Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ドイツアフリカ軍団』(Afrika Korps)作戦研究 (2)

TACTICS No.2に載っていたドイツアフリカ軍団作戦研究その2。

3.D.A.K戦略

 ドイツ軍の攻撃法に「D.A.K戦略」があるそうだ。TACTICS誌には、アリエテ師団の動きの記載がないが、イタリア軍ベンガジを目指し、ドイツ軍が砂漠を東に直行するとみた。

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パレベダ=ギャンビット対D.A.K戦略

 ドイツ軍は砂漠を直行し、トブルクを目指すのか、アレキサンドリアを目指すのか、どちらにしても思い切った作戦だ。だが、「ドイツ軍が分断されていて相互に協力できないだろう。」と思ったら、TACTICS誌でも同様の記載があった。

 パレベダ=ギャンビットを倒すドイツ軍の作戦はないのだろうか?

 

4.ロックウッド戦略

 それがロックウッド戦略だそうだ。TACTICS誌の通りに展開したが、21/3がD7まで届かないと思うのだが・・・。『ジェネラル』(THE GENERAL)誌の原文にあたらないとだめだなぁ・・・。作戦目標は、海岸通りを守ろうとする英軍を少しでもトブルク寄りに押すということだ。パレベダ=ギャンビットを倒すほどの解説はないし、それほど効果的とも思えない。

 『ジェネラル』(THE GENERAL)は、アバロンヒル社が出していた同社のゲーム用雑誌だ。作戦研究、ヒストリカル・ノート、デザイナーズ・ノート、バリアント、Q&Aなどが掲載されていた雑誌だった。

Webで検索すると・・・以下のサイトで、なんと無料で記事が読める!!

 

The General Magazine : Free Texts : Free Download, Borrow and Streaming : Internet Archive

 

驚いた!!当時のものを古本屋やオークション・サイトで探さなくてもいいのだ!!

こういう点はアメリカの考え方は面白い。著作権を大事にするが、時が経ったらパブリック・ドメインとして公開するという考えなのだろう。日本の場合、著作権保護といったら著作権を守らなければダメ、という考えだから、こういう形になるのはなかなか難しいだろう。青空文庫ががんばっているが、雑誌記事はこうはならないだろう。

個人的には昔の『ホビー・ジャパン』誌や『TACTICS』誌がこんな風に自由に読めるといいのだが・・・。

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ロックウッド戦略

5.偵察部隊奇襲攻撃

 ドイツ軍偵察部隊による英軍主根拠地奇襲攻撃である。高速を生かして単独でエル・アラメイン、そして英軍主根拠地をひたすら目指す作戦だ。

ドイツ軍らしい作戦だ。

 英軍は気づいたときにエル・アラメインや主根拠地に部隊を待機させれば済むだろう。下図では、K54に1-1-6を配置して備えている。待機させる部隊が遊軍になる恐れがあるが、待機させておけばそれほど恐れる作戦ではないと思う。

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偵察部隊奇襲攻撃 緑の部隊がひたすら英軍主根拠地を目指す

 『ドイツアフリカ軍団』(Afrika Korp)は、移動力がとても大きく、ちょっとした配置のちょっとしたミスが命取りになる可能性があり、エキサイティングな攻防が味わえる好ゲームだと思う。