国際通信社の『日本機動部隊』第2版よりシナリオ6「ミッドウェー海戦」をソロプレイしてみた。
なお、索敵には12面体サイコロを利用し、どのユニットを索敵するかは、ダイスの目次第にした。
また、下記リンクによると第2版(2刷り)でミッドウェー海戦のマップが変更になっている。今回はこの第2版(2刷り)のマップを使用してのプレイである。
【0】初期配置
【1】第1ターン(1942/06/05 0000)
両軍ともに前進する。
【2】第2ターン(1942/06/05 0300)
両軍ともに前進する。
ミッドウェーから飛び立ったPBYカタリナ飛行艇によって日本軍艦隊4個が早くも発見された。
アメリカ軍は北から順にNo.1艦隊、No.2艦隊、No.3艦隊、No.4艦隊と名前をつけた。それぞれ下の写真のダイスの位置だ。
フレッチャー少将は「ヨークタウン隊は日本軍No.1艦隊空襲に向かえ。ホーネットとエンタープライズのF4Fはミッドウェー上空の援護に飛べ!」と下命した。
日本軍は予定通り、ミッドウェー空襲に向けて準備していた。
各空母から零戦9機(1ユニット)x4=36機(4ユニット)、99式艦上爆撃機9機(1ユニット)x4=36機(4ユニット)、97式艦上攻撃機9機(1ユニット)x4=36機(4ユニット)の合計108機が飛行甲板に並べられ、ミッドウェーに向かって飛び立って行った。
また各空母の上空直援機として零戦9機(1ユニット)x4=36機(4ユニット)も上空に飛び立っていった。
【3】第3ターン(1942/06/05 0600)
夜明けだ!
「ミッドウェー上空にアメリカ軍戦闘機が100機近く(実際には81機(9ユニット))も上がっているぞ。」爆撃隊長が驚く。「こんなにいるなんてこっちの手の内を読んでいて待ち伏せしたのではないか?」
零戦隊が次々とアメリカ軍戦闘機隊に襲いかかるが、一部が爆撃隊にも突入してくる。
あちこちで激しい空中戦が繰り広げられる。
次々と煙を吐いて落ちていく戦闘機。
アメリカ軍はF2A27機(3ユニット)中13機(1.5ユニット)、F4F54機(6ユニット)中13機(1.5ユニット)を失った。
F2Aの残りは14機(1.5ユニット)、F4Fは41機(4.5ユニット)だ。
日本軍は零戦36機(4ユニット)中22機(2.5ユニット)を失い残りが14機(1.5ユニット)だ。
99式艦上爆撃機も4機(0.5ユニット)失い、5機(0.5ユニット)も戦闘機の迎撃から逃れるために爆弾を投棄してしまった。
下の写真のダイスの右側が壊滅したユニットで、左側が残存したユニットだ。
戦闘機群の迎撃を生き残った爆撃隊がミッドウェーを空襲する。
ミッドウェーは中破し裏になった。
「ミッドウェーニ継続攻撃ノ必要性認ム」と爆撃隊から赤城へ打電された。
赤城上空にB17が見えた。
上空にいる零戦隊がB17に向かおうとすると、艦載機も見えた。零戦隊は艦載機群に向かった。
B17は高高度から水平爆撃をして赤城を狙ったが、赤城には命中弾も至近弾もなかった。B17はそのままハワイに帰投した。
赤城上空では零戦隊9機(1ユニット)とF4F18機(2ユニット、SBD18機(2ユニット)が空中戦だ。
零戦隊の活躍でF4F4機(0.5ユニット)が撃墜された。
SBDは無傷で赤城に急降下爆撃を仕掛ける。
「ミートボール目がけて急降下だ。レッツゴー!」と爆撃隊隊長が指示する。
SBD18機が次々と赤城に襲いかかる。
赤城や護衛艦艇からの対空砲火でSBDが4機(0.5ユニット)煙を吐いて海面に突っ込んでいく。
それでも残った14発の爆弾が赤城の前後左右で水柱を上げる。
回避運動で甲板にある魚雷や爆弾がゴロゴロ転がりそうになる。
整備員は左右に激しく揺れる。
