ホビージャパンの『大日本帝国海軍』(IJN Imperial Japanese Navy, 1941-45)の、第一次ソロモン海戦シナリオをプレイしてみた。プレイアビリティーが高いので、昔、ずいぶん、プレイした。
初期配置は下図のような感じ。中央の白い紙はサボ島。本当はサボ島マップがあるのだが、紛失したので紙で代用。『大日本帝国海軍』(IJN Imperial Japanese Navy 1941-45)の場合、個艦ではなく艦隊運動を重視したルールになっている。
左下のピンク色の8隻が日本軍。重巡鳥海、青葉、加古、衣笠、古鷹、軽巡天龍、夕張、駆逐艦夕凪。右下がの4隻がキャンベラを旗艦とする南方部隊。重巡シカゴ、駆逐艦バグレイ、パターソン。右上が北方部隊。重巡ビンセンズ、クインシー、アストリア、駆逐艦ヘルム、ウィルソン。サボ島の周囲にいるのが左(西)にいるのが、駆逐艦ラルフ・タルボット、サボ島の右下にいるのが駆逐艦ジャービス。
第1ターン:鳥海と青葉の砲撃でジャービスがあっという間に沈没。
第3ターン:キャンベラに魚雷が命中し、沈没。これで南方部隊は退却に入らないといけなくなった。シカゴとパターソンも中破。
ゲームだと「キャンベラの敵討ち」とばかりに最後まで戦おうとしがちだが、現実には沈んだ僚艦の乗員を救助し戦場を離脱するのが普通。このルールは現実を的確にシミュレートしていていいルールだと思う。
南方部隊を撃破した日本軍は、東に北方部隊を逃がさないように、サボ島とサンドイッチするように大回りする航路をとる。北方部隊と平行線になりながらの砲雷撃戦。
第5ターン:重巡アストリアの砲撃が沈黙。
第7ターン:ビンセンズの砲撃力0になり、火災も発生し、移動力0になる。
クインシーが砲撃を受け沈没。
第8ターン:ビンセンズも沈没!!
史実では、日本軍は二手に分かれて北方部隊を挟みうちにしたが、今回は一本の単縦陣で北方部隊の右翼から攻撃した。至近距離からの砲雷撃で北方部隊を壊滅させた。日本軍が魚雷次発装填装置を持っているのは大きい。南方部隊で一回、北方部隊に一回発射することができた。この後、輸送船団攻撃に向かう余力はない、といってよい。東方部隊(軽巡サン・ファン、ホバート、駆逐艦モンセン、ブキャナン)と戦うことになったら、日本軍にも大きな損害が出ただろう。
結局、日本軍は、失った艦はゼロ。重巡鳥海、加古、衣笠が中破、軽巡夕張小破。
連合軍が失ったのは、重巡4(キャンベラ、ビンセンズ、クインシー、アストリア)、駆逐艦2(ジャービス、ヘルム)。残った艦も、重巡シカゴ中破。駆逐艦パターソン、ウィルソン中破、バグレイ小破、ラルフ・タルボットのみ無傷だった。
今回は史実以上の、日本軍の完勝だった。
このゲームのユニットは当時ホビージャパンが出していた『デザイナーズキット』のユニットと同じように紙の厚さが薄い。『アイアン・ボトム・サウンドⅢ』(IRON BOTTOM SOUND)のデザインは美しくて素晴らしいのに対し、文字も小さく、おっさんになった今は、手に持って動かすのも、ユニット上の数字を読むのもしんどい。
『アイアン・ボトム・サウンドⅢ』(IRON BOTTOM SOUND)と比べると、砲撃の結果、どの部分に被害が出たか、どの兵装で反撃できるか、などが抽象化されているが、その分、プレイアビリティーが高く、プレイできるのがこのゲームのいいところだ。
第一次ソロモン海戦(IJN) | |||||||
日本軍 | 参加 | 損失 | 残存 | 連合軍 | 参加 | 損失 | 残存 |
CA | 鳥海 | - | ○ | CA | キャンベラ | ● | - |
青葉 | - | ○ | ビンセンズ | ● | - | ||
加古 | - | ○ | シカゴ | - | ○ | ||
衣笠 | - | ○ | クインシー | ● | - | ||
古鷹 | - | ○ | アストリア | ● | - | ||
小計 | 5 | 0 | 5 | 小計 | 5 | 4 | 1 |
CL | 天龍 | - | ○ | - | - | - | |
夕張 | - | ○ | - | - | - | ||
小計 | 2 | 0 | 2 | 小計 | 0 | 0 | 0 |
DD | 夕凪 | - | ○ | DD | バグレイ | - | ○ |
- | - | - | パターソン | - | ○ | ||
- | - | - | ヘルム | ● | - | ||
- | - | - | ウィルソン | - | ○ | ||
- | - | - | ラルフ・タルボット | - | ○ | ||
- | - | - | ジャービス | ● | - | ||
小計 | 1 | 0 | 1 | 6 | 3 | 3 | |
合計 | 8 | 0 | 8 | 11 | 7 | 4 |