Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【参考文献】『西方電撃戦』 歴史群像第二次欧州戦史シリーズ2 学習研究社 (1997/08/20)


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西方電撃戦をテーマにしたウォーゲームをプレイするのにとても参考になる。

 

p.9 作戦重点は戦線中央。歩兵の後方に機甲師団 さらに後続の梯隊を縦深に配備。 文/鷹光隆 CG作成/伊藤大地

ドイツ陸軍参謀本部作戦室に掲げられたものを再現したCGマップがいい。

p.11 巨大要塞マジノ線の築城思想 CG/伊藤大地

マジノ線のCG。かなりの金がかかったと思う。

p.12 薄明を切り裂き精鋭コッホ連隊85名 エベン・エマエルを電撃奪取 文・イラスト 上田信

グライダーで降下し高性能爆弾を設置したドイツ軍空挺部隊の活躍をイラストで表現している。上田信氏が文も担当しているのが驚きだ。

p.18 急降下爆撃機Ju87シュツーカ 文/宮本勲 イラスト/舟見桂

シュツーカのイラストと各部の特徴がとてもよくわかる。

p.24 グデーリアン麾下第1,2,10機甲師団要衝スダンを攻略!

詳細な地図の上に独仏の進撃状況が描かれていてわかりやすい。

p.26 マチルダ、ソミュア英仏混成戦車部隊 ロンメル戦車隊と激突! 文・イラスト 上田信

戦況図、イラスト、文がわかりやすい。

p.30 電撃戦侵攻マップ

1940/05/10から1940/06/04ダンケルク陥落までの戦況がよくわかる図だ。

p.36 英ホイッとワース艦隊フィヨルドに跋扈する独駆逐艦部隊を粉砕! 文/岡部いさく イラスト/楠本武士

ここから一転してノルウェー侵攻戦における第二次ナルヴィク海戦のイラストと戦況図だ。

p.38 ノルウェー沖海戦 独vs.英参加艦船ダイアグラム 文・シルエット/石橋孝夫

各海戦ごとの参加艦船とその結果が一覧表になっておりわかりやすい。

特別綴じ込み付録 ベルギーの巨大防衛拠点・図解エベン・エマエル要塞 イラスト/香川元太郎

エベン・エマエル要塞の鳥瞰図がわかりやすい。

p.48 三軍共同作戦の勝利 ノルウェー作戦 秋山信雄

あまり知らなかったノルウェー作戦の背景と狙い、経緯がよくわかった。実はイギリス軍もノルウェーを占領しようと狙っていたが、タッチの差でドイツ軍が先を越していた。イギリスが先を越していたら戦争はずいぶん違った状況になったと思う。

p.54 飛び交わぬ弾丸 西部戦線に動きなし 土門周平

p.96 8か月計29回の延期の間に改良された西方作戦計画 文/鷹光隆 CG/伊藤大地

1939/09から1940/05までの間にドイツがフランス侵攻作戦を何度か変更した経緯がよくわかる。

p.58 1940年5月10日西方作戦開始 土門周平

p.66 破られた常識 アルデンヌを越えて 土門周平

p.80 攻防45日フランスの崩壊 土門周平

フランス侵攻戦の経緯を地図や写真を交えてわかりやすく解説している。

p.74 西方作戦発動 フランス上空の戦い 手島尚

フランス戦の航空戦について分析している。

p.100 電撃戦 文/鷹光隆 イラスト/香川元太郎

p.102 空挺作戦 文/鷹光隆 イラスト/香川元太郎

p.104 機甲師団 文/高島布士

p.106 急降下爆撃機Ju87シュツーカの効果的火力 文・イラスト/坂本明

西方電撃戦の戦い方やそれを支えた兵器の解説がイラストまじえてわかりやすい。

 

p.108 自走砲5センチsIG33自走砲の機動力 文/川畑英毅 イラスト/Jean Restayn

自重5t程度のI号戦車の車台に3t近い15センチsIG33を車輪ごと載せたsIG自走砲。ユーモラスな姿だが、砲撃の時の反動でひっくり返らなかったのだろうか?

p.116 独VS英仏連合軍主要兵器性能比較 監修/川畑英毅 

戦車や航空機について図解してわかりやすくまとめている。

p.127 図解ドイツ戦闘工兵の全て 文・イラスト/上田信

AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)でおなじみのドイツ軍突撃工兵の任務が障害処理、築城、渡河の3点で、それぞれどのような道具を使いどのように実施したかわかりやすいイラストで解説している。ポンツーン橋の架橋方法は参考になった。

p.148 電撃戦と海軍戦略、その共通性を探る 文/秋山信雄

兵力集中、交通線+スピード(F=mv2乗)というグデーリアンらの思想に至る流れについての解説。海軍理論の流れはデ・ロイテル→マハン→秋山真之そしてグデーリアンへ。

デ・ロイテルは太平洋戦争緒戦で日本海軍と戦ったオランダ海軍巡洋艦名で知っていたが、海軍理論で重要な位置にいた人だとは知らなかった。

新しい理論が守旧派によって叩かれる。それでも抵抗して実戦で証明する。軍事理論の世界もなかなか厳しいものだ。

p.154 西方電撃戦の野戦指揮官群像 文/古是光春

マンシュタイングデーリアンルントシュテット、クライスト、そしてロンメルらの経歴概略を解説している。

p.161 電撃戦理論を提唱 ドイツ陸軍参謀本部 谷光太郎

普仏戦争から第二次世界大戦までのドイツ陸軍参謀本部の概略史。

p.168 電撃戦を実現したドイツの兵器システム 徳田八郎衛

速度別に見た各国戦車保有数の分析、1930年の各国陸軍戦力比較、西部戦線の火器数の分析は興味深かった。

p.175 駐在武官たちの情報戦争 ヨーロッパを舞台に 文/上原光晴

日本のヨーロッパ駐在武官たちの活動についてまとめた記事だ。独ソ戦や日本敗戦直前のことについて、知らないことが多かったので驚いた。

彼らの情報が活かされていたら、日本はあんな敗戦に進まなかったのではないだろうか。この内容はもっと語られてもいい話だと思う。