TACTICS第39号(1987/2/1)を読んでみた。
特集は「新・ゲーマーの基礎知識」
付録ゲームはオリジナル・ゲーム・コンテスト入選作品『旌旗蔽空』「せいきへいくう」と読む。三国志をテーマとしたゲームだ。
もくじは次のとおり。
- 特集ージャンル別ゲーム紹介記事ー
- p.25 速成戦術基礎講座・特別編 コンバインドアームス・チームの戦術 石川輝
- p.35 HJ『ラストギャンブル』
- p.108 第3帝国 最後の煌き <HJ>"ラストギャンブル"リプレイ 木島洋
- p.42 SPI式ゲームデザインの秘密 その1 ステファン B.パトリック 井上譲二/訳
- p.50 突撃!インタビュー アド・テクノス編
- p.78 大陸軍その光と影(その25) ワーテルロー(14) 森谷利雄
- p.80 スコード・リーダー・クリニック 問題7:シナリオ5士気に関する問題 ジェネラル誌19巻4号 ビル・ナイチンゲール 小山純一訳
- p.83 独ソ戦史・その13 ウクライナ戦線突破 山下竜二
特集ージャンル別ゲーム紹介記事ー
特集は、ジャンル別ゲーム紹介記事だ。
陸戦戦術級ゲームでは、AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)、AH『アップフロント』(Up Front)、AH『パンツァーブリッツ』(Panzer Blitz)
陸戦作戦級ゲームでは、EPC『D-DAY』、VG『地獄のハイウェイ』(Hell's Highway)、AH『アルンヘム強襲』(Storm over ARNHEM)
個人同士の戦いという意味で、TH『ジャブロー』他ガンダムシリーズ。AH『剣闘士の戦い』(GLADIATOR)、HJ『ブルーマックス』(Blue Max)
海戦ゲームでは、AH『英独大西洋の戦い』(War At Sea)、AH『帆船の戦い』(Wooden Ships & Iron Men)、『ビスマルク』(Bismarck)、『サブマリン』(Submarine)、『日米航空母艦の戦い』(Flat Top)
日本史ゲームでは、EPC『関ヶ原』、AT『壬申の乱』『家康最大の敗北』
ナポレオンゲームでは、AH『戦争と平和』(War and Peace)、AT『ナポレオン モスクワへ』
p.25 速成戦術基礎講座・特別編 コンバインドアームス・チームの戦術 石川輝
石川輝氏の戦術に関する記事はわかりやすくてとても参考になる。
コンバインドアームス・チームとは、師団内に3個旅団司令部、6個戦車大隊、6個機械化歩兵大隊があり、状況に合わせてコンバインドして、戦う1990年代の戦場を想定した戦術のことだ。
大きく、1)歩戦異軸、2)歩戦同軸 歩兵乗車 3)歩戦同軸 歩兵下車の3個の戦術があるそうだ。
p.35 HJ『ラストギャンブル』
p.108 第3帝国 最後の煌き <HJ>"ラストギャンブル"リプレイ 木島洋
ダニー・"バルジ"・パーカー氏の『ラストギャンブル』(The Last Gamble)の紹介記事とリプレイ記事だ。比較的ドイツ軍有利なゲームだそうだが、リプレイ記事を読み、地図を見るとプレイしてみたい。115ページのヒストリカル・ノートをぜひとも読んでみたい。
p.42 SPI式ゲームデザインの秘密 その1 ステファン B.パトリック 井上譲二/訳
私はゲームデザインはやったことがないが、SPIがどういう風にゲームを作っているかがよくわかり面白かった。
「典型的なSPIのゲームではリサーチに100人x時間、金額に換算すると400ドルないし500ドルに相当する。」かけていたそうだ。
下記『タクテクス』(TACTICS)第4号によると、レック・カンパニーの場合、リサーチに150時間かけていたようだから、SPIの方が少なかったようだ。SPIの方が歴史が長い分、また英語資料を使える分、日本より蓄積があるからだろう。
haruichiban0707.hatenablog.com
p.50 突撃!インタビュー アド・テクノス編
アド・テクノスのメンバー達の写真がいい。どれが誰なのか記載がないのが残念だ。
p.78 大陸軍その光と影(その25) ワーテルロー(14) 森谷利雄
第27号以来休載していた連載の再開だ。
p.80 スコード・リーダー・クリニック 問題7:シナリオ5士気に関する問題 ジェネラル誌19巻4号 ビル・ナイチンゲール 小山純一訳
AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)のシナリオ5のドイツ軍の配置はとても迷う。
と思ってたらやはり皆さんいろいろ迷っていたようだ
31通りの回答があったそうだ。
それだけいろいろな戦術が成立するという意味では、誰が作成したのかクレジットはないのだが、このシナリオは大傑作といっていいだろう。
p.83 独ソ戦史・その13 ウクライナ戦線突破 山下竜二
1941年、今から81年前のドイツ軍南方軍集団によるウクライナ攻撃に関する記事だ。
この号は、ゲーム紹介記事がほとんどで、リプレイ記事や作戦研究記事が少なく、散漫な感じがする。
ウォーゲームがブームとなり、多種多様なゲームが増え、様々な志向を持ったファンが増えたことで、雑誌編集も難しかっただろう、と思う。