Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

AT『ノルマンディ上陸作戦』作戦研究その2 ステップ1上陸作戦準備 ドイツ軍


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アド・テクノス『ノルマンディ上陸作戦』(Normandy Operation Overlord)の作戦研究第2弾として、ステップ1上陸作戦準備のドイツ軍作業を計算をしてみた。

 

本ゲームでは、どの作業が何に効果があり、そこにかけるコストがどの程度なのか、将軍の支援をどの程度加えるといいのか、初めてゲームをするときにわからない。

 

それぞれの作業が何に効果があるのか説明し、私が思う優先度を高中低で説明する。

 

【1】ドイツ軍スタッフ表期待値

ドイツ軍のスタッフ表から期待値を算出してみた。

ロンメルを配置した場合が作業修正3で、ロンメルを配置しない場合が作業修正0である。

これを見ると、どの作業がどのくらい進むか目星がつくだろう。

ドイツ軍スタッフ表期待値 作業修正0 作業修正3
スタッフ0 0.17 0.67
スタッフ1 0.50 1.50
スタッフ2 1.17 2.50
スタッフ3 1.67 2.67

【2】交渉表

連合軍がサイコロを振り、出た目とスタッフ表の交差したところの数値を、ドイツ軍に伝える。

ドイツ軍はサイコロを振り、連合軍に教えられた機密保持の数値と交差したところの数値だけ上層部表のマーカーを動かす。

-4から-6だとカレー説、+4から+6だとノルマンディ説になる。

ロンメルヒトラーとの交渉をするときにカレー説だとサイコロの目-1、ノルマンディ説だとサイコロの目+1となる。

 

ドイツ軍の交渉表の確率は以下のようになる。

 

  A B C D E F G H
カレー説 0% 0% 6% 11% 22% 25% 28% 8%
通常 0% 3% 8% 14% 25% 22% 22% 6%
ノルマンディ説 3% 3% 14% 17% 25% 19% 17% 3%

 

AからHの意味は下記の通りだ。

A ロンメル、西方総軍司令官に任命 (増援あり)

B グデーリアン、ノルマンディ説に同意

C 西方総軍の指揮権強化 (増援あり)

D ノルマンディに、装甲師団の投入を認められる (増援あり)

E 西方総軍予備からの増援を認められる (増援あり)

F 口約束

G 要請拒否(ヒトラーイニシアチブ+1)

H 内陸機動戦略採用(ヒトラーイニシアチブ+1) (ノルマンディから部隊が移動する)

 

なるべくノルマンディ説にしておく必要がある。

増援が増えたり減ったりするので影響は大きい。

しかし、ロンメルを総統本営に置いていないと、ドイツ軍はこの交渉を行えない。

 

上層部表がカレー説になっていない前半にヒトラーと交渉し増援を得ておくのがいい作戦だろう。序盤の優先度は高、中盤は中、Dデイ前は低だろう。

【3】上層部判断表

上層部判断表の期待値は以下のとおりである。

 

  機密保持0 機密保持1 機密保持2 機密保持3 機密保持4
上層部判断表期待値 +0.33 0.00 -0.33 -0.67 -1.33

 

+4以上だとノルマンディ説、-4以下だとカレー説だ。最初は0から始まるので、序盤のうちに、ヒトラーとの交渉を済ませ、上層部判断の影響が出ないようにするのがドイツ軍の作戦だろう。

 

【4】海岸防御陣地

ドイツ軍が海岸防御陣地を配置できる海岸は、サン・マルクフ島含めて25ヘクスだ。

海岸の地形修整 ヘクス数
0 12
+1 10
+2 3
合計 25

それに対して海岸防御陣地ユニットは28個ある。

全25ヘクスの戦闘力を1にするために必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 150 38
スタッフ1 50 17
スタッフ2 21 10
スタッフ3 15 9

 

全25ヘクスの戦闘力を2にするために必要なターン数は次のとおりだ。

計算上は、スタッフ3で、ロンメルをずっと配置し続けると19ターンで、全25ヘクスの戦闘力を2にできる。実際にはスタッフ3を構築にすると、資材のスタッフが不足するので、資材の蓄積が間に合わない可能性がある。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 300 75
スタッフ1 100 33
スタッフ2 43 20
スタッフ3 30 19

 

地形修正+2のヘクスには海岸防御陣地を配置しないとして、地形修正0と+1の22ヘクスに戦闘力1の海岸防御陣地を配置するために必要なターン数は次のとおりである。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 132 33
スタッフ1 44 15
スタッフ2 19 9
スタッフ3 13 8

 

地形修正0と+1の22ヘクスに戦闘力2の海岸防御陣地を配置するために必要なターン数は次のとおりである。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 264 66
スタッフ1 88 29
スタッフ2 38 18
スタッフ3 26 17

 

地形修正0の12ヘクスは戦闘力2、地形修正1の10ヘクスは戦闘力1の防御陣地を配置するために必要なターン数は次のとおりである。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 204 51
スタッフ1 68 23
スタッフ2 29 14
スタッフ3 20 13

 

【5】砲台

ドイツ軍が砲台を配置できる海岸は、サン・マルクフ島含めて29ヘクスだ。

それに対して海岸防御陣地ユニットは28個ある。

ユニット数内訳は次のとおりだ。

  ユニット数
ダミー 14
1 7
2 4
3 3
合計 28

 

全28砲台を配備するのに必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 168 42
スタッフ1 56 19
スタッフ2 24 11
スタッフ3 17 11

 

ダミーを除いた砲撃力1,2,3の砲台ユニットを配置するのに必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 84 21
スタッフ1 28 9
スタッフ2 12 6
スタッフ3 8 5

 

砲撃力2,3の砲台ユニットを配置するのに必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 42 11
スタッフ1 62 5
スタッフ2 24 3
スタッフ3 0 3

 

砲撃力3の砲台ユニットを配置するのに必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 18 5
スタッフ1 6 2
スタッフ2 3 1
スタッフ3 2 1

 

【6】対空挺障害

対空挺障害マーカーは全部で12個だ。

対空挺障害マーカーを配置可能なヘクス(空挺降下可能なヘクス)はとても多い。

そのため海岸防御陣地や砲台より優先順位は下がるだろう。

 

ちなみに全12個の対空挺障害マーカーを配置するのに必要なターン数は次のとおりだ。

  作業修正0 作業修正3
スタッフ0 72 18
スタッフ1 24 8
スタッフ2 10 5
スタッフ3 7 5

【7】まとめ

ドイツ軍は、資材がないと構築できない。

そのため、スタッフ数は資材>構築としないといけない。

 

ロンメルは序盤に総統と交渉し増援を得ておくべきだ。

訓練は後からロンメルを追加してせっせと進めるのがいいだろう。