Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【参考文献】『ドイツ装甲部隊全史I 黎明編(1917~39 A7V突撃装甲車両からチェコ製35(t)、38(t)戦車まで』 歴史群像第二次欧州戦史シリーズ11 学習研究社 (2000/03/01)


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前号までで第2次欧州大戦を一通り通したので、この号は、ドイツ装甲部隊の歴史をまとめたムックだ。

全3号のうちの一番最初の号だ。

 

第一次世界大戦のA7VからI号戦車II号戦車、35(t)、38(t)戦車の開発経緯についてまとめている。

 

p.58 中立国スウェーデンと強国ドイツ その複雑奇妙な親交の内幕 文/斎木信生

第二次世界大戦におけるスカンジナビア三国は、ノルウェーがドイツに占領され、フィンランドソ連と戦い国土を奪われ奪回のためにドイツと戦い、ドイツ敗北とともに連合軍に寝返らざるを得なかった。スウェーデンだけが中立を維持した、と思っていたが、実態は・・・。中立を守るということがいかに困難か、この記事で理解できる。

 

p.71 大図解・ドイツ初の実用戦車A7V 文/川端英毅 イラスト/Richard Chasemore

30tで、100馬力エンジン2基で、乗員18名とは驚いた!!

騒音と操作のしづらさと狭い車内とを想像すると・・・

 

p.77 【図解】両大戦間ー各国の戦車開発・運用思想の変遷 1919-39 「新兵器」をめぐる逡巡と決断 戦車生産7か国とそれぞれの20年 白石光 川畑英毅 古瀬三春 斎木伸生

戦間期の戦車に対する戦車を利用した戦争に対する思想と設計思想がよくわかる。

次の戦争に対する各国に共通している思想が、次のようなものだ。

 

1)第一次世界大戦の経験から将来の戦争が塹壕をめぐる戦いになるだろう。

2)前進する歩兵を支援する防御力を持ち塹壕を越え、機銃座や砲座を攻撃する能力を持つ戦車が必要。

3)そのため速力は歩兵より若干速い程度で構わない。

4)防御力は、当時の対戦車砲(37mm程度)や機銃を防げればいい。

5)攻撃力は、機銃座や砲座を破壊できる程度でいい。

6)対戦車戦闘は、対戦車砲や歩兵が担当する。

 

イギリスは歩兵戦車の他に、高速を活かして追撃戦を行う巡航戦車を開発した。

ソ連は火力を重視したので他国より大口径の砲を積んだ。

 

現在の視点で考えると、なぜ戦車の最大の敵が戦車になる、と想定しなかったのか不思議だ。第一次世界大戦の連合軍戦車に対する戦訓や当時の戦車の技術的信頼性を考えると、対戦車砲と歩兵で十分だと考えられたのもうなずける。

 

p.91 <<ドイツ装甲部隊の父>>にして20世紀軍事革命の先駆者 ハインツ・グデーリアンの「栄光」と「無念」の全生涯 前川清

グデーリアンの生涯を文章と写真でわかりやすく解説している。

 

p.115 ドイツ装甲部隊の創設にかかわった男達 伊達博昭

8人の男達の人と生涯を概説している。

 

p.136 騎兵よ、どこへゆく 文/白石光

機関銃の登場で、騎兵が時代遅れとなった。オートバイや装甲車などの「鉄の馬」に乗った騎兵達。第二次世界大戦では装甲偵察大隊となった。現代では、ヘリコプターに乗る「空飛ぶ騎兵」になった。その間の葛藤と模索がよくわかる。

 

p.150 イタリア戦車小史 文/白石光

あまりイタリア戦車に詳しくなかったが、独ソ米にはかなわないが、それなりに頑張って戦車を開発し続けたように思う。

 

p.157 ドイツ装甲師団全史I 伊藤裕之助 伊達博昭

ドイツ軍第1から第10装甲師団とグロース・ドイッチュランド装甲擲弾兵師団の歴史と師団長と戦歴を簡単にまとめている。ウォーゲームをプレイするときに、ユニット見ながら参考にしたい。