Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ホーカー・ハリケーン特集が面白かった(ミリタリー・クラシックス vol.76)

■季刊ミリタリー・クラシックス vol.76 2022年冬号
■出版社: イカロス出版
■雑誌18441-03
■発売日: 2022/1/20
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もくじは次の通り。
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第一特集は、金剛型高速戦艦

第二特集は、ホーカーハリケーン

スピットファイアの陰に隠れてハリケーンについてはあまり知らなかったが、今号で随分、見方が変わった。

まず驚いたのが開発経緯だ。ハリケーンは、1934年のF.5/34という設計案に基づいて開発された、爆撃機を迎え撃つための機体だった。速度と上昇力を重視した邀撃機だ。

1934年は昭和9年だから、日本海軍では、後の96式艦上戦闘機の要求が出た頃だ。日本陸軍では97式戦闘機の要求が出たのが1936年(昭和11年)。一式戦闘機隼や海軍の零戦が1937年(昭和12年)だ。

97戦や隼など日本機の武装に比べて、ハリケーンは1934年(昭和9年)の時点で機関銃8挺装備という重武装の要求が出ていたのだ。そして、1936年(昭和11年)に、低翼単葉、引き込み脚、時速500kmを実現したのだから、日本機と比べると随分、先行していたと思う。

一方、ハリケーンの鋼管フレーム、羽布張りの古い設計の胴体設計の理由が、面白かった。

新技術採用によるリスクを避けたのもあるが労働組合の問題があったのだ。

当時のイギリスでは、職能別労働組合で、鋼管フレームの作業者は配管工の組合。金属製外板を接合するリベット打ち作業者はボイラー工組合。もし全金属製胴体にすると、配管工組合所属の作業者を解雇することになる。

戦闘機の胴体設計に労働組合問題が関係するとはとても驚いた。

 

 

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