WGHB2011『日露大戦』をA氏とVASSALで対戦した。
国際通信社から『ウォーゲームハンドブック2011』のゲームとして『日露大戦』というゲームが出版され、2023年にはBONSAIゲームからフォリオ判が発売された作品だ。
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デザイナーは中黒靖氏だ。
ゲームスケールは1ターン=1ヶ月、1ヘクスの記載なし、1ユニット=師団だ。
勝利条件は士気ポイントが0になった側はサドンデス負けだ。12ターンまでサドンデスにならなかった場合、ロシア軍の勝利だ。
また、日本軍は鉄嶺2417を、ロシア軍は1015を占領するとサドンデス勝利だ。
A氏と私のハウスルールとして、南山1204にロシア軍がいる場合、大連1203への輸送は不可、とした。
これで3回対戦しているが、A氏の2勝1敗だ。
今回は、日本軍をA氏、私がロシア軍を担当した。
さてどうなるか?
- 【0】初期配置
- 【1】第1ターン(1904年4月)
- 【2】第2ターン(1904年5月)
- 【3】第3ターン(1904年6月)
- 【4】第4ターン(1904年7月)
- 【5】第5ターン(1904年8月)
- 【6】第6ターン(1904年9月)
- 【7】第7ターン(1904年10月)
- 【8】第8ターン(1904年11月)
- 【9】第9ターン(1904年12月)
- 【10】第10ターン(1905年1月)
- 【11】第11ターン(1905年2月)
- 【12】勝利条件の確認
- 【13】感想
【0】初期配置
初期配置は決まっている。
マップ上にロシア軍はわずか4ユニットだ。しかも2ユニットは移動力0のため移動できない守備隊だ。日本軍は0ユニットだ。朝鮮半島ボックスにわずか3ユニットあるだけだ。
【1】第1ターン(1904年4月)
通常ターンはロシア軍先攻だが、第1ターンのみロシア軍ターンがなく日本軍ターンのみになる。
A氏の日本軍は士気を1下げてカードを1枚多く入手した。
朝鮮半島ボックスから日本軍3ユニットが1214のロシア軍を攻撃する。
ここでロシア軍を壊滅できるかどうかは大きな違いだ。
日本軍はカード1枚捨てて、戦闘差を上げて+4で万全の攻撃を仕掛ける。
dr6(ダイス1個振って6が出たということを表す)で結果はDRだ。
ロシア軍としてはここで1ユニットが助かったのは大きい。
日本軍は1206に上陸し1306に移動して旅順への鉄道線を遮断した。
1313に退却したロシア軍を包囲するように移動する。
【2】第2ターン(1904年5月)
日本軍は「敵中横断三百里」カードを出してロシア軍のシベリア・ボックスから地図盤への移動を不可能にする。
日本軍は1615でロシア軍を包囲し、1711に進出して海城(1811)に接近する。ロシア軍は「敵中横断三百里」カードのため増援を送れないうちに、日本軍に要所を攻められていて苦しい。
【3】第3ターン(1904年6月)
ロシア軍はシベリア・ボックスから遼陽(1913)へ部隊を移動させた。
1406の日本軍を攻撃する。
結果はDR。日本軍はちょっと意外な方向へ退却した。
日本軍は海城(1811)を陥落させた。また蓋平(1708)目指して北上する。
また1613のロシア軍の包囲を解いた。このムーヴは意外な一手だった。
次のカードプレイフェイズに、1615のロシア軍をまた別な角度から包囲した。
なるほど、そのために一度包囲を解いたのか、と納得した。
【4】第4ターン(1904年7月)
ロシア軍はシベリア・ボックスからようやく1ユニットを奉天(2115)に移動させた。
包囲網脱出のために1514を将軍マーカーの力を借りて攻撃した。
しかし、将軍はなんとクロパトキンだった。退却できない1615のロシア軍は壊滅した。
この時点で私は敗北が決まったと思った。遼陽(1913)や奉天(2115)周辺に戦線を作るユニットがいないのに対して、日本軍はあちこちから向かっているからだ。
ロシア軍は遼陽(1913)を包囲した。その上、将軍マーカーを使ってきた。遼陽(1913)絶体絶命だ。