至近弾で赤城が小破した。
日本軍が何ヘクス索敵できるのかルールブックに書いていないので珊瑚海海戦と同様に1空母1ヘクスとする。
「ヘクス1906、1907ニ敵影見ズ」
「ヘクス1915ニ敵艦隊発見。空母ハ見ズ」
「ヘクス1911ニ敵機動部隊発見!!」
赤城艦橋に次々と索敵機からの電文が入る。
ヘクス1911のアメリカ軍空母を発見したのは赤城を襲った敵攻撃隊をこっそり追尾して判明したのだ。
「ヘクス1911がの敵空母からミッドウェー上空に援護に来ており、赤城を襲ったのだな。」と艦橋ではアメリカ軍の作戦が見えたと幕僚達が喜んでいた。
だが南雲長官は「敵空母が一隻のはずがない。」と不安げだった。
【4】第4ターン(1942/06/05 0730)
日本軍は各空母の零戦隊9機(1ユニット)を上空に上げ、残った零戦5機(0.5ユニット)と99式艦上爆撃機36機(4ユニット)と雷装の97式艦上攻撃機45機(5ユニット)でアメリカ軍一番艦隊(実際にはヨークタウンの艦隊)攻撃を目指す。
アメリカ軍はヨークタウン上空にF4F9機(1ユニット)を上げた。
エンタープライズとヨークタウンからSBD54機(6ユニット)、TBD9機(1ユニット)の攻撃隊が赤城を目指す。
赤城上空で激しい戦闘が始まった。
零戦隊は18機(2ユニット)のSBDを撃墜した。
しかしSBDの後方機銃により零戦隊も9機(1ユニット)を失った。
「ミートボールを狙ってダイブだ!」エンタープライズ隊の隊長が下命する。
赤城が必死の操艦で回避しようとするが、爆弾が次々と命中した!!
赤城が轟沈した!!
「やった~っ!次は敵戦艦を狙え!!」エンタープライズ隊が戦艦榛名を爆撃する。
榛名が中破した!!
雷撃隊のTBDが日本軍駆逐艦を狙って魚雷を発射するが、魚雷は明後日の方向に飛んで行った。
ヨークタウン上空に日本軍の攻撃隊が到着した。
ヨークタウンを守るのはF4F9機(1ユニット)だけだ。
日本軍は零戦5機(0.5ユニット)と99式艦上爆撃機36機(4ユニット)と97式艦上攻撃機45機(5ユニット)だ。
F4Fの迎撃では日本軍は損害を受けなかった。
日本軍攻撃隊が次々とヨークタウンに襲いかかった。
ヨークタウンに魚雷が3本命中し轟沈した。
さらに99式艦上爆撃機の攻撃で重巡ポートランドも沈んだ。
日本軍は97式艦上攻撃機9機(1ユニット)と99式艦上爆撃機4機(0.5ユニット)を失い引き揚げていった。
「ヘクス1806連絡ナシ」「ヘクス1812敵機動部隊発見!!」「ヘクス1911敵影見ズ」赤城を失った日本軍に索敵機からの電文が入ってきた。
「よし!赤城の仇討ちだ。ヘクス1812の敵機動部隊を攻撃準備!!」各空母に命令が下った。
【5】第5ターン(1942/06/05 0900)
日本軍の残存空母は加賀、蒼龍、飛龍の3隻だ。
零戦は36機(4ユニット)、99式艦上爆撃機は59機(6.5ユニット)、97式艦上攻撃機は63機(7ユニット)で合計158機だ。
既に零戦45機(5ユニット)、99式艦上爆撃機は13機(1.5ユニット)、97式艦上攻撃機は9機(1ユニット)で合計67機を失っていた。
対するアメリカ軍はF4F50機(5.5ユニット)、SBD72機(8ユニット)、TBD18機(2ユニット)
合計140機が健在だ。その他にミッドウェーにF2A14機(1.5ユニット)、B26が9機(1ユニット)、SB2U9機(1ユニット)、TBD9機(1ユニット)の合計41機が残っている。
日本軍は加賀からアメリカ軍エンタープライズに攻撃隊を向かわせた。
零戦9機(1ユニット)と99式艦上爆撃機9機(1ユニット)と97式艦上攻撃機9機(1ユニット)だ。
