Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ドイツ戦車軍団 エル・アラメイン』バトル・レポート(AAR)

エポック社から1982年に発売され、ジャパン・ウォーゲーム・クラシックスとして国際通信社から再版された『ドイツ戦車軍団』は4個のゲームが同梱されている入門用ゲームだ。『エル・アラメイン』、『ダンケルク』、『ハリコフ攻防戦』、そして『コンパス作戦』だ。

それぞれ、ルールブックは4ページで、ユニット数も100個以下で簡単にプレイできる。

32ページの入門ガイドブックもついており、これだけでも購入する価値がある。

入門用ゲームだがなかなかどうしていろいろ考えないといけない面白いゲームだ。

今回は、ソロ・プレイのバトル・レポート(AAR)を書いてみた。

wargame-classics.jp

【1】初期配置と勝利条件

初期配置はあらかじめ決まっていてユニットの背面にヘクス番号が記載されている。

枢軸軍の勝利条件は、(1)赤丸で示したエル・アラメイン、またはそこから東に延びる道路上の1ヘクス以上を占領するか、(2)赤丸で示したアラム・ハルファ高地の2ヘクスのうち1ヘクスを占領することだ。

英軍は地図端西端(左端)から「突破」することだ。

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初期配置と勝利条件

英軍としては赤の点線のような防衛戦を張りたいところだが、南側に防御に適した地形がないことが苦しい。枢軸軍としては、青矢印のように攻め込みたいところだ。

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両軍の作戦

【2】第1ターン(1942/8/31 午前)

枢軸軍は早速、全線戦で攻勢に出る。南部では2個装甲連隊と1個機械化歩兵連隊が東へ突破した。その後の戦闘フェイズで英軍第7機甲師団第4旅団、第7m機械化歩兵旅団が壊滅した。

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第1ターン 枢軸軍の攻勢

第1ターンは枢軸軍の奇襲効果で、英軍の移動力が半分だ。英軍は赤い点線のような防衛戦を敷こうとするが、部隊が不足しており、東端から突破を許しそうだ。

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第1ターンの英軍

【3】第2ターン(1942/8/31 午後)

ドイツ軍、イタリア軍とも前進する。

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第2ターンの戦況

英軍は、1部隊孤立してしまい移動できなくなったが、かろうじて戦線を維持する。

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第2ターン終了時の戦況

【4】第3ターン(1942/09/01 午前)

枢軸軍3部隊が英軍の防衛戦を突破し海岸道路に近づく。

アラム・ハルファ高地も攻撃する。戦闘力12対2x2=4、つまり3:1だ。攻撃成功の確率は5/6=83%だ。攻撃成功し英軍退却しドイツ軍が戦闘後前進で同高地の1ヘクスを占領した。英軍は続く英軍移動フェイズ、攻撃フェイズで奪還しないと敗北する。

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第3ターンの戦況

英軍はアラム・ハルファ高地奪還を目指し可能な戦力を集める。それでも8対4x2=8つまり1:1だ。防御側の枢軸軍が撤退する確率は50%だ。北と中央部では弱いイタリア軍を攻撃し、西端からの脱出を目指す。

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第3ターン 英軍移動フェイズ後の戦況

英軍の反撃は3箇所とも成功した。

アラム・ハルファ高地は奪還し、北部も中部もイタリア軍を壊滅させたり混乱させて退却させた。これで西端へ脱出する道が開けた。ドイツ軍の移動力が大きいのが気がかりだが・・・。

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第3ターン終了時の戦況

【5】第4ターン(1942/09/01 午後)

枢軸軍は海岸道路に進撃し勝利条件を確実なものにする。

北部と中部では西端から英軍が脱出できないようにフタをする。英軍の移動力が4だからこれで大丈夫なはずだ。

しかし、ここで中部で欲を出し3対2つまり1対1で攻撃してしまった。マストアタックではないので攻撃しなくてもいいのに。

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第4ターン枢軸軍移動フェイズ後の戦況

結果はAR。英軍が次の移動フェイズに突破できる穴が開いてしまった。

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第4ターン枢軸軍戦闘フェイズ後の戦況

英軍1部隊がマップ西端からマップ外へ「突破」成功し、英軍の勝利。

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第4ターン終了時

 

【6】感想

突破されないようにいかにどこに戦線を張るか、そのために退却した方がいいのか戦いを継続した方がいいのか。

攻撃する側はどこから突破するか。どこから戦線に穴をこじ開けるか。

ユニット数が少なくターン数も少ないので一瞬のミスが命取りになる。その緊張感がまたいい。

入門用ゲームだが部隊の動かし方について考えさせられる傑作ゲームだと思った。