Advanced Squad Leader Starter Kit #3(ASLSK3)ではいよいよ車両が登場する。
ルールを読んでまとめてみた。
前々回はユニットの数値、前回は移動ルールを見てみたが、今回は戦闘ルールについて見ていく。
目次
- 【1】砲兵器の命中判定[3.2.4]
- 【2】破壊確認[7.9]とAFVへの攻撃結果[7.10]
- 【3】ATT目標タイプの攻撃によるAFVへの攻撃[7.11]
- 【4】AFVへの突撃と突撃期中のハッチの開け閉め[3.7]
- 【5】車両を含む白兵戦[3.8]
【1】砲兵器の命中判定[3.2.4]
砲兵器の射撃と同様に、命中判定=>破壊確認の手順を踏む。
これまで、歩兵目標タイプ(ITT)と地域目標タイプ(ATT)があったが、新たに車両目標タイプ(VTT)が追加された。
1)命中確認表(To Hit Chart)を見る。
2)ITT, ATT, VTTのいずれか、弾種、射程を確認して、適切な命中確認表を見る。
3)命中確認修正(TO HIT DICE ROLL MODIFIERS)を見る。
4)DRする。
色つきダイスの目<白ダイス 砲塔命中
色つきダイスの目≧白ダイス 車体命中
同一ヘクスに対する射撃
MPhに移動して同一ヘクスに入ってきた敵に対する臨機射撃は進入時に敵が通過したヘクスサイドが自身のCA内でなければ射撃できない。
一例を挙げて実際にプレイしてみよう。
ドイツ軍がuU5の林にケーニヒス・ティーガー戦車を配置している。
ソ連軍がvK4で始動しL4=>M5=>N5と移動したとする。そこでティーガーが射撃したとする。射程距離は14ヘクス(560m)だ。
1)命中確認表(To Hit Chart)を見る。
2)ケーニヒス・ティーガーの88LL砲がVTTで射撃する。射程14ヘクスの時は9/8だ。命中確認ナンバーは黒の9だ。
3)命中確認修正(TO HIT DICE ROLL MODIFIERS)を見る。
事例13BU状態+1
事例17TEM麦畑+0
事例18麦畑によるLOS妨害+2(O4とN4-O5)
事例24臨機射撃でケーニヒス・ティーガーがT-34/85をLOSに捉えてから3MP使用しているので+3
DRM合計+6
4)DRの結果、1+2+DRM6=9で命中だ!!
色つきダイスの目1<白ダイス2なので、砲塔命中だ。
【2】破壊確認[7.9]とAFVへの攻撃結果[7.10]
1)命中したら、破壊確認表(TK表:To Kill Table)を見る。
2)使用された弾種により適切なTK表を選択する。
3)使用した砲兵器の口径、砲身長、射程距離から基本TK#を読み取る。
4)後面命中(+1)か致命的命中(x2)の場合、TK#を修正する。
5)最終TK#=4)のTK#ー目標の向きと位置によってわかる装甲値(AF)
6)DRする。
7)AFV破壊表(AFV DESTRUCTION Table)を見る。
6)DR<5)最終TK# AFVは撃破され残骸にする。
6)DR=5)最終TK# 走行不能/衝撃
6)DR+1>5)最終TK# 衝撃の可能性
「衝撃の可能性」の時、AFV固有操作班がNMCする。
NMCに失敗したらSHOCKカウンターを載せる。
AFVの固有操作班の士気=その国籍の最も優秀なEクラスMMCと同じ。
米軍・伊軍7
独軍・英軍・露軍8
衝撃の結果
CE状態=>BU状態
移動中/Motion状態だった場合ただちに停止する。停止MP不要。
TCA,VCA変更不可能
回復drを実施しdr1から2で回復しSHOCKカウンターを除去する。
回復dr3から6の時SHOCKカウンターを裏返しUK(未確認の破壊)にする。
UK状態の場合、SHOCK状態と同じで次のRPhに回復drを行い、1-3で回復しUKカウンターを除去する。4-6で残骸とする。
走行不能になった場合、Immobilizedカウンターを置く。
機動中、移動中のAFVはただちに停止する。停止MP不要。
麻痺(stun)
CE状態のAFV操作班がIFT上でMCの結果をこうむり失敗した場合、麻痺(stun)状態になる。
BU状態になる。
機動中、移動中のAFVはただちに停止する。停止MP不要。
TCA, VCA変更不可能
射撃、CC攻撃、阻止も不可能
そのプレイヤーターン終了時に自動的に回復しstunカウンターを裏返し+1の面にする。以後、TH、MG/IFEのIFT、CC、MCのDRに+1DRMされる。
麻痺(STUN)
2回目の麻痺の結果の場合、CE状態のAFV操作班がIFTでKまたはKIAの結果を受けたとき、MCで修正前に12だったとき、麻痺(STUN)状態になる。
麻痺(stun)の影響と同じで、そのプレイヤーターン終了時にSTUNカウンターを裏返しRecall+1の面にする。
帰還状態(Recall+1)になったAFVは最短距離で機動状態を維持しながら自軍盤端へと離脱を試みなければならない。
先のケーニヒス・ティーガーとT34/85の対決で破壊できるか見てみよう。
1)命中したら、破壊確認表(TK表:To Kill Table)を見る。
2)使用された弾種はAP弾なのでAP(APCR/APDS)TO KILL TABLEを見る。。
3)使用した砲兵器の口径、砲身長、射程距離から基本TK#を読み取る。
88LL砲で、射程距離14ヘクスなので基本TK#は27だ。
4)後面命中(+1)か致命的命中(x2)の場合、TK#を修正する。
今回は側面なのでTK#の修正はなく27のままだ。
5)最終TK#=4)のTK#ー目標の向きと位置によってわかる装甲値(AF)
T-34/85の側面だから6だ。
□で囲まれているので砲塔は1ランク上になるから8になる。
27ー8=19が最終TK#だ。最終TK#が19なので、どの目が出ても撃破だ。
6)DRする。6+3=9
7)AFV破壊表(AFV DESTRUCTION Table)を見る。
6)DR9<5)最終TK#19のため、T-34/85は撃破され残骸になった!!
