Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第25号(1985/12/1)

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TACTICS第25号 表紙

 

TACTICS第25号(1985/12/1)を読んでみた。

付録ゲームはSPI『ワーテルロー』(Napoleon at Waterloo)。

このゲームはマップがヘクスではなく、座標を表す数値になっており、ユニットをその数値の上に置くという面白いデザインだ。

 

もくじは次のとおり。

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TACTICS第25号 もくじ

内外ゲーム紹介の「INTREP」内でいくつか興味深いゲームの紹介があった。

 

GDW『第8軍:クルセイダー作戦』(8th Army:Operation Crusader The Winter Battles for Tobruk, 1941)は、北アフリカ戦線を扱ったゲームだ。

これは陸戦ゲームなのにブラインド・サーチ方式をとっているらしい。本来は陸戦ものも、海戦もの同様、敵軍の移置や戦力がわからないのが実情である。史実では本当は自軍の移置や戦力さえわからなかったのだが・・・。

コマンドマガジン第53号で再販されたようなので、機会があったらプレイしてみたい。

 

Columbia Games Inc.の『ロンメル・イン・ザ・デザート』(Rommel in the Desert)もテーマとしては興味深い。木製ブロックにシールを貼り付けるらしい。通常の紙製のユニットではない理由は何だろう?

 

GDW『バルバロッサ作戦』(Fire in the East)はヨーロッパシリーズ最大のゲームだ。ヨーロッパシリーズはこのゲームを作るために始まったというし、戦闘序列が凄いらしい。『タクテクス』(TACTICS)24号に早大のリプレイが載っていたが、セットアップで1日、プレイには数日かかって終わらなかったらしい。こんなビッグゲームをプレイすることはないだろうが、戦闘序列やマップは見てみたいものだ。

 

p.18 War in the East 独ソ戦史その2 ヴャリストク・ミンスク二重包囲戦

山下竜二氏の連載第2回。バルバロッサ作戦の中央軍集団最初の一撃のヒストリカル・ノート。エポック社の『独ソ電撃戦』のヒストリカル・ノートにあたる。たった4ページだが図があってわかりやすい。

 

p.32 ヨーロッパ要塞をぶっつぶせ!<アド・テクノス>"ノルマンディ上陸作戦"侵攻準備ミニリプレイ

福田誠氏によるミニリプレイ記事。このゲームはやったことはないが、読んでみると、プロジェクト・マネジメントそのものだと思った。まぁ、戦争は究極のプロジェクト・マネジメントと言えるからそれをシミュレートするシミュレーション・ゲームはプロジェクト・マネジメント・ゲームと言えなくもないだろう。

これにWork Breakdown Structure(WBS)の作成までやったら完璧なプロジェクト・マネジメントだ。

 

p.67 Squad Leader Clinic <AH>"戦闘指揮官"シリーズ徹底解析 突撃期(前篇)

連載第2回が、移動や射撃ではなく突撃期に関する記事とは驚いた。しかし読んでみると、突撃期にやれることが意外と多いことに改めて驚いた。この連載は楽しみだ。

 

p.70 アバロンヒル日本語ルール Panzergruppe Guderian グデーリアン装甲集団

もともとはSPI社から出版し、アバロンヒル社が取得して出版し、日本ではホビージャパンから販売されている上記ゲームの日本語解説書。後ろの広告を見ると、「日本語解説書はついておりません」と但し書き付き、5,800円で販売していたようだ。シミュレーション・ゲームのブームで、新ゲームがたくさん出版されるのに翻訳が間に合わなくなっていたのだろう。このルールは、PGGルールとして以後の作戦級ゲームの主要な流れの一つになったものだ。機会を見てこのゲームもやってみたいものだ。

 

p.82 How to Make Wargame これがSPI式ゲーム・デザインだ!"グデーリアン装甲集団"Panzergruppe Guderianのできるまで

シミュレーション・ゲームのデザインのノウハウがよくわかる。いろいろなCRTが載っていてそこにこめる考え方がよくわかる。

またSPI社の部屋の写真が載っていて興味深い。

 

シミュレーション・ゲームがブームになり、沢山のゲームが発売されるようになった。

ゲーム雑誌は当然ながら、それら沢山のゲームを追って記事を書かないといけなくなる。

読者は、持っているゲームの記事が減ってくる。

人口密度が低く国土が広大なアメリカだと、年間購読が主流だと思うが、この頃の日本だと書店販売が主流だったはずだ。そうなると店頭でちらっと見て、「今月号は読む記事が少ないなぁ。買わなくてもいいかぁ。」となり、雑誌を買わなくなる人もいただろう。雑誌作りというビジネスの難しさを感じる。

この辺りのバランスが難しいだろう。