Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ASL Starter Kit #2 Scenario S10 PAPER ARMYを 日本語に訳してみた

MMP『ASL Starter Kit #2』(ASLSK2)のScenario S10 PAPER ARMYのシナリオカードの日本語訳をしてみた。

 

A Grove of ASLにも和訳がある。

war.game.coocan.jp

 

シナリオ・デザイン:ブライアン・ユース

 

1940113日、ギリシャ、サランドポロ川渓谷:「パラレル・ウォー(もう一つの戦争)(ギリシャ・イタリア戦争)」で勝利し,枢軸軍における対等のパートナーになるというムッソリーニの夢は,彼の外相であり義理の息子でもあるチャーノ(Ciano)伯爵によって推し進められた。最近、征服したばかりのアルバニア総督である彼は、ギリシャ軍を打倒できると確信していた。バルカン半島における既成事実をヒトラーに示すことを決めたムッソリーニは、不適切な助言、不適切な計画、不適切な情報に基づく更なる戦役を開始した。この時期にアルバニアからイピロス(Epirus)、ピンス(Pindus)、マケドニア(Macedonia)山中に侵攻すしたが、そこは冬だった。イタリア兵はギリシャ兵より僅かに劣勢だった。イタリア空軍と装甲部隊に対抗する存在は皆無だったが、イタリア軍は、これらの戦力を適切な場所に投入することはできなかった。イタリア空軍と陸軍の協力はごくまれであったし、地表の条件は装甲部隊に適していなかった。誤報や作戦上の混乱は、イタリア軍指導部のキーワードだった。 

 

地図盤配置:地図盤xを使用。ヘクス列ACCだけが利用可能

 

勝利条件:10VP以上を地図盤西端から脱出させた場合、即座にイタリア軍の勝利となる。各分隊は2VP、各半個分隊及び指揮官は1VPとする。

 

バランス:

イタリア:プレイ範囲をA~Yに減らす。

ギリシャ:進入drの数値について、ターン2を3に、ターン3を6にそれぞれ変更する。

 

ターン記録表:

イタリア軍が先に移動

 

戦闘序列:

イタリア軍 3アルピニ師団の一部(SSR1を参照)[ELR:2] 第1ターンに地図盤東端より進入する。

 

3-4-7 10

1-3-7 4

8-0 2

7-0 2

MMG 1

LMG 2

 

ギリシャ軍の一部[ELR:3] 第1ターンに既に2MFを使用している状態で東端より進入する。

4-5-7 7

2-3-7 3

8-1

8-0

7-0

LMG 2

 

ギリシャ軍 側方支援部隊の一部 SSR2を参照:

 

4-5-7 3

8-0

LMG

 

 

 

特別ルール:

1.イタリア軍のMMGは、シナリオ開始時に故障しているとみなす。第2ターンのイタリア軍プレイヤーターンになるまで修理の試みを行えない。

2.第2~4ターンまでのギリシャ軍プレーヤーターンの回復フェイズ開始時に、ギリシャ軍はdrを行いターンレコードチャートに記された円内の数値と比較する。drが数値以下であった場合に、ギリシャ軍の側方支隊部隊が当該ターンに地図盤北端又は南端から進入する(ギリシャ軍プレイヤーが選択)。一度、ギリシャ軍の側方支隊部隊が進入したならば、以降drは不要である。

3. 麦畑がある季節とみなす。

4. ギリシャ軍MMCは混乱状態の指揮値が1増加する。

 

結末:10月28日,イタリア軍の攻勢は、航空優勢が期待できない雨の中を開始された。攻撃の中央部では、14,000名から編成される第3アルピニ師団が、サランドポロ川渓谷を登って進撃していった。そこで彼らは8000挺のライフルと機関銃を装備したギリシャ軍の山岳兵と遭遇して阻止された。ギリシャ軍部隊同士の密接な連携能力は、ギリシャ軍が一連の反撃において古典的な浸透戦術を実施することを可能とした。これによりギリシャ軍は多くの捕虜を得た。イタリア軍が谷を下って後退すると、ギリシャ軍は既に尾根に沿って先回りしており、唯一の撤退路を閉鎖してしまっていた。ギリシャ軍が彼らをアルバニアの奥深くまでに追い返すのにそう時間はかからなかつた。