Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ルールのもやもやがようやく晴れたPart2(哨戒艦と攻撃艦ルール) AH『太平洋の覇者』(Victory in the Pacific)


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私がウォーゲームに触れた中学生の頃、一番、プレイしたのが、アバロンヒル社『太平洋の覇者』(Victory in the Pacific)だ。

 

その頃、ルール上、なんだかもやもやしていたのが、哨戒艦と攻撃艦ルールだった。

 

5/29の本ブログの記事に大変有益なコメントをいただいた。

haruichiban0707.hatenablog.com

この記事を修正していくと混沌としてきたので、あらためて整理してみた。

整理してもやもやがようやく晴れた!!

 

 

【1】ホビージャパン版ルール・ブックの記載

まずはホビージャパン版ルール・ブックより抜粋

 

5.2 移動の手順(いずれも日=>連合軍の順)

 5.21 哨戒艦艇の移動・修理・軍港停泊中の艦艇を攻撃艦艇にする。

    海域侵入のサイコロを振る。

 5.22 基地機の移動

 5.23 陸戦部隊の移動

 5.24 攻撃艦艇を軍港や基地から海域に出動

 5.25 潜水艦の移動

 

6.221 今いる海域から次の海域に入る場合、哨戒艦艇はすべてサイコロを振って海域侵入の成否を確認しなければなりません。

 

これは英語版だとif they move into a second sea area.とあるので、「次の海域」とは、second sea areaを指す。つまり基地・軍港=>海域(first sea area)=>次の海域(second sea area)を指すことがわかる。

 

6.222 赤(日本軍)と青(アメリカ)の攻撃艦艇は、今いる海域から隣接する海域に入る際に、錏を振って海域侵入の成否を確認する必要はありません。

 

英文だと”Red (Japanese) and Blue (United States) "raiding" ships do not have to make a "speed roll" to enter a second sea area."とあるので、日米の攻撃艦が二番目の海域に入る際に、ダイスを振らなくていいのだ。

 

6.223 緑(イギリス、オーストラリア、オランダ)の攻撃艦艇は、今いる海域から隣接する海域に入る際には、必ずサイコロを振って海域侵入の成否を確認しなければならない。

 

6.23 日本軍とアメリカ軍の攻撃艦艇は、さらに3番目の海域に移ることができます。3つの海域を異動する艦艇はすべて、サイコロを振って海域侵入の成否を確認しなくてはなりません。

 

6.41 海域侵入に失敗した哨戒艦艇は、必ず白い面を表にして下さい。これ以降、これは攻撃艦艇として扱います。

 

6.42 攻撃艦艇が海域侵入に失敗した場合、この艦艇はただちに遊軍の軍港か基地に戻らなければなりません。「10:軍港と基地」を参照して下さい。

 

6.43 海域侵入の確認はすべて、それぞれの手順の終わりに行います。哨戒・攻撃両艦艇はすべて、海域侵入確認のためにサイコロを振る前に移動を行うのです。

 

【2】『タクテクス』(TACTICS)誌Q&A正誤表の記載

タクテクス』(TACTICS)誌No.24(1985/11)号p.117のQ&Aの記載

 

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<6.41>で侵入に失敗して攻撃艦になった艦は再び攻撃艦として再侵入を試みられるのか?それとも一度、軍港に戻り攻撃艦として再出撃するのか?あるいはその海域で攻撃艦のままそのターンは動けないのか?

 

<6.41>一度軍港または基地に戻り、そこから攻撃艦艇として出撃しなおします。

 

タクテクス』(TACTICS)誌No.29(1986/4)号p.117の正誤表の記載

haruichiban0707.hatenablog.com

<6.41>・・・以下=>侵入に失敗した艦は、その場で裏がえし、そのターンの間、失敗した海域で攻撃艦扱いとします。

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【3】哨戒艦と攻撃艦の移動ルールの整理

 移動ルールをあらためて整理すると、次の表のようになる。

 

国籍

哨戒艦(表)/

攻撃艦(裏)

港=>1海域目 1海域目=>2海域目 2海域目=>3海域目
日本 哨戒艦(表) ◎[6.221] ×
日本 攻撃艦(裏) ○[6.222] ◎[6.23]
哨戒艦(表) ◎[6.221] ×
攻撃艦(裏) ○[6.222] ◎[6.23][17.13]
英・豪・蘭 哨戒艦(表) ◎[6.221] ×
英・豪・蘭 攻撃艦(裏) ◎[6.223] ×[17.32]

凡例

 ○:海域侵入判定のサイコロ不要[6.4]

 ◎:海域侵入判定のサイコロ必要[6.4]

 ×:海域侵入不可

 

【4】哨戒艦と攻撃艦移動の例

画像① 長門と日向が横須賀港にいる。
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画像② 手順5.21で、長門哨戒艦として、横須賀から日本列島海域に出港させる。日向は攻撃艦として裏返す。f:id:Haruichiban0707:20240531122131j:image

 

 

画像③ 長門マリアナ諸島海域に進入を試みるが、ダイスは6のため、進入に失敗する。
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画像④ 長門は、海域侵入に失敗したマリアナ諸島で攻撃艦として残る。f:id:Haruichiban0707:20240531122209j:image

 

画像⑤ 手順5.24で、攻撃艦の日向が日本列島海域に出撃する。長門哨戒艦として移動したし、軍港にいないので、この手順では移動できない。f:id:Haruichiban0707:20240531122307j:image

 

画像⑥ 攻撃艦の日向が2個目の海域であるマリアナ諸島海域に入る。日本軍の攻撃艦で2海域目なのでダイスを振らなくてよい。f:id:Haruichiban0707:20240531122443j:image

 

画像⑦ 日向が3番目の海域であるマーシャル諸島に入ろうとしてダイスを振るが6が出たので、侵入に失敗したので、マーシャル諸島海域を基準にして、クワジェリンまたはマロエラップまたは軍港に帰投する。f:id:Haruichiban0707:20240531122544j:image

 

画像⑧ 日向はトラックに帰投した。長門マリアナ諸島海域にいて、戦闘に参加できる。


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ようやくもやもやが晴れてすっきりした。