Advanced Squad Leader Starter Kit #1(ASLSK1)のシナリオ、S3「SIMPLE EQUATION」をプレイした。
シナリオ和訳はこちら
直訳すると、「簡単な方程式」と言ったところだ。
勝利条件は、7ターンのアメリカ軍プレイヤーターン終了までに、地図盤Zの建物ヘクスをアメリカ軍が25個以上、占領すると、その時点でアメリカ軍の勝利にとなる。
地図盤yのA-P列、zのR列からGG列を使用する。
今回は、VASSALでのA氏との対戦プレイである。私はドイツ軍を担当した。
Skypeで会話しながら、VASSALでプレイするのだ。
会話しているので、ルールの確認や、ルールの解釈への質問も、その場でできるので、とてもいい。
画像も送れば表情も読めるのだろうが、お互いに画像は写さないでプレイしている。
リアルだと、視線の先を見ることで、どの辺りを狙っているか、どの部隊を動かそうとしているか、姿勢で有利不利がわかるが、それらは画像を送り合っても伝わらない。
将来、そういうのも伝わるシステムができるかもしれないが、まだ先だろう。
果たして、この戦いは、どうなるだろうか?
目次
■初期配置
本ブログは原則北を上にしているが、VASSALでは左が北、上が東、下が西、右が南になっている。アメリカ軍は西から東へ攻め込む。ドイツ軍はそれを迎え撃つ。
下の画像の左下にある白い☆マークは、25個ある。
勝利条件の建物ヘクスを占領した時にここから建物ヘクスに持っていく。
そうすることで残り何個の建物を占領したらいいかわかる。
本来なら地図盤外に置くべきだが、地図盤外の白い背景に紛れてしまい、見分けが付きにくいので、林の上に配置している。
白や赤の四角形は、移動目標ヘクスなど、プレイヤーごとに任意に使用していいマーカーだ。A氏は、VASSALを改修して、こういう便利なツールを自作している。
盤面上にある赤い矢印が射撃を、青い矢印が移動を表している。
■第1ターン(1944/10/12)
●アメリカ軍プレイヤーターン
前進してきたアメリカ軍に臨機射撃を実施した。
しかし、アメリカ軍に何の損害も与えられなかった。
2個分隊くらいは混乱状態にしたかったのだが・・・。
この時点のダイスの確率は、平均9.33
こういうのが表示できるのがVASSALのいいところだ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍の激しい準備射撃で、アメリカ軍に混乱状態の分隊が出始めた。
zR1に配置したHMGの効果が効いている。
こちらから射撃できるということは、相手からも射撃できるということだ。
赤い○で囲んだyJ1の部隊に射撃が集中し、とうとう全滅してしまった。
■第2ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍は南(下図の右側)に兵力を集中してきた。
ドイツ軍必死の臨機射撃を実施する。少し混乱状態にさせたが、これでは守り切れない。
この時点のドイツ軍のダイス統計は次の通りだ。CategoryのMCは指揮チェック、IFTは歩兵射撃表を使った射撃、Rallyは回復だ。
DRsはダイスを振った回数。Avg1stとAvg2ndは1個目のダイスと2個目のダイスの出目の平均だ。Avgが2個振った合計の出目の平均だ。
ドイツ軍のIFT射撃の出目は平均8.62。
アメリカ軍のダイス統計はこちらだ。射撃の出目の平均は6.00だ。
●ドイツ軍プレイヤーターン
アメリカ軍の火力は強い。ドイツ軍はzR1やzX1から後退せざるを得なくなった。
ドイツ軍のダイス統計
アメリカ軍のダイス統計
■第3ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
回復フェイズ終了時のアメリカ軍は統制状態分隊が9.5個。ドイツ軍は6.5個だ。
アメリカ軍が一気に距離を詰めてきた。
ドイツ軍は、zR1(下の赤い○)のアメリカ軍を撃退した。
しかし、頼みの綱のHMGが故障した。
下の図の左下にある☆が3個減っている。
アメリカ軍が占領した3個の建物ヘクスに、一番右の赤い○(zR1)のように配置している。アメリカ軍が勝利するには、残り22個必要だ。
ドイツ軍のダイス統計
回復のダイスだけ6.54といいが、射撃は8.48と悪いままだ。
アメリカ軍のダイス統計は、若干、射撃の出目が悪化して7.11になった。
●ドイツ軍プレイヤーターン
放置されている支援火器の回収、HMGの修理と、2回連続でダイスの出目が6!!
zR2の重要拠点を守っていたHMGが除去された!!これは痛い!
さらに回復のためのダイスが12!!
アメリカ軍の回復のダイスは2!!
あまりダイス運をとやかく言いたくはないが、今回はあまりにひどい
気を取り直して準備射撃だ。zW2のアメリカ軍スタックが2.5個分隊混乱状態になった!!
