Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン『SIMULATOR』第3号(1983/03/15)

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隔月刊の『SIMULATOR』誌。当時の価格で400円。全51ページ。
発売されていた当時は小遣いをゲームにつぎ込んでいたので店頭での立ち読みくらいしかしていなかった。

 

p.4 クロス・レヴュー

ウォーゲーム・クラブの5人がプレイバランス、プレイやビリティー、おすすめ度の観点で採点しコメントしている。今回は、AH『アルンヘム強襲』(Storm Over Arunhem)、EPC『日本機動部隊』、BAN『最前線』、HJ『マーケットガーデン作戦』などだ。AH『アルンヘム強襲』(Storm Over Arunhem)はヘクスではなくエリア方式のため、戸惑いが感じられる。EPC『日本機動部隊』はさすがに高評価だ。BAN『最前線』もおおむね高評価を得ている。HJ『マーケットガーデン作戦』はSPI『遠すぎた橋』(High way to the Reich)を縮小したゲームという評価が残念。『タクテクス』誌で「第二次欧州大戦概説史」を連載していたと思われる戸島毅氏の顔写真が載っているのがなんだか嬉しい。

 

p.13 インタヴュー キディランド大阪梅田店 吉野卓彦

ホビージャパン』誌に宣伝がよくあったプラモデル屋さんで、よく広告を見ていた。今はどうなっているのだろうか?

 

p.15 インタヴュー ツクダホビー 鈴木雅昭

ツクダホビーのゲーム・デザインは最初はTHQ、そして慶應大学HQが加わったそうだ。ツクダホビーのゲームというと「精密なデータ」というイメージだ。

 

p.17 アメリカの最新情報 中野雅晴

SPIが倒産し、『Strategy & Tactics』誌第90号がDragon Publishing社(TSR)から発売されたそうだ。ただこの号はSPI倒産間際に作成され倉庫の中で眠っていたものだそうだ。

 

p.19 戦闘級ゲーム比較研究 Dong-IL-Chang「祖国と人民のために」より 訳:張 東一

戦術級は小隊単位。戦闘級は1ユニットが分隊または車輌1輛、砲1門単位を対象としている。AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)、HJ『戦車戦』、TH『タイガーI』、YAQ『Panzer』を比較している記事だ。

ほぼ同じテーマでも、シーケンスが4ゲームともかなり異なる。AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)は、交互移動。HJ『戦車戦』はイニシアチブ決定。TH『タイガーI』の上級ゲームはプロットしてのエンドレス・フェイズ・システム。YAQ『Panzer』はプロット式。

命中判定や破壊判定についても4ゲームそれぞれに特徴がある。

最終的には、プレイアビリティー、細かさ、雰囲気、白熱度、そして判断基準がよくわからない滑稽度の5個の観点で5点満点で次のように評価している。

HJ『戦車戦』は、プレイアビリティー5、細かさ1、雰囲気5、滑稽度1、白熱度4

TH『タイガーI』(基本)は、プレイアビリティー3、細かさ4、雰囲気1、滑稽度3、白熱度3

TH『タイガーI』(上級)は、プレイアビリティー1、細かさ5、雰囲気3、滑稽度2、白熱度2

YAQ『Panzer』は、プレイアビリティー1、細かさ5、雰囲気4、滑稽度5、白熱度5

AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)は、プレイアビリティー4、細かさ4、雰囲気4、滑稽度5、白熱度5

 

p.24 ヒゲの大佐のゲーム・デザイン講座 鈴木銀一郎

鈴木銀一郎氏によるゲーム・デザイン講座だ。第2回は、戦闘結果表だ。戦力比システム、戦力差システム、ファイヤー・パワー・システムについて、消耗型、流動型について、わかりやすく解説している。

 

p.28 How to Win 近代陸戦に学ぶ戦略戦術II 防御編 深見耕一

決戦防御と持久防御、そして防御から反撃について、わかりやすく解説している。

 

p.31 スペースコブラ最終兵器 岡本和之

BAN『スペースコブラ』は、寺沢武一原作の『コブラ』をもとにしたロールプレイングゲームだ。そのプレイ・レポートだ。

かつて私も持っていたゲームだ。ストーリー通りの展開にしかならないので、こういう展開になるのは予想できたが、笑ってしまった。

 

p.34 エポック社『ハリコフ攻防戦』プレイヤー 赤軍・大場福満 ドイツ軍・奥山浩幸

地図があり、両軍の動きがよくわかるバトル・レポートだ。

 

p.40 よくでる作戦演習問題

AH『第三帝国』(Third Reich)とEPC『独ソ電撃戦』のある局面を題材にしたクイズだ。

この企画はいい企画だと思う。

 

この他、ツクダ・ホビーやレック・カンパニーやバンダイの新作ニュースもある。