F4Fと零戦隊の空中戦の結果、零戦隊がF4F9機(1ユニット)を撃墜したが、零戦隊も4機(0.5ユニット)を失った。
97式艦上攻撃機と99式艦上爆撃機がエンタープライズを攻撃する。
防空軽巡アトランタを始めとするアメリカ軍の激しい対空砲火で99式艦上爆撃機9機が火を噴いて海面に叩きつけられた。
低空をかいくぐって97式艦上攻撃機がエンタープライズを雷撃する。
エンタープライズの前部に魚雷2本が命中した!!エンタープライズの前部甲板が爆風で盛り上がってしまい、航空機が発艦できなくなった。
日本軍空母加賀上空にアメリカ軍エンタープライズを発艦した攻撃隊が来襲した。
F4F5機(0.5ユニット)とTBD9機(1ユニット)だ。
激しい空中戦だ。
日本軍の零戦隊9機(1ユニット)がアメリカ軍によって次々と落とされていった。
TBD9機(1ユニット)が空母加賀を攻撃する。
雷撃射点に到達する前に対空砲火でTBDの半分4機(0.5ユニット)が撃墜された。
雷撃射点に到達したTBDの雷撃では魚雷はいずれも命中しなかった。
アメリカ軍の攻撃隊はミッドウェー島に引き揚げていった。
日本軍の蒼龍隊がミッドウェー島上空に到達した。
ミッドウェー島上空にはF2A14機(1.5ユニット)が待ち受けていた。
アメリカ軍F2A9機(1ユニット)が撃墜された。
なんと99式艦上爆撃機との空中戦でもF2Aが撃墜された。
99式艦上爆撃機と97式艦上攻撃機の爆撃だがミッドウェーには損害を与えられなかった。
「ミッドウェー追加爆撃ノ要アリ」と打電された。
飛龍の97式艦上攻撃機隊と99式艦上爆撃機合計18機(2ユニット)がホーネット上空に到達した。
ホーネット上空には直援機がいない。
激しい対空砲火で99式艦上爆撃機9機(1ユニット)が全滅した。
97式艦上攻撃機がホーネットに雷撃しようと低空から襲いかかる。
魚雷が命中した。その爆風が飛行甲板上にあったTBDの魚雷に誘爆し、F4Fにも飛び火し次々と炎上した。
ホーネットが大火災に包まれ大炎上し、海面に姿を消した。
ミッドウェーを飛び立ったアメリカ軍の攻撃隊が蒼龍に襲いかかった。
B26が9機(1ユニット)、SB2U9機(1ユニット)、TBD9機(1ユニット)だ。
迎え撃つ零戦隊は9機(1ユニット)だ。
赤いダイスの右側、零戦隊4機(0.5ユニット)、TBD9機(1ユニット)が撃墜された。
残ったSB2UとB26が空母蒼龍に襲いかかる。
対空砲火でSB2Uを撃墜した。
B26の爆撃は蒼龍のそばに空しく水柱を立ち上げただけだった。
空母飛龍上空にホーネットを飛び立ったSBD36機(4ユニット)が到達した。
上空には零戦隊9機(1ユニット)がいるだけだ。
零戦隊がSBD4機(0.5ユニット)を撃墜した。5機(0.5ユニット)も生き残ったが爆弾を投棄した。
SBD27機(3ユニット)が飛龍に急降下爆撃を仕掛ける。
対空砲火で9機(1ユニット)が海面に激突した。
残った18機(2ユニット)の攻撃を飛龍は巧みな操艦で全てかわした。
「ヘクス1708、1914、1915ニ敵影見ズ」と電文が日本軍司令部に入ってきた。
「もう敵艦はこれで全てのようだな。」と後方の戦艦大和艦上で山本五十六司令長官がつぶやいた。
ここまでで日本軍は空母赤城を失った。アメリカ軍は空母ヨークタウンとホーネットの2隻と重巡ポートランド1隻を失った。
日本軍は戦艦榛名が中破している。
アメリカ軍は残ったエンタープライズも発艦不能だ。
日本軍の残存機は零戦27機(3ユニット)、99式艦上爆撃機41機(4.5ユニット)、97式艦上攻撃機54機(6ユニット)の合計122機だ。
アメリカ軍はF2A5機(0.5ユニット)、F4F5機(0.5ユニット)、SBD23機(2.5ユニット)、TBD5機(0.5ユニット)、B26が5機(0.5ユニット)の43機だけだ。
