Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

MMP ASLルール・ブックのA章を読み始めてみた 


f:id:Haruichiban0707:20230112205552j:image

『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズも『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)の後半に入ってきたので、次はAdvanced Squad Leader(以下ASL)シリーズに進みたい。

 

そこで、『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)のシナリオが残ってるので、まだ少し早いが、『Advanced Squad Leader Rule Book 2nd Edition』と和訳ルール・ブックを読み始めることにした。

 

構成を見ると、次の通りだ。

A.歩兵と基本ルール 

B.地形 

C.火砲 

D.車両

E.その他

F.北アフリカ

G.太平洋

H.デザイン・ユア・オウン

I.キャンペーン・ゲーム

J.デラックスASL

K.トレーニング・マニュアル

L.オンラインASL

M.ASL分析

N.武器庫・貯蔵庫(Armory) (第1版のみ)

O.レッド・バリケード

P.カンプフ・グルッペ・パイパー

Q.ペガサス・ブリッジ

R.遠すぎた橋

S.ソリティアASL

T.ブラッド・リーフ:タラワ

Z.ミニ・モジュール

 

「もれなくダブリなく」を意味するMECEにはなっていないなぁ~。「ロジカルシンキングになっていない。」とコンサルタントが怒りそうな構成だ。

F,G,OからR,TはASLヒストリカル・モジュールとして一つの項目にしてその下にぶら下げればいくつでも増やせるはずだ。当初はそんなにたくさん出版するとは予想していなかったのだろう。

H章はタイトルと内容が一致しない。

中に各国の火砲や車両の解説が含まれるのだ。この章は自作シナリオの作り方について解説し、別な章に火砲や車両を載せるべきだ。

しかし最初に作った体系を崩せないようだ。

 

英語で読むのは私には無理なので下記リンク先からダウンロードして読み始めてみた。

 

和訳 - A grove of ASL

 

この和訳凄い!!丁寧でわかりやすいし美しい。ここにかけた労力は凄いものがある。

いずれはここに自分も貢献できるといいなぁ・・・。

 

まずは、A章「歩兵および基本ゲームルール」

ここだけで62ページもある。う~~~~ん。これは多すぎてたまらない。どうしよう。

 

そう思ったところ、『ASL Classic』というのを発見した。

boardgamegeek.com

『戦闘指揮官』(Squad Leader)のシナリオをASLでプレイする場合のシナリオ集だ。これだと読むページが限定されるはずだ。

 

まずはこれで最初のシナリオ『A The Guards Counterattack』をプレイするのに必要なルールだけ読むことにする。

 

A章「歩兵および基本ゲームルール」だけで、下線がある部分だけ読めばいいはずだ。26項目が18項目に減った。

1. 兵士カウンター (Personnel Counters)
2. 地図盤 (The Mapboard)
3. 基本プレイ手順 (Basic Sequence of Play)
4. 歩兵の移動 (Infantry Movement)
5. スタック制限 (Stacking Limits)
6. 照準線 (Line of Sight:LOS)
7. 射撃 (Fire Attacks)
8. 防御射撃の原則(Defensive Fire Principles)
9. 機関銃と支援火器の故障(Machine Guns & SW Malfunction)
10. 士気 (Morale)
11. 白兵戦 (Close Combat)
12. 隠蔽 (Concealment)
13. 騎兵 (Cavalry)

14. 狙撃兵 (Snipers)

15. 戦渦 (Heat of Battle)

16. 戦闘継続能力 (Battlefield Integrity)

17. 負傷 (Wounds)

18. 昇進 (Field Promotions)

19. ユニットの置き換え(Unit Substitution)

20. 捕虜 (Prisoners)

21. 装備の捕獲 (Captured Equipment)

22. 火炎放射器と火炎瓶(Flamethrowers & Molotov Cocktails)

23. 爆薬 (Demolition Charges)

24. 煙幕 (SMOKE)

25. 国籍による特徴 (Nationality Distinctions)

26. 勝利条件 (Victory Condition)

 

B章「地形」は、36項目あるが、4項目だけ読めばとりあえず何とかなるだろう。

1. 開豁地 (Open Ground)
2. 弾痕 (Shellholes)
3. 道路 (Roads)
4. 切通道路 (Sunken Road)
5. 土手道 (Elevated Road)
6. 橋 (Bridges)
7. 滑走路 (Runways)
8. 地下道とトンネル (Sewers & Tunnels)
9. 石塀と生け垣 (Walls & Hedges)
10. 丘 (Hills)
11. 崖 (Cliffs)
12. 繁み (Brush)
13. 林 (Woods)
14. 果樹園 (Orchard)
15. 麦畑 (Grain)
16. 沼沢地 (Marsh)
17. 岩場 (Crag)
18. 墓地 (Graveyard)

19. 小峡谷 (Gullies)

20. 小川とクレスト状態 (Streams & Crest Status)