今回最大の戦果だ。
ドイツ軍は、中央の建物に援軍を送る。
北(図の左側)から中央に向けて移動する。
アメリカ軍が思い切って射撃したが・・・LOSは通らなかった。下の図の赤い直線はLOSが通るが、青い直線は通らないことを示している。
逆にドイツ軍は320m(8ヘクス)と遠いがLOSが通った。しかしドイツ軍の短い射程でこの距離で射撃するとわずか1火力。効果なしだ。
第3ターン終了時で、アメリカ軍が占領した建物ヘクスはわずか3個。
HMGを失ったのは痛いが、中央は守れているし、南(図の右)もがんばっている。北(図の左)にアメリカ軍分隊は1個しかいないから攻められることはないから、北の部隊がうまく後方に次の防御拠点を作れば、そう簡単には25個ヘクスにはいかないだろう。
A氏は、戦況がよくない、としきりに言うが、A氏お得意のポーズだろう。
■第4ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍の統制状態分隊は8個、ドイツ軍のそれは7.5個だ。
火力は全然違うが、善戦していると言っていいだろう。
アメリカ軍は建物ヘクスの奪取のために、勝負を賭けてきた。
赤い○で囲んだzS2に来た1個分隊を臨機射撃して2!今回ようやく出たピンゾロだ。
だがその後、今度は6ゾロ!
アメリカ軍がとうとう、距離を詰めてきて、zR2で白兵戦だ。
ドイツ軍は4-4-7が2個分隊。アメリカ軍はMMGを持った6-6-6が2個分隊だ。
うまく白兵戦でアメリカ軍を斃せば、MMGが2挺鹵獲できる。
だが・・・・
不意打ちのダイスは、A氏が1、私が4。3差があるので、A氏の不意打ち成功だ・・・。
何ということだ。
ドイツ軍4-4-7分隊1個が壊滅。1個が損耗し2-3-7半個分隊になってしまった。
幸い全滅は免れて、混戦状態だが、次は12-2、つまり6-1という戦力比だから10以下の出目、つまり92%の確率で全滅する。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は北(図の左)の部隊を中央に移動させようとした。しかし、アメリカ軍のLOSが通り臨機射撃を受け、1個分隊が混乱状態になった。
zR2の白兵戦では、ドイツ軍は、アメリカ軍6-6-6分隊1個を攻撃し、ダイスの目は3!!アメリカ軍1個分隊除去だ。
逆にアメリカ軍は6-1の戦闘比で攻撃した。10以下でドイツ軍壊滅のでダイスの目が11!!
ドイツ軍半個分隊が生き延びた!!
■第5ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
ドイツ軍の統制状態分隊はわずか3.5個だ。
こうなると、アメリカ軍の勝利が見えてきた。
zR2の白兵戦は、ドイツ軍の半個分隊がとうとう全滅してしまった。
アメリカ軍は建物13ヘクス占領した。残り12ヘクスだ。
ドイツ軍は統制状態分隊が3.5個、混乱状態が3.5個だ。ドイツ軍の回復時の士気値が低い上、DM状態だとさらに悪化するので、回復の見込みが低い。
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は、空っぽになったアメリカ軍占領ヘクスを再占領しようと、分隊を移動させた。そこに、白兵戦に勝利したアメリカ軍が射撃をする。ここは、石造建物で+3、要塞化しているので+1、果樹園ヘクスが3個あるので+3の修正が入る。-1のFFNAM(非警戒移動に対する臨機射撃)、-2の指揮官があっても+4の修正が入る。A氏のダイスの目は4!!
ドイツ軍の指揮チェックは10!!
分隊は混乱状態になってしまった!
その後のA氏の射撃のダイスは5,3,3・・・・
■第6ターン
●アメリカ軍プレイヤーターン
ドイツ軍は回復しないと、もう建物ヘクスを守り切れない。
しかし、回復のダイスの目は無情だった・・・。
そして、アメリカ軍は、勝利に向けて建物を占領しに行くかたわら、zX4のドイツ軍を虐殺するために、包囲した。
zX4には、そして誰もいなくなった・・・。
アメリカ軍の勝利のためにはあと3ヘクスの占領が必要だ。
突撃フェイズに3個の建物ヘクスに突撃すればアメリカ軍の勝利だ。青い○のヘクス3個に突撃するとアメリカ軍の勝利なのでここで終了とした。
アメリカ軍の統制状態分隊は、9.5個分隊。混乱状態分隊が0.5個だ。
ドイツ軍の統制状態分隊は、わずか2.5個分隊。混乱状態分隊が0.5個だ。
■勝利条件の確認
勝利条件の建物ヘクスをアメリカ軍が25個占領したのでアメリカ軍の勝利だ。
アメリカ軍が占領した建物ヘクスには☆マークを置いている。青い○のヘクスも占領確実だ。
■感想
結局は、アメリカ軍が物量で押し切ったという感じの戦いだった。
北(図の左)からの前進困難とみて、南(図の右)に主攻軸を移したA氏の動きは見事だった。
アメリカ軍はMMGをあまりうまく活かせなかった。
本シナリオのAftermathにあるような、MMGの掩護の下、火炎放射器が前進し、ドイツ軍部隊を壊滅させていくようなEquation(方程式)通りには、攻められなかった。
アメリカ軍歩兵が持っている自動火器を活かした突撃を繰り返すことになった。
それでもドイツ軍をほぼ全滅に追い込めた。
ドイツ軍の南側もずいぶん健闘したが、HMGの故障が大きかった。
北の部隊が友軍と化してしまったのももったいなかった。
zR2で白兵戦の混戦状態になっている間に第2防御陣地を作れたら粘り切れたと思う。
敵を射撃できるということは、敵からの射撃を受けることでもある。
ドイツ軍はそれをまざまざと知らされた。
本文ではダイス運について、いろいろ書いたが、第一線が破れた時の次の策がなかったのが、ドイツ軍の真の敗因だろう。
攻撃と防御の基本を考えさせられる好シナリオだと思う。