Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン『SIMULATOR』第8号(1984/01/25)



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隔月刊の『SIMULATOR』誌。当時の価格で400円。全59ページ。
特集は『電撃!東部戦線』だ。

 

p.2 室長の声 深見耕一

ウォーゲーム業界が新しい動きを迎えている。その中であらためて「ゲーマーによるゲーマーのためのS.G.評論誌」という立場で挑戦する、と宣言している。

ロールプレイングゲームの波、ファンタジー系の波、多様化するゲーマーの嗜好、という点でこの頃は大きな波が来ていたといえよう。

新しい企画として、オリジナル・ゲーム・コンテストの開催と「シミュレイター・ネットワーク・サービス」(SNS)を始めるとのこと。現在のSNS(Social Network Services)とは全く違うが略称が同じなのは面白い。

 

p.4 グデーリアンとバルバロッサ作戦 大平英樹

グデーリアン第一次世界大戦から戦間期の生涯とフランス戦、バルバロッサ作戦までを概観している。

 

p.12 Battle Report The Russian Campaign ソ連軍山田道夫(FD会長) ドイツ軍星野貴昭(RCファン) レポーター 深見耕一

AH『独ソ戦』(The Russian Campaign)のバトル・レポート(AAR)だ。ドイツ軍は南方重視、ソ連軍はスタックせず二重に戦線を形成する。北方や中央のソ連軍は大きく後退し南方あ徐々に後退してドイツ軍を消耗させる作戦だ。

このゲームは名作と誉れが高いのでいつかはプレイしてみたい。

 

p.18 How to Win Part-II 独ソ電撃戦、入門ゲームに作戦の奥義を見た! 上野時夫

EPC『独ソ電撃戦』の必勝法研究だ。

よくやってしまう悪い例として、「装甲部隊で包囲したソ連軍を全滅させるまで前進させない」というのがある。そんなユニットは歩兵にまかせるべきだ。

初心者同士だとドイツ軍有利。中級者でソ連軍に戦線の概念が出てくるとドイツ軍の方が難しくなる。

ドイツ軍が勝つためには敵の第1線の弱い所に勢力を集中し穴をあけ、そこから突破することだ。

ドイツ軍の戦術

 ①平地の歩兵師団1に対しては装甲+歩兵15戦闘力攻撃する

 ②包囲していない敵に対しては1:2から4:1まで同じなので3:1攻撃を2回するなら1箇所に集中してDEを狙う

 ③4:1にしかならないなら分散して何カ所も攻撃する。

 ④平地にいる戦闘力6以上のユニットには1:1ではなく1:2攻撃をする。

 ⑤戦闘後前進で敵ユニットを包囲できるならできるだけ5:1以上で攻撃する。

 ⑥包囲した敵はできるだけ5:1攻撃でつぶす。

 

ドイツ軍の作戦

 ①第3装甲集団

 ・攻撃の主力をソ連第11軍に向ける。

 ・ウィルナからミンスクへと突入し突破するのが理想。

 ②第2装甲集団

 ・第1ターンにブレストは攻撃しない。第2ターンに包囲して攻撃する。

 ・南方の失地の中野美智に7-10師団と騎兵師団を送る作戦は考慮に値する。ソ連軍を遊兵化できる。

 ・ミンスクは無理して取らなくてもよい。

 ③歩兵師団

 ・どんなにがんばってもウィルナとバラノウィッチ辺りまでしか届かないので、補給路上に残った敵をゆっくり包囲すればいい。

 

ソビエト軍の必勝法

 ①包囲されない戦線の形成

 ②地形の利用

 ③反撃不要

 ④遅滞戦術

 

とてもわかりやすい作戦研究だ。

 

P.25 シミュレーション・ゲーム・インフォメイション

ホビージャパンツクダホビー、エポック、バンダイ、アドテクノスなど当時のメインの会社の新製品を紹介している。

ブックレビューでは『コンピューターシミュレーションゲーム入門』をとりあげている。著者は大木毅氏、上田暁氏。お二人は木屋通商コンピューター・ゲーム開発室の主任研究員だそうだ。

あの大木毅氏が木屋通商さんとも関わっていたとは驚いた。

 

p.41 ヒゲの大佐のゲームデザイン講座 第6回 鈴木銀一郎

 

ディーン・R・クーンツの『ベストセラー小説の書き方』の中に「利益のむさぼり」という話がある。マフィア小説がヒットすると、イミテーションが多数出てくる。読者は飛びつくが何回も失望しそのテーマが食い物にされ離れてしまう。

ウォーゲーム業界がこうならないようにしたい、という鈴木銀一郎氏の願いだったが・・・。

ゲームデザインの時のテーマ選定のポイントは、「1なるべく知られたテーマであること 2両軍の作戦に選択の幅があること 3リーダーの大ミスがゲーム・バランスを決めないこと」

至極名言だ。

ゲームのポイントをどこに置くか、「EPC『マレー電撃戦』では士気、練度、疲労を総合したモラルに焦点を当てた。」

「ゲームスケールは当時のエポック社ワールドウォーゲームシリーズのマップサイズに合わせた。」

「プレー時間4時間以内にした。アンケート分析によって明らかだからだ。」

 

納得だ。

 

「プレイアビリティとシミュレーション性は必ずしも相反するものではない。」

意外な気がしたが、「シミュレーション性の高さとは、それぞれのゲームのクラスに応じて、採用されたシミュレーションの各要素のバランスの良さなのです。」ということに納得した。

 

p.44 How to Win 近代戦に学ぶ戦略戦術 近代海戦に学ぶ戦略戦術 太平洋戦争と空母機動部隊 大平英樹

 

太平洋戦争において日本軍に勝利があり得たか、を4期に分けて戦況を概観しながら論じている。

 

p.59 よくでる作戦演習問題

今回は、EPC『独ソ電撃戦』からの出題。

 

次号も楽しみだ。