軍を包囲できる態勢が整った。

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ドイツ軍の激しい攻撃

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連合軍残ったが混乱状態のため戦線を張れない

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ドイツ軍の最終ターンに突破包囲の可能性が出てきた

【6】1940/5/24-25(第6ターン)

ドイツ戦車軍団がとうとう連合軍を包囲した。しかし、港が5港残っているので、25戦力分はイギリスに脱出できる。なるべく戦闘で撃破して勝利得点を少しでも上げないとドイツ軍の勝利はない。戦闘の結果は、かんばしいものではなかった。ドイツ軍の勝利はなくなったようだ・・・。

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最終ターンにドイツ軍が包囲した

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ドイツ軍の勝利はなくなったか・・・

連合軍はおそらく勝利得点では勝っているだろう。しかし、包囲を解こうと最後まで戦う。南部で第6機甲師団(4-8)を壊滅させれば、ここに穴が開き、地図南端との連絡路を確保でき包囲が解ける。包囲が解ければ確実に連合軍の勝利だ。

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連合軍は包囲を解こうと最後まで戦う

 

しかし、最後の戦いのサイコロ運はドイツ軍に味方した。包囲は解けなかった。

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包囲は解けなかった・・・

ドイツ軍は連合軍ユニット20ポイント分壊滅させた。一方、連合軍は、ドイツ軍7戦力x2=14ポイント獲得した。

包囲されている部隊の戦力は33ポイント。5ポイントx5港=25ポイント分脱出するので、壊滅したのは8ポイント分。28-14=14ポイント。

ドイツ軍の勝利は差し引いて35ポイント以上必要なので、連合軍の勝利だ。

 

【7】感想

連合軍にとってはほぼ理想的な展開で戦線を維持して後退することができた。

今回は連合軍の防衛線が、崩壊しそうで崩壊せず、うまく敷けたことが連合軍の勝因だった。早いターンに来た増援の移動力が大きく、薄い防衛線を張ることができた。

ドイツ軍は突破しようにも連合軍のZOCに引っかかりせっかくの機動力を活かしきれなかった。

このゲームでは、機動部隊の第二移動ルールがないため、2ヘクス間隔の防衛線でも、突破を防ぐことができる。そこに地形をうまく絡めると、防衛線を敷ける。今回、連合軍は理想的に防衛線を敷きつつ後退できたと思う。