エンタープライズを攻撃にはF4F9機(1ユニット)とSBD36機(4ユニット)があるが、発艦できない。
【6】第6ターン(1942/06/05 1030)
フレッチャー少将はエンタープライズを真珠湾に引き揚げさせることにした。
そして残った水上艦で日本軍に損害を与えるべく前進した。
日本軍も中破しているとはいえ戦艦榛名は攻撃力も健在なので、近づいてきたアメリカ軍水上艦部隊と戦うことにした。
また空母機はミッドウェー空襲に向けた。
ミッドウェー島上空でF2Aと零戦の空中戦になる。
F2Aは全滅したが零戦隊も同数が撃墜された。性能に劣るF2Aが大健闘したといえるだろう。
ミッドウェー島に日本軍の激しい爆撃だ。
97式艦上攻撃機は雷装ユニットを使っている者もあるが、すべて水平爆撃だ。
ミッドウェー島が大破した。
さらなる攻撃でミッドウェー島の飛行場が機能を失った。
日本軍は戦艦榛名から重巡アストリアを砲撃するが、命中弾がなかった。
フレッチャー少将は、日本軍に戦艦がいることを知り、ミッドウェー島海域からの撤収を決めた。
ニミッツもそれを承認した。
【7】勝敗の確認
日本軍の戦略ポイント15
戦術ポイントは空母2隻撃沈で20 重巡1隻撃沈で3
空母1隻中破で4
戦術ポイント合計 27
戦略ポイントと戦術ポイント合計42
アメリカ軍は空母1隻撃沈で13 戦艦1隻中破で4
戦術ポイント合計17
42-17=25
日本軍の大差の勝利だ。
【8】両軍の損害と残存
連合軍の損害は次のとおりだ。
空母2隻沈没 「ヨークタウン」「ホーネット」
空母1隻中破 「エンタープライズ」
重巡1隻沈没 「ポートランド」
日本軍の損害は次の通りだ。
空母1隻沈没 「赤城」
戦艦1隻中破 「榛名」
日本軍の残存航空機は次の通りだ。
零戦 9ユニット中2.5ユニット 損害6.5ユニット(損耗率72%)
99式艦上爆撃機 8ユニット中4.5ユニット 損害3.5ユニット(損耗率44%)
97式艦上攻撃機 9ユニット中7ユニット 損害2ユニット(損耗率22%)
合計 26ユニット中14ユニット 損害12ユニット(損耗率46%)
アメリカ軍の残存航空機は次の通りだ。
F4F 6ユニット中1ユニット 損害5ユニット(損耗率83%)
SBD 12ユニット中4ユニット 損害8ユニット(損耗率67%)
TBD 4ユニット中0ユニット 損害4ユニット(損耗率100%)
F2A 3ユニット中0ユニット 損害3ユニット(損耗率100%)
B17 1ユニット中1ユニット 損害0ユニット(損耗率0%)
B26 1ユニット中0ユニット 損害1ユニット(損耗率100%)
SB2U 1ユニット中0ユニット 損害1ユニット(損耗率100%)
合計28ユニット中6ユニット 損害22ユニット(損耗率79%)
日本軍の勝利ではあるが、零戦隊がかなり撃墜されてしまった。
【9】感想
今回は、史実をくつがえし日本軍の大差の勝利となった。
だが、日本軍も空母赤城を失い、決してラクな勝利ではなかった。
ミッドウェー海戦は日本軍が楽勝できるような状況でなく、よくて五分と五分、見方によってはアメリカ軍が有利な状況だったことがよくわかる。
アリューシャン列島に派遣した部隊もミッドウェーに向けるべきだったことがよくわかる。
山本五十六司令長官は何でアリューシャン列島とミッドウェーに分割することを許したのだろうか?ミッドウェー作戦は、山本五十六司令長官の発案なのだから、敵空母を誘い出して撃破することが最大の目的であること、空母群の集中運用すべきだということを、きちんと部下に自分の考えを話しておくべきだった、と思う。
また何度もプレイしてみたい。