SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)シナリオ15「報国丸撃沈さる! 1942年11月11日 1145」をプレイしてみた。この戦いは名前がないようだ。
この戦いは、日本軍の特設巡洋艦「報国丸」がインド洋で通商破壊戦をしていた。オランダ船籍「オンディナ」とインド植民地海軍掃海艇「ベンガル」を追跡した。排水量1000t、10cm砲1門と20mm機銃3挺を搭載した「ベンガル」が「オンディナ」を逃がし、勇敢にも戦いを挑んできたのだ。
勝利条件は、日本軍は自軍の保護水準値(PL)が0以下になる前に「オンディナ」を撃沈すること、連合軍は日本軍のPLを0にすることだ。
特別ルールに全艦、独行艦にならない、日本軍の追加打撃はダイス1個振って4-6で発生する、日本軍は合計3打撃をこうむるとPL0になる。
史実では報国丸に命中した砲弾が積んでいた魚雷に誘爆し「報国丸」が沈没したが、どうなるか?
【0】初期配置
【1】第1ターン(1942/11/11 1145)
日本軍特設巡洋艦「報国丸」と「愛国丸」が連合軍との距離を詰める。
「敵艦との距離14,000m。撃て~」
「報国丸」と「愛国丸」の14cm砲が同時に火を噴いた。
「ベンガル」の周囲に水柱が上がったが命中弾はなさそうだ。
「報国丸」「愛国丸」の砲撃は「オンディナ」周辺に水柱を上げたが戦果は無さそうだ。
「ベンガル」も4インチ(約10cm)砲1門で果敢にも反撃するが効果はなしだ。
【2】第2ターン(1942/11/11 1151)
「報国丸」も「愛国丸」も距離を詰める。
「オンディナ」は12ポンド砲(75mm砲)1門を使って砲撃する。
「ベンガル」も4インチ(約10cm)砲1門と20mm機銃3挺で砲撃する。
「報国丸」「愛国丸」の砲撃は「オンディナ」に集中するが水柱が上がるばかりで効果がない。
「オンディナ」も「ベンガル」も煙幕を展張する。煙幕張っていいのか疑問だが、[14.58]には「煙幕の展張はどの鑑定でも行える。」とあるし、展張を禁止する特別ルールがないので展張してもよいことにした。
「報国丸」も「愛国丸」も近距離にいる「ベンガル」をまずは黙らせることにした。
煙幕の影響もあり「ベンガル」に命中弾はない。
「ベンガル」「オンディナ」ともに主砲を発射して必死の抵抗をする。
【4】第3ターン(1942/11/11 1157)
「オンディナ」「ベンガル」ともに砲撃するが、「報国丸」には当たらない。
「報国丸」の砲弾がついに「ベンガル」に命中した。
「報国丸」艦長今里博海軍大佐が「左舷魚雷発射~!」と命令した。
「報国丸」の魚雷が「ベンガル」に向かって突進していく。
魚雷1本が「ベンガル」に命中した!だが何と不発だった。
「報国丸」の砲撃が「ベンガル」を捕らえた!
「電路が切断し砲撃不能です!!」と報告が「ベンガル」の艦長のもとに届いた。
「ベンガル」の砲撃が沈黙した。「オンディナ」は必死の砲撃をするが効果はない。
【4】第4ターン(1942/11/11 1203)
日本軍は距離を詰める。「オンディナ」は必死の砲撃をする。
「報国丸」「愛国丸」の砲撃が「ベンガル」に集中するが戦果を上げない。
「愛国丸」が左舷の魚雷を「ベンガル」目がけて発射したが目標を外した。
なんと!砲撃不能になった「ベンガル」は「報国丸」に体当たりを仕掛けてきた。
「報国丸」の砲撃が「ベンガル」に命中した。
【5】第5ターン(1942/11/11 1209)
「オンディナ」の砲弾が「報国丸」に命中した。
しかし被害は大したことはなかった。
日本軍の砲撃は連合軍をなかなか捉えることができない。
「愛国丸」が右舷の魚雷を「ベンガル」に発射した。
距離はわずか1000mだ。
魚雷が1本命中した!!
「ベンガル」は速度が5ノット(1移動力)に低下した。
「ベンガル」は今度は「愛国丸」に艦首をぶつけようとしてきた。
「愛国丸」はすんでのところでかわした。
【6】第6ターン(1942/11/11 1215)
「オンディナ」の砲撃がまた「報国丸」を捉えた!!
損害は出なかったが、段々、調子に乗ってきた。
「報国丸」の砲撃がようやく「オンディナ」に命中した。
【7】第7ターン(1942/11/11 1221)
「オンディナ」は果敢にも砲撃を続ける。
「愛国丸」の砲弾が「ベンガル」を捉えた!!
「ベンガル」の損傷は4W3Pに達した。
「愛国丸」の砲弾が「ベンガル」を貫いた!!
ついに「ベンガル」の損害が5W3Pに達し、地図盤3B-ヘクス0610に沈没した。
【8】第8ターン(1942/11/11 1227)
「報国丸」の砲弾が「オンディナ」に命中した。
「オンディナ」の損害は2Wになった。
「報国丸」の砲弾が「オンディナ」に命中し火災が発生した。
「オンディナ」の損害は3Wになった。
「オンディナ」が地図盤2Aに入った。あと14,000m(14ヘクス)で逃げ切れる。
【9】第9ターン(1942/11/11 1233)
「報国丸」の砲弾がまた「オンディナ」に命中した。
「オンディナ」の12ポンド砲(7.5cm)がついに破壊された!
「報国丸」の砲弾がまたもや「オンディナ」に命中した!!
「オンディナ」の損害が5Wに達し、ついに沈没した。
【10】勝利条件の確認
■連合軍の損害
沈没 2隻
「オンディナ」と「ベンガル」
■日本軍の損害
なし
日本軍が自軍のPLが0以下になる前に「オンディナ」を撃沈したので日本軍の勝利
【11】感想
史実では「オンディナ」の砲弾が「報国丸」の後部マストを破壊し崩壊した上構が搭載していた水上偵察機を押しつぶし燃料に引火し魚雷が誘爆して「報国丸」は沈んだ。
艦長の今里博海軍大佐は艦長室に戻り自決した。
連合軍は「オンディナ」が「愛国丸」からの砲撃で火災に包まれたが何とか消してオーストラリアのフリーマントルに逃げ込んだ。
今回は、日本軍が見事に「ベンガル」と「オンディナ」をしとめることに成功した。
史実では「オンディナ」の砲撃で砲撃追加打撃が発生し「報国丸」が沈没したのだろう。
「オンディナ」の砲撃力が2、「報国丸」の防御力が6だから、近距離の2ヘクス以内で2Hが出る確率は58%で、4-6つまり1-2の戦闘比で、36%の確率で損害が発生し、かつ50%の確率で追加打撃が発生し、17%の確率で沈没に至ったのだろう。1.7%の確率だ。
中距離の5ヘクス以内だと2Hが出る確率は8.3%なので、沈没に至るのは0.3%の確率だ。
命中が1Hだと近距離でも中距離でも33%で1Hが出て、戦闘比が1-3になるので、打撃が発生するのは31%で、50%の確率で追加打撃が発生し、17%の確率で沈没に至る。つまり0.9%の確率だ。
いずれにしても史実発生の確率はかなり低くて本当に偶然の賜だったのだ。
こういう偶然が起こるから水上戦は恐ろしい。
一方で、特設巡洋艦の武装で敵艦を沈めるのはなかなか難しいことを実感した。
大東亜戦争の一面を知るためにも、こういうシナリオをプレイするのもまた興味深いものがある。