AH『クロス・オブ・アイアン』(Cross of Iron)のシナリオ17『コロスチェンの崩壊』(Debacle at Korosten)をプレイしてみた。
ドイツ軍の電撃戦により装甲部隊と歩兵部隊の間に間隙ができた。そこをソ連軍騎兵隊が突いて弱いドイツ軍歩兵部隊を襲った。
このシナリオで導入されるルールは、92.騎兵と93.戦闘態形の維持だ。
93.戦闘態形の維持とは、参加兵力が減少するにつれ、士気が下がるルールだ。
これをやるとプレイアビリティが落ちるが、よりリアルなゲームにするにはこのルールは必要だと思う。
■初期配置
ドイツ軍は中央の道に十字砲火を浴びせる態勢だ。しかしこの配置が見えているので、ソ連軍はこの道を通らないことにした。この辺はボード・ウォー・ゲームの限界だろう。いや、ソ連軍は事前に村人から情報を仕入れていた、ということだ。
■第1ターン(1941/08/30)
ソ連軍は東、中央、西の三手に別れて移動する。西側の3J9で防御射撃により指揮官Cohenovが戦闘不能になったが騎兵は無事に突破した。(ドイツ軍ユニット上のPrep Fireマーカーは防御射撃実施の意味で載せている))
ドイツ軍の十字砲火を避け、ソ連軍の中央部隊は森の中を進む。
ドイツ軍は3M2の建物を守る態勢だ。
■第2ターン
ソ連軍騎兵隊が東西中央に移動し馬から下りて攻撃準備だ。
だがその他の防御射撃はことごとく失敗だ。
3N6でドイツ軍Kubelwagenの操作員麻痺
■第3ターン
3U3でソ連軍騎兵隊全滅
3V5でソ連軍騎兵隊全滅
ソ連軍がドイツ軍トラック2輌捕獲した。
3U6の白兵戦でドイツ軍1個分隊全滅
+4の地形修整があってもこういうことがある。
3K4でドイツ軍がトラック1輌奪還
ソ連軍の損害70
ドイツ軍の損害20
■第4ターン
3S3でドイツ軍指揮官Hamblen、1個分隊戦闘不能。1個分隊全滅
3Q5でドイツ軍指揮官Pollack戦闘不能
3T4でドイツ軍指揮官Rosenberger戦死
3 M2の白兵戦でドイツ軍1個分隊全滅
ソ連軍が捕獲したトラックはユニット上をソ連軍のトラックに変更している。
ドイツ軍の増援は来ない。
ドイツ軍は増援が来ないと壊滅しそうだ。
3R3でドイツ軍指揮官Hamblen戦死
ドイツ軍指揮官Kelso 、1個分隊全滅
ドイツ軍の損害が40%に達した。
3J4の白兵戦でソ連軍指揮官Cohenovがドイツ軍操作班を全滅させた。
ドイツ軍の損害が50%に達した。士気レベルが1落ちる。
ソ連軍の損害70
ドイツ軍の損害265 50% 士気レベル-1
ソ連軍はあと4個分隊全滅させると勝利条件の半分を確定できる。
■第5ターン
3R4を射撃するべきだったかもしれない。
3P1でドイツ軍指揮官PollackとUhl戦死。1個分隊全滅
ドイツ軍の損害が60%を超えた。
アメリカ軍隠蔽マーカーを載せている所は混戦状態だ。
ドイツ軍増援は来ない
93.戦闘態形の維持ルールがなければ生き残ったが、このルールで士気レベルが1落ちたため戦闘不能。
3J4のソ連軍指揮官Cohenov戦死
3O5の白兵戦は混戦状態
両軍の損害
ソ連軍の損害130
ドイツ軍の損害350 60% 士気レベル-1
■第6ターン
3L4でドイツ軍4-6-7分隊逃亡し除去。70%に達したので士気レベル-2
3J2でソ連軍馬3ユニット全滅
3O5の白兵戦は混戦状態が続く。
3L4の白兵戦でソ連軍1個分隊全滅。ドイツ軍指揮官戦死。1個分隊全滅
両軍の損害
ソ連軍の損害180
ドイツ軍の損害425 80% 士気レベル-2
ドイツ軍の増援は来ない
3O5の白兵戦の決着がつき、ドイツ軍指揮官1人と1個分隊全滅
両軍の損害
ソ連軍の損害180
ドイツ軍の損害465 90% 士気レベル-3
■第7ターン
ソ連軍騎馬隊に馬に乗っての撤収命令が出た。
遅まきながらドイツ軍の増援が到着した。
形勢逆転の気配だ。
ソ連軍は騎馬隊5ユニット以上脱出できるか?
両軍の損害
ソ連軍の損害240
ドイツ軍の損害465 60% 士気レベル-1
■第8ターン
ソ連軍が全力で脱出を図る。
両軍の損害
ソ連軍の損害300 30% 士気レベル-1
ドイツ軍の損害465 60% 士気レベル-1
■第9ターン(最終ターン)
ソ連軍は3個分隊しか脱出の可能性がないのでドイツ軍の勝利確定。
■感想
ドイツ軍分隊が白兵戦でがんばった。白兵戦で混戦状態になって戦い続けたのがドイツ軍の勝因の一つだろう。
ドイツ軍の増援は武装ハーフトラックが主だが、それでもAFVがいないと意外と強力だと思った。
ソ連軍は三手に分けずに正面突破をはかってもよかったかもしれない。
ソ連軍の撤収はもう1ターン早くするべきだった。
また撤収予定組の5個分隊を地図盤5にあらかじめ早めに準備しておくのがよかったかもしれない。
ルール・ブックで「ソ連軍の乗馬兵科であるコサックは、奇妙な時代錯誤の例」とあるが、移動中のオーバーランに相当する襲撃をするチャンスはごく稀だし(今回もチャンスなし)、乗馬中の火力は半減するので、時代錯誤と言えるだろう。しかし、騎兵の移動力が大幅に増える点は嬉しい。乗馬時も6移動力あり、車両に乗るより軽快だ。移動手段と割切ると馬もなかなか使い勝手がいい。
このシナリオは騎兵ルールのためのシナリオみたいなものだが、佳作だと思う。