21. 水障害 (Water Obstacles)

22. 谷 (Valley)

23. 建物 (Buildings)

24. 瓦礫 (Rubble)

25. 火事 (Fire)

26. 鉄条網 (Wire)

27. 壕 (Entrenchments)

28. 地雷原 (Minefields)

29. 道路障害 (Roadblocks)

30. トーチカ (Pillboxes)

31. 集落地形 (Village Terrain)

32. 線路 (Railroads)

33. 小川ヘクス地形 (Stream-Hex Terrain)

34. 塔 (Towers)

35. 疎林 (Light Woods)

36. 射撃計画ゾーン (Prepared Fire Zone)

 

C章「砲兵器および盤外砲」とD章「車両 」とE章「雑則」は、とりあえず読まなくてよさそうだ。

ともかく読み始めてみる。後の方に書いてある事項もあると思うが、読んで疑問に思ったこともツラツラと書いていく。

 

略語が多いが『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)の延長なのでほぼ何を指しているかはわかる。わからないのは、ルール・ブック巻末にIndex&Glossaryがあるので、それを参照するとわかる。

 

1. 兵士カウンター (Personnel Counters)

『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)と連続性があり、全体的にカウンターはわかりやすくなっている。自己回復ユニットは戦闘不能時(裏面)の士気値が四角い箱で囲まれておりわかりやすい。

単独兵(指揮官やヒーロー)、半個分隊、1個分隊、操作班に明確化している。操作班が自己回復できるのは驚いた。


2. 地図盤 (The Mapboard)

これはあまり変わっていないが、同じ建物ヘクスでも階が異なる場合や、同一ヘクスで複数高度レベルがあるヘクスについて明確化されている。


3. 基本プレイ手順 (Basic Sequence of Play)

手順は『戦闘指揮官』(Squad Leader)と同じだ。

しかしどうやら歩兵に対する防御射撃を臨機射撃という名前で移動期に実施するようだ。『戦闘指揮官』(Squad Leader)では、移動した歩兵を戻して防御射撃していた。その不自然さが解消されたようだ。後ろを読まないとわからないが、これはいい。


4. 歩兵の移動 (Infantry Movement)

分隊の基本的な移動力4、指揮官の基本的な移動力6は『戦闘指揮官』(Squad Leader)と同じだ。歩兵OVR?OVRとは、敵ユニットと同じヘクスに入れるようだから、オーバーランのことか?後ろのページを読まないとわからないが・・・

『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)の[164.装備の所有]で導入された所有ルールはほぼ同じ形で踏襲されている。これはいいルールだと思うので納得だ。

警戒移動、全力移動、危険な移動、急速歩移動、ダッシュなどの移動方法があるようだ。匍匐前進はなくなったのだろうか?


5. スタック制限 (Stacking Limits)

「3個分隊相当」・・・ここまで読むと「今まで通りだな」と思ったら、次を読んで驚いた。「プラス4個のSMC」をペナルティなしでスタックできる。SMCとは単独兵カウンターのことで1人のユニットで、例えば指揮官だ。これまでは4ユニットで最大3個分隊だったから、指揮官1人+3個分隊や指揮官3人+1個分隊だったが、これからは3個分隊+指揮官4人がOKになるのだ。

さらにペナルティありでオーバースタックできるのだ!!

このルール変更は大きい!

 

6. 照準線 (Line of Sight:LOS)

死角ルールが厳密になったなぁ。縦軸に高度レベルの差、横軸に距離を置いて死角ヘクス数をまとめた表がほしい。

石塀や生け垣が1/2レベル障害物として定義され麦畑がLOS妨害として定義された。LOS妨害はヘクス数に応じてDRM(サイコロの目修整)が増えるのは合理的だ。

 

7. 射撃 (Fire Attacks)

移動期に移動しなくても前進射撃期に射撃すると火力が半分になる。脚注読むと理由に納得した。

火力を半分にしたくない場合、待機射撃のマーカーを載せるようだ。

歩兵射撃表(IFT)の結果が改訂されている。スタック全体が一気に除去されることがなくなりそうだ。

非装甲車両に対する攻撃もIFT上に記載された。

 

7.35 支援火器の使用では、「1個分隊は1個使えて2個使うと固有の火力(FP)を失う」とある。これまで分隊は、固有の火力+軽機2挺使えていたが使えなくなるのか?

7.36 自動火器ボーナスというのがあるようだが、きっと日本軍にはないのだろうなぁ。

7.37 追加歩兵射撃表(IIFT)は凄い!これまで火力は1,2,4,6,8,12,16,20,24,30,36だった。15火力の時には、切り捨てて12火力で解決していた。あと1火力あれば効果が全然違ったのに、と悔しい思いをしたものだ。IIFTは1/2火力ごとに列があるのでそれがなくなるのだ。脚注を読むと賛否両論あったようだ。

 

「残留FP」とはなんだろう?お!8.2に記載がある。防御臨機射撃の火力がそのヘクスに残るのかぁ~。なるほど。

 

7.5 射撃グループ 車両や砲も射撃グループ作れる!?