さすがは88mm砲だ!!
仮にT-34/85が正面を向いていたら、前面装甲が11なので、27ー11=16なのでやはりT-34/85を撃破できた。
IS02が正面を向いていたら、前面装甲が14で□がついているので、1ランク上がって18になる。27-18=9になるので、DRと同値になるので衝撃となり、移動停止となる。
【3】ATT目標タイプの攻撃によるAFVへの攻撃[7.11]
ATTによる砲兵器が命中した場合、IFT上で攻撃結果を解決する。
火力はITTの半分
IFT DRにTEMを加算
IFT DRに装甲値(AF)の修正
全AF≦4のとき-1DRM
全AF≧8のとき+1DRM
空中炸裂はCE状態操作班に影響するがAFVには無影響
IFTの結果
KIA AFV破壊
KまたはKの結果より1大きいとき
車体命中のとき走行不能
砲塔命中のとき衝撃
致命的命中の時
ITTの火力x2してIFT上で解決する。
【4】AFVへの突撃と突撃期中のハッチの開け閉め[3.7]
歩兵が敵AFVのいるヘクスに突撃する場合、PAATCに成功しないといけない。
修正後DRで成功≦MMCの士気値
成功したらAFVのいるヘクスに突撃
失敗したら釘付け状態になる。
PAATCの修正
スタックしている指揮官の士気能力修正
未熟兵とイタリア軍1線級MMC=+1
突撃期に車両はBU状態とCE状態の切替を行える。同一フェイズに開け閉め両方は行えない。
【5】車両を含む白兵戦[3.8]
片方が車両を持ち、片方が車両を持たないとき
1)車両をもたない陣営が1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
2)車両をもっている陣営が1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
3)以下、自軍ユニットの全てが攻撃を行うか除去されるか、攻撃を見送るかするまで繰り返す。
両陣営が車両をもっているとき
1)フェイズ・プレイヤーが1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
2)非フェイズ・プレイヤーが1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
3)以下、自軍ユニットの全てが攻撃を行うか除去されるか、攻撃を見送るかするまで繰り返す。
不意打ちが発生したとき
1)不意打ち成功プレイヤーが1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
2)不意打ちを受けたプレイヤーが1回攻撃し、ただちに結果を適用する。
3)以下、自軍ユニットの全てが攻撃を行うか除去されるか、攻撃を見送るかするまで繰り返す。
歩兵による車両攻撃
1)DR<白兵戦値(CCV) 目標車両撃破
2)DR=白兵戦値(CCV) 目標車両走行不能
3)DR2のとき
追加のdrをして1-2なら目標車両撃破 3なら走行不能 4-6効果なし
4)DR12のとき
突撃したユニットが損耗
白兵戦値(CCV)
分隊5
操作班4
HS3
SMC2
車両による対歩兵攻撃
CCに使える武器は、次の通り
AAMG(CE状態の時)
CMG
RMG
15mm以下のMAによるIFE
近接防御兵器
火力を合計しても分割してもいい。
使える火力で白兵戦表(CCT)で解決する。
車両が入っても命中確認=>破壊確認のルールはオリジナル『戦闘指揮官』(Squad Leader)と同じだ。むしろシンプルになったかもしれない。
オーバーランルールがなくなったのはなんだか残念だ。ASLSKだからでASLではあるのだろうか?
大きく変わったのが白兵戦ルールだ。
細かいルールがあるが、大雑把にこんな感じだろう。
射撃や破壊確認については、オリジナルAH『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズよりシンプルになった気がする。
これで車両を使ったASLSKシナリオをプレイできそうだ。とても楽しみだ。