蓋平(1708)に向かっていた日本軍は南下して戻ってきた。このムーヴは驚いた。
史実より一ヶ月早い遼陽の戦いは、あっさりDEで遼陽(1913)が陥落した。
ロシア軍の士気が1下がって5になった。
【5】第5ターン(1904年8月)
ロシア軍は通常の移動フェイズとカードプレイフェイズを使って奉天(2115)周辺に防衛線を張った。たった3ユニットでも防衛線を張れることに驚いた。
日本軍は奉天会戦に向けて準備する。
1206に上陸し1306にいるロシア軍を包囲した。
【6】第6ターン(1904年9月)
ロシア軍は移動とカードプレイフェイズの移動を使って奉天(2115)の防衛線を固める。
また「マカロフ中将」カードを使って日本軍の本土からの輸送を止めた上、ロシア軍の士気を1上げて6にした。
日本軍は将軍マーカーを使って1306のロシア軍と戦闘をした。結果はDRでロシア軍1ユニットが壊滅した。
【7】第7ターン(1904年10月)
ロシア軍は「シベリア鉄道」カードを出して精鋭ヨーロッパ師団(5-2)を登場させた。さらに日本軍の左翼、ロシア軍の右翼で攻勢に出る。ロシア軍の方が1ユニットあたりの戦力は上であることに改めて気づいたので、守りが固まったら攻勢に出ていいのだ。
劣勢な日本軍は2111から後退した。驚いたことに日本軍は遼陽(1913)を放棄して後退する。
また南では南山(1204)目指して攻勢に出た。
南山(1204)は陥落した。
【8】第8ターン(1904年11月)
ロシア軍はあと5ターンこのまま士気を維持すれば勝利だ。
ロシア軍は全戦線に渡って、前進した。
ロシア軍は遼陽(1913)を奪還した。
日本軍の士気は2に下がった。
ロシア軍は満を持して「旅順艦隊出撃」カードを出した。
しかし日本軍は「機雷」カードをだしてそれを無効にした。
カードの使い方ではA氏が一枚も二枚も上手だ。
日本軍は大連(1203)を占領した。
ロシア軍の士気が4に落ちた。
日本軍は遼陽(1913)周辺に兵力を集めようとする。大連(1203)からも兵力を北上させる。これには驚いた。青息吐息の旅順(1202)への圧力が軽減したのだ。
【9】第9ターン(1904年12月)
ロシア軍は戦線を押していく。ロシア軍の負けはもうない、と私は確信していた。
史実ではロシア軍が後退し、日本軍がそれを追いかけ、包囲しようとするが、包囲の網をすり抜けていった。今回は、逆に日本軍が後退し、ロシア軍がそれを追いかけるが、決定的な勝利に持ち込めないでいる。
【10】第10ターン(1905年1月)
1905年の正月が来た。
ロシア軍はあと3ターンこのままの士気があれば勝利だ。
全戦線で前進する。
1615では戦闘を仕掛け、日本軍を後退させた。
本当はそんな欲を出さずに戦線を作ってじっと第12ターンを待てばいいのかもしれない。
シベリア・ボックスから1ユニットを鉄道輸送させてきた。この部隊をどこに配置するか迷った。
ここでは営口(1908)まで移動させるべきだった。
ロシア軍の意図を見抜いた日本軍は戦線を後退させる。
【11】第11ターン(1905年2月)
ロシア軍の私は2110にいる日本軍の移動について計算した。川を越えるとそこで停止しないといけないので、日本軍は思ったような速度で移動できないのだ。
【12】勝利条件の確認
日本軍の士気が0になったので私が担当↓ロシア軍の勝利~~~~!!
【13】感想
序盤は惨敗かと思ったが、内線の利があるロシア軍は中盤持ち直した。
全戦線で前進して中盤は勝利を確信していたが、営口(1908)の防衛をしないミスがあって、様相が一変した。
シーソーゲームで面白かった。
これで2勝2敗の五分になった。
このゲームは少ないユニット数で、小さいマップのため、VASSALでプレイするにはいいゲームだ。
また、日露戦争の雰囲気を堪能できる傑作ゲームだと思う。
今年は日露戦争開戦120周年だ。このゲームをプレイすることで日露戦争関連書籍を読むことで120年前の歴史を学び、当時の人々へ思いを馳せるきっかけとしていいゲームだと思う。