7.7 包囲は新たな概念だ。包囲されると士気値-1、包囲されているユニットの射撃時DRM+1だ。包囲されている。ユニットの最初の1ヘクス目の移動コストx2だ。納得のルールだ。

 

8. 防御射撃の原則(Defensive Fire Principles)

予想通り、『戦闘指揮官』(Squad Leader)の移動したのを戻すルールは消えて同時進行になった。これは賛成だ。私は『戦闘指揮官』(Squad Leader)でも選択ルールの「防御射撃の半自動」ルールが好きだった。

 

臨機射撃(First Fire)、最終射撃(Final Fire)がある。興味深いのは残留火力だ。防御射撃したヘクスに目標以外のユニットが侵入したら半分の火力で射撃されるというルールでマーカーも用意されている。

狙った目標以外に流れ弾が当たる可能性を再現しているのだろう。

これは囮分隊に防御射撃を受けさせて本命部隊が進撃する単純な陽動戦術に歯止めをかける納得のルールだ。

 

防御射撃は読んだだけだと難しそうだが、やってみたら意外とスムーズにいきそうな予感がする。

 

9. 機関銃と支援火器の故障(Machine Guns & SW Malfunction)

『戦闘指揮官』(Squad Leader)では1分隊は2挺のLMGまたは1挺のMMGやHMGで射撃できたが、ASLでは1分隊は1挺しか射撃できなくなった。シンプルになったといえる。


10. 士気 (Morale)

士気チェック(Morale Check)と負荷チェック(Task Check)が明確化された。士気チェックという概念が複雑化していたので用語を分けたことで明確になったと思う。

 

潰走(Routing)ルールはかなり明確化された。

『戦闘指揮官』(Squad Leader)では脱出と訳されていたが、ASLでは潰走と訳されている。いい訳になったと思う。

『戦闘指揮官』(Squad Leader)では、敵に隣接したヘクスを脱出路に使えたが、ASLでは使えない。『戦闘指揮官』(Squad Leader)では照準線(LOS)は脱出路の判定に無関係(夜間ルールや『G.I.勝利の礎』(G.I.Anvil of Victory)で追加になった。)だったがASLでは明確化された。

 

潰走にも阻止攻撃を加えられる。

 

回復時に建物、塹壕、林では地形ボーナス-1が適用される。なるほど、納得だ。


11. 白兵戦 (Close Combat)

白兵戦も随分変更がある。不意打ちや混戦からの脱出などだ。混戦状態マーカーができたのはよかった。

 

14.狙撃兵

ユニットを切っているときに狙撃兵カウンターないなぁ~と思ったら全面的にルールが変更になった。

ユニットは存在しないがSANがシナリオで決まっており、歩兵射撃表による攻撃時のダイス=SANの時、狙撃兵による攻撃が発生する。

 

15.戦渦

ヒーロー、クラス上昇、狂暴化、降伏に関するルールだ。

士気チェックのダイスが2のときもう一度ダイスを振る。

 

16.部隊の戦闘継続能力

これは以前あった戦闘態形の維持ルールだ。オプションだ。

 

17.負傷

この辺はとりあえず読み飛ばす。

 

18.昇進

この辺はとりあえず読み飛ばす。

 

19.ユニットの置き換え(Uxit Substitution)

戦闘経験レベル値(Experience Level Rating ELR)

『G.I.勝利への礎』(G.I. Anvil of Victory)と同じように士気チェック失敗回数>ELRかと思ったら、士気チェックの時、士気値+ELR<ダイス目で士気チェックに失敗すると発生する。もしかして『G.I.勝利への礎』(G.I. Anvil of Victory)の時点でそうだったのか?日本語ルール・ブックだと「戦闘に関係する士気チェックに失敗した回数がこの数値を越えると」(p.7)とある。英語だとsquad which fails a MC by an amount > its ELR(p.111)とある。ああ、このamountを回数の合計とホビージャパンの訳者は思ったのだなぁ~。納得。

 

6ターンしかないのにELR5のシナリオだと毎ターン士気チェック失敗なんて有り得ない、と思っていたが、これで納得できた。

 

20.捕虜

この辺はとりあえず読み飛ばす。

 

21.装備の捕獲

この辺はとりあえず読み飛ばす。

 

24.煙幕

この辺はとりあえず読み飛ばす。

 

25.国籍による特徴

あれ?日本軍がない。これは別なモジュールで追加されるのか?

 

25.22 ソ連軍コミッサールの回復力は凄いなぁ。DM無視して士気値+1して、コミッサールが狂暴化すると自動的に狂暴化するのか。

 

『G.I.勝利への礎』(G.I.Anvil of Victory)まで進んでおいてよかったと思った。

これから先を読んで、プレイするのが楽しみだ。