アバロン・ヒル社の『激闘!マジノ線』(France 1940)(以下、本ゲーム)は、私が『タクテクスII』(TACTICS II)の次に買ったウォーゲームで、思い出深いゲームだ。
当時はデザイナーを意識していなかったが、James Dunniganの作品だ。
移動ー戦闘ー機甲部隊による機動を繰り返す今となっては基本的なゲームシステムだったが、本ゲームが出版されたときは画期的だったらしい。
戦闘序列カードが連合軍11種類、ドイツ軍6種類あるので、その組み合わせで66シナリオついているのが魅力的なゲームだ。
今回は史実シナリオをプレイしてみる。
あの頃はドイツ軍がアルデンヌの森を駆け抜け、ドーバー海峡に達して、パリを占領し、連合軍ユニットがほとんど残らなかったが、今回はどうなるだろう?
初期配置
本ゲームには、詳細なヒストリカル・ノート(後に『タクテクス』(TACTICS)誌19号に翻訳が掲載された。)と、本ゲームマップ上に戦況図を載せた一枚が同梱されていた。
それに基づいて配置した。
第1ターン(1940/05/10-11)
Eben Emael要塞に空挺部隊が降下して破壊
連合軍は全力で前進し戦線を張る。
第2ターン(1940/05/12-13)
ドイツ軍も前進する。
第3ターン(1940/05/14-15)
第4ターン(1940/05/16-17)
ドイツ軍装甲部隊がアルデンヌの森を突破成功。
連合軍はドイツ軍がこじ開けた穴を塞ぎ、突破を防ぐ。
第5ターン(1940/05/18-19)
ドイツ軍が回り込み、ベルギー北部にフランス軍、イギリス軍、ベルギー軍を包囲する。包囲するにはあまりに少数な部隊だが・・・。
連合軍はAntwerpを放棄して、ドイツ軍の包囲の隙間から脱出する。
第6ターン(1940/05/20-21)
マジノ戦の北端、Sedan付近でドイツ軍が連合軍戦線に突破口をこじ開けた。
オランダ軍全滅。
連合軍は南北に戦線を作る。
大昔にプレイした時は、こんなに連合軍が盤上に残らず、ドイツ軍が縦横無尽に駆け回った気がするのは記憶違いだろうか。
連合軍は防衛戦を張り、組織的な後退をする。
第7ターン(1940/05/22-23)
一部の連合軍が攻撃されている間に、連合軍は後退して次の戦線を張る。ユニットを一列に並べていたのが、今は、1ヘクスおきになっているが、支配領域(ZOC)でドイツ軍を止めるには十分だ。
第8ターン(1940/05/24-25)
ベルギー軍全滅
第9ターン(1940/05/26-27)
ドイツ軍のロンメルが指揮する第7装甲師団がパリの1/3を占領。
あ、下の写真では第7装甲師団が半分しか写っていない!!
パリ占領したドイツ軍第7装甲師団がフランス軍の逆包囲攻撃を受けて壊滅。
あ、下の写真ではパリが写っていない!!
第10ターン(1940/05/28-29)
最終ターンなので、ドイツ軍は連合軍戦線に大攻勢をかける。
パリにもドイツ軍が突入!!
連合軍はパリに突入したドイツ軍の撃退に成功した。
連合軍の戦線は崩壊せずに残った。
ドイツ軍155点
連合軍22点×3+26=92点
ドイツ軍の勝利!!
ドイツ軍はマジノ線を3箇所破壊成功。
感想
久しぶりにプレイしてみたが、ドイツ軍が勝った気がしない。史実に比べて、連合軍が戦線を組織的に後退させることができたからだ。ダンケルクから撤退することもなかったからだ。ゲームの勝利条件である得点としてはドイツ軍の勝利だが、史実と比べると勝利と言っていいかどうか・・・。
連合軍はこんなに整然と撤退できただろうか?もっとユニット数が少なく、ひとたび戦線に穴が開けられたら、そこからどぉ~~っとドイツ軍があふれてきて連合軍が崩壊したと思っていたが私の記憶違いだろうか。それともあの頃の私の連合軍の指揮がひどすぎたのだろうか。今の私が指揮するドイツ軍の攻撃が不十分な攻撃なのだろうか。
久しぶりのプレイだったので、ルールを確認しながらプレイしてみた。シンプルなルールで、1940年5月10日から5月29日までのフランスでの戦いを再現した傑作ゲームだ。何度でもプレイしてみたくなるゲームだ。