Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

アラム・ハルファ高地の戦いヒストリカル・ノート(1942/8/31-9/1)

エポック社が1982年に発売し、2013年3月25日に国際通信社がジャパン・ウォーゲーム・クラシックス vol.3として再販した『ドイツ戦車軍団』は4個のゲームが同梱された手軽な入門用ゲームだ。その中の一つに『エル・アラメイン』がある。これは1942年8月31日から9月1日までの、アラム・ハルファ高地をめぐる戦いをシミュレートしている。この盤上で、史実の動きをなんとなく再現してみる。

ロンメルの意図は、下の写真のように、北にいる部隊は牽制攻撃をし、南にいるドイツ軍装甲部隊が東に向かった後、北に旋回して海岸道路に向かうものだった。

一方、着任して17日しか経っていないモントゴメリーは、青い矢印のように第7機甲師団で反撃する意図があった。

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ロンメルとモントゴメリーの意図

実際に戦端を開いてみると、英軍地雷原が予想以上に深く、英空軍の激しい爆撃もあり、ロンメルが病気で後方にいたこともあり、枢軸軍の進撃は予定通りには進まなかった。

ドイツ軍の装甲部隊は、予定より早く北に旋回し、アラム・ハルファ高地に向かったが、そこで進撃が止められ、燃料不足もあり停止せざるを得なかった。

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枢軸軍の進撃が止まり主導権が連合軍に移った

9月2日、ロンメルは、撤退を命令したのだった。

 

エポック/国際通信社『ドイツ戦車軍団 エル・アラメイン』には、地雷原も英空軍も登場しない。本ゲームのデザイナーズ・ノートで黒田氏が書いているように、史実よりドイツ軍有利にデザインされていると思う。

ドイツ軍の補給不足がシミュレートされていない、と思ったら、デザイナーズ・ノートに、答が書いてあった。ゲーム・ターンがわずか4ターンということで、補給不足をシミュレートしているのだ。実際、本ゲームで第5ターンに相当する9月2日には補給不足により撤退を開始したのだから納得だ。

南にいる英軍2個旅団は枢軸軍によって一蹴されてしまうと思うが、史実だとよくドイツ軍の進撃に足止めをかけたと思う。ここはドイツ軍に勝機を持たせるためにデザインしたのかもしれない。

北アフリカ戦線には必ず登場するロンメル・ユニットがいないのは史実では彼が後方にいたからだったのだなぁ~。