119年前の1905年5月27日は日本海海戦の日だ。というわけではないし、日本海海戦ゲームでもないのだが、WGHB2011『日露大戦』をA氏とVASSALで対戦した。
国際通信社から『ウォーゲームハンドブック2011』のゲームとして『日露大戦』というゲームが出版され、2023年にはBONSAIゲームからフォリオ判が発売された作品だ。
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デザイナーは中黒靖氏だ。
ゲームスケールは1ターン=1ヶ月、1ヘクスの記載なし、1ユニット=師団だ。
勝利条件は士気ポイントが0になった側はサドンデス負けだ。12ターンまでサドンデスにならなかった場合、ロシア軍の勝利だ。
また、日本軍は鉄嶺2417を、ロシア軍は1015を占領するとサドンデス勝利だ。
日本軍をA氏、私がロシア軍を担当した。
さてどうなるか?
【0】初期配置
初期配置は決まっている。
マップ上にロシア軍はわずか4ユニットだ。しかも2ユニットは移動力0のため移動できない守備隊だ。日本軍は0ユニットだ。朝鮮半島ボックスにわずか3ユニットあるだけだ。
【1】第1ターン(1904年4月)
通常ターンはロシア軍先攻だが、第1ターンのみロシア軍ターンがなく日本軍ターンのみになる。
朝鮮半島ボックスから日本軍3ユニットが1214のロシア軍を攻撃する。
カード1枚を捨てて戦力を+1して攻撃する日本軍のA氏だ。
戦闘結果表で+3だと、攻撃側退却のARが17%ある。+4だとARが0%で、防御側全滅DEの確率が33%になる。
ダイスの出目は1で結果はDEだ。
1206に輸送し強行軍を使って1305に移動し、旅順と大連をロシア軍から孤立させた。
摩天嶺1713を目指し2個師団、海城1811を目指して近衛師団が前進する。
移動可能なロシア軍ユニットはたったの一個だ。これでどう戦えというのか・・・クロパトキンがとにかく撤退し続けた気持ちがよくわかるハルイチバンスキー将軍の私だった。
【2】第2ターン(1904年5月)
ロシア軍は摩天嶺1713を確保するために前進した。
シベリア鉄道カードを使って精強ヨーロッパ師団(戦闘力5ー移動力2)をヨーロッパ・ボックスからシベリア・ボックスへ移動させる。とにかく1ユニットでも多く、地図盤上に登場させないと戦えない。
ヨーロッパ師団は海城1811まで鉄道輸送で、もう1師団は通常の移動で2317へ移動させた。
日本軍がカードを引いたが、「征露丸」カードを引いたので、出したカードをシャッフルして元に戻す。
ということはロシア軍に使ったばかりの「シベリア鉄道」カードがまた来る可能性がある。
日本軍は山岳地帯の1611を占領した。あとは海城1811に向けて下るだけだ。
摩天嶺1713を包囲する態勢も整えつつある。
1305の第11師団は蓋平1708の手前まで鉄道輸送した。
さらに1206に2個師団上陸させ、旅順1202、大連1203を狙う。
【3】第3ターン(1904年6月)
ロシア軍は海城1811のヨーロッパ師団を1711へ移動させ、2317の師団を1709へ移動させた。このゲームではロシア軍はゲーム中常にスタックできないので、海城1811を空けてから鉄道輸送したのだ。
しかし、このゲームは通常の移動フェイズ、戦闘フェイズの後、カードプレイフェイズがある。カードプレイフェイズでは、強行軍、戦略移動、輸送、再編成が行える。強行軍とは、移動または戦闘フェイズをもう一回できる。
1715にいる日本軍は次のターンに1816に移動し、その後、奉天2115に移動して占領する可能性がある。
1709に移動させようとした部隊を奉天2115に戻した。
ロシア軍はカードプレイフェイズで、「マカロフ中将」を出した。これは次の日本軍プレイヤーターン、日本本土ボックスのユニットは移動不可能だしカード補充もできない。
日本軍は6ユニット12戦力。ロシア軍は3ユニット11戦力だけだ。
【4】第4ターン(1904年7月)
ロシア軍は2個師団を地図盤に登場させて防衛戦を張る。
ロシア軍は「ウラジオ艦隊出撃」カードを出した。次の日本軍プレイヤーターン、通常3枚引けるカードが、日本軍は2枚に制限され、士気が1下がる。
日本軍は営口1908を占領した。また、将軍ユニットを使って南山1206を攻撃する。将軍ユニットはオプション・ルールだが、これを使うと攻撃力が+2になる。
日本軍の攻撃力は2x2ユニット+2(将軍)=6だ。ロシア軍は防御力1+都市の地形効果1=2だ。戦力差は6-2=4だ。ダイスは2で結果はDEだ。南山1206が陥落した。
日本軍は大連1203を攻略できる位置だ。ここでロシア軍は大連1203を守るために援軍を送りたいが・・・送れない。
【5】第5ターン(1904年8月)
ロシア軍は1709へ部隊を鉄道輸送する。蓋平1708が日本軍占領都市のためそれ以上先に鉄道輸送できないからだ。本当は大連の援軍に向かいたいのだが・・・。
1611の日本軍近衛師団を、オプションの将軍ユニットを使って攻撃したヨーロッパ師団だったが、将軍はクロパトキンだった!!クロパトキンが将軍だと、攻撃側は海城1411へ退却してしまった。
ロシア軍はシベリア・ボックスから1個師団を地図盤上に登場させた。
日本軍は8個師団16戦力だ。ロシア軍は5個師団と1個守備隊で合計20戦力だ。
日本軍が大連1202を占領した。ロシア軍の士気が1減り5になった。
日本軍は遼陽に向けて前進する。
日本軍が旅順1202を攻撃する。
日本軍は「児玉源太郎」カードを出した!!このカードを出すと、戦闘結果は自動的に防御側後退DRになる。守備隊は移動力0のため、退却できないで、壊滅した!!
