いつもVASSALでお世話になっているA氏がアド・テクノス社『ノルマンディ上陸作戦』(Normandy Operation Overlord)のVASSALモジュールを作成中とのことで、作成中モジュールでテストプレイした。
(画像はBoardgameGeekより)
このゲームは、『タクテクス』(TACTICS)の第23号や第24号に、紹介記事があった。
また、第25号には、デザイナーの福田誠氏によるミニリプレイ記事もあった。
それらの紹介記事を読むと、上陸作戦までの準備段階に焦点をあてたゲームだそうだ。
史実では1944年6月6日に上陸したが、このゲームでは1944年1月第1週から始まり、連合軍は、師団を訓練したり、諜報活動をしてどこに上陸するかドイツ軍を惑わす。ドイツ軍は、防御拠点を築いたり、砲台を設置したり、師団を訓練したりする。
上陸するまでは1ターンが1週間なので、史実通り6月6日に上陸するとしても、延々と上陸準備を20ターンも続ける。上陸後は1ターンが1日で1週間の戦いとなる。
私は、アド・テクノス社製ゲームは、ユニークで好きなゲームが多いのだが、紹介記事を読んだ時は、正直言って、食指が動かなかった。戦いがなかなか始まらないゲームだからだ。
違うゲームをプレイする予定だったが、A氏がVASSALモジュールを作ってみたというので、試しにプレイしてみたくなった。
実はA氏もこのゲームはプレイしたことがないそうで、二人でルール・ブックを読みながら、A氏のVASSAL試作モジュールを動かしながら、テストプレイしてみた。
その際、参考にしたのが、ちはら会さんのサイトの下記ページだ。
本当はこのゲームはブラインドを立ててそれぞれのプレイヤーが作戦準備し、上陸作戦が始まるとブラインドを外してプレイするゲームだ。
ブラインドを立ててプレイするゲームは、VASSAL向けといっていい。
A氏が試作モジュールの権限を一時的に変更し、両軍とも両軍プレイヤーシートを見えるようにして、テストプレイした。
スタッフをどう配分するか、それぞれのポイントの意味は何か、考えながらとりあえず数ターン進めてみた。どのくらいのポイントを何に分配するといいか相場感まではわからないが、どのポイントが何に関連しどんな効果を持つのか何となくわかってきた。
『タクテクス』(TACTICS)第25号の福田誠氏の記事中にどのくらいのポイントが1ターンでたまるか、概要が書いてあったので、実際にプレイする時の参考にしたい。
それらがわかってくると、意外と時間がかからなさそうな感触を得た。
このゲームには、上陸前準備段階がない史実通りのミニシナリオも付属している。両軍が何に何ポイント持っているか、どこにどのユニットを配置・上陸させるか、既に決まっているミニ・シナリオだ。
早速、そのミニシナリオをやってみて、上陸後どうなるかテストプレイしてみた。
上陸ターンは特別な手順だが、上陸後については、補給確認-移動-戦闘のオーソドックスな作戦級ゲームだ。
1ユニット=1師団。
移動力一律6
戦闘力は歩兵は通常4、機甲/装甲部隊は通常6だ。
スタックはなし。(スタックについては、明記されていないが、他の記述からの判断)
ZOCに入るのに+1移動力
機甲/装甲部隊以外はターン開始時に敵ZOCにいる場合、ZOCからの移動不可。
マストアタックだ。
戦闘力差による戦闘解決。
戦闘結果表は、戦闘力をマイナスする形だ。
補給が通じていると、補給によって戦闘力がすぐに元に戻る。
なかなか戦闘力を0にすることが難しい戦闘結果表でノルマンディ上陸作戦らしい雰囲気を醸し出している。
上陸時は、多数のマーカーが地図盤に広がるが、上陸後、地図盤から除去するものが多い。一部、いつ除去するのかルール・ブックに記載がないものがあり、判断に迷うものがあった。そんな時は前述のちはら会さんのページにある写真を見て、マーカーが除去されているかいないか確認した。
上陸後は、1ユニット=1師団のため、地図盤上に丁度いい数のユニットが並ぶ。
準備段階を省略したゲームとしても本ゲームはとても面白い!!
史実シナリオしか用意されていないが、様々な状況をシミュレートしたシナリオを作れそうだ!!
A:ドイツ軍が正確に連合軍の上陸意図を読み取りノルマンディで万全な準備をして連合軍を迎え撃った場合
B:連合軍がもっと早く上陸した場合
C:連合軍がもっと遅く上陸した場合
D:連合軍の海軍がもっと多かった場合
E:連合軍の空軍がもっと弱体だった場合
などなど、様々な状況を再現できそうで、可能性が無限に拡がるゲームだと思った!
テストしてみて、A氏のVASSALモジュールに、いくつか改善点があることがわかったが、このゲーム自体への興味が深まり、早く実際にプレイしてみたいと思った。