旅順陥落!!ロシア軍の士気が1減って4になった。
史実では1904年12月5日なので、4ヶ月も早かった!!
旅順を落とした日本軍は早速部隊を転換して次は海城1811や遼陽1913を目指して前進する。
【6】第6ターン(1904年9月)
ロシア軍は急ぎ戦力を集める。
ロシア軍は6個師団20戦力。日本軍は9個師団18戦力。
日本軍が決戦を挑む。
1709や1811を包囲する。1709には将軍マーカーを使う。
海城1811でダイスは1でDE!!ロシア軍精強ヨーロッパ師団が壊滅した!!
1709ではEX相互損害だ!
日本軍は鞍山1912を占領した。摩天嶺1713のロシア軍を包囲した。
ロシア軍が「脚気」カードを出した。これは日本軍の士気が1下がって2になった。
【7】第7ターン(1904年10月)
ロシア軍はわずか4個師団12戦力。日本軍は8個師団16戦力だ。
ロシア軍は奉天2115の前面の川に防衛戦を張った。
日本軍は遼陽1913と摩天嶺1813を包囲した。
遼陽決戦だ!!
ロシア軍が「防御工事」カードを出した。これは、防御側退却DRや防御側壊滅DEが相互損害EXになる。
日本軍は「二八サンチ砲」カードを出した。これはロシア軍が出したカードを無効にする。
遼陽決戦は日本軍の大勝利だ!!遼陽陥落!!ロシア軍の士気が3に落ちた。
摩天嶺1713の決戦も日本軍の完勝だった!!
これで日本軍は8個師団16戦力。ロシア軍は3個師団9戦力だ。日本軍はほぼ2倍の戦力だ。
【8】第8ターン(1904年11月)
ロシア軍は奉天2115へヨーロッパ師団と2317へ1個師団を送り込んだ。
日本軍がロシア軍に決戦を挑む準備をする。
【9】第9ターン(1904年12月)
【10】第10ターン(1905年1月)
1905年の正月が来た。
ロシア軍は増援を送り込む。このまま士気を維持すれば勝利だ。
【11】第11ターン(1905年2月)
日本軍は2214と奉天2115で決戦を挑む。【12】第12ターン(1905年3月)(最終ターン)
ロシア軍は2216の日本軍を蹴散らし、鉄嶺2417に1個師団を移動させて日本軍の勝利条件を阻もうとあがく。
【13】勝利条件の確認
鉄嶺2417を日本軍が占領したのでA氏率いる日本軍の勝利~~~~!!
【14】感想
悔しい僅差の敗戦だった!!
あとちょっとで逃げ切ってロシア軍の勝利だっただけに悔しい。
旅順があっさり陥落して日本軍が兵力を集中できたのが大きかった。
旅順攻略のポイントは「児玉源太郎」カードが適切なタイミングで来るかどうかだと、この時は思った。
ロシア軍は奉天周辺でロシア軍右翼(日本軍左翼)から切り崩されていったのも痛かった。
戦線を張ったつもりがいつの間にか挟んでポンで包囲されてしまった。
このゲームの手順はa.カード補充フェイズ b.移動フェイズ c.戦闘フェイズ d.カード・プレイ・フェイズで、カード・プレイフェイズにイベント、攻撃支援、強行軍、戦略移動、輸送、再編成ができる。強行軍ではもう一度移動フェイズまたは戦闘フェイズを行えるので、日本軍は最大6ヘクス、ロシア軍は最大4ヘクス、1ターン中に移動できる。この移動を考慮して戦線を張っておかないと突破されてしまう。
A氏はこの強行軍の使い方がうまい。
カード内容もしっかり頭に入れておかないといけない。脳内メモリー容量が少ない私にはなかなか難しい。
このゲームは少ないユニット数で、小さいマップのため、VASSALでプレイするにはいいゲームだ。
次回は私が日本軍、A氏がロシア軍を担当